==禁煙医師連盟北海道支部からのアピール==
道民の皆様そして全国の皆様。エアドゥは12月1日から座席の25%を喫煙席としました。いくら後部の座席だけに喫煙を限っても、タバコの煙の混じった空気は機内全体に広がります。喫煙区域の空気をすべて機外に追い出して再循環させない換気システムはコストばかりかかってまったく採算がとれません。だから世界中のほとんどの航空会社はフライトを「分煙化」でなく「完全禁煙化」したのです。エアドゥは採算のとれない手段で業績回復などはかれるのでしょうか?
わずか1時間の受動喫煙でも、タバコを吸わない乗客・乗員は大変な健康被害を受けます。大気汚染やダイオキシン汚染、放射線被爆などの社会的リスクの許容基準は、そのリスクにさらされる10万人を一生観察し、1人以上犠牲者が出ないことです。ところで日常生活の受動喫煙者を一生追跡すると、14%(10万人中14000人)が受動喫煙のために死にます。したがって家庭や職場、交通機関での受動喫煙は、許容基準を1万倍以上上回る環境汚染と言わなくてはなりません。
このリスクがどれほど大きなものかをレントゲン検査を例に説明しましょう。胸部直接X線撮影を1回うけた10万人中将来0.05人が肺ガンで死にます。ということは受動喫煙のある人生は胸部直接撮影28万回分(!)のX線被爆による死亡リスクを背負うに等しいことになります。これは毎日20枚づつ40年間胸部X線撮影を受け続ける状態です。
1日20枚とすると、飛行機の中での1時間の受動喫煙でさえ胸部直接X線撮影5〜10回分にあたります(1日1〜2時間の受動喫煙のあることが受動喫煙ありの定義だからです)。他人からこれだけのリスクを強制的に負わされることは先進国社会では許容できません。だから、わずか1時間のフライトでも全面禁煙にする必要があると私達は主張しているのです。
それに加えてフライト中の受動喫煙でただちに命を脅かされる人がたくさんいます。日本人の100人に5人は気管支喘息を患っています。心臓病や脳血管障害を持っているお年寄りの飛行機利用も増えています。もし機内のタバコの煙でこれらの方々に重い発作がおきたらどうなるでしょう。赤ちゃんや妊婦さんもたくさん飛行機を利用する時代です。乳幼児突然死や胎児の低酸素が起きる危険があります。機内には救急設備もなく医師も常駐していません。長時間喫煙区域内で仕事をせざるを得ない乗務員に対する健康被害はとりわけ心配です。
私達は科学的根拠に基づきエアドゥの喫煙席導入反対を訴えてきました。いかなる理由があろうと「旅客便への喫煙席導入」は医学的に許容できない「禁じ手」なのです。このアピールのタイトルは決して誇張ではありません。エアドゥがやってしまった事を正確に表現しただけです。
私達はエアドゥが喫煙席導入を一日も早く中止する事を強く要求します! (2000年12月1日)
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