1976年解説

となりの芝生

NHK
脚本:橋田壽賀子 演出:田中昭男
出演:山本陽子、前田吟、沢村貞子、赤木春恵

 それまでの銀河テレビ小説枠は小説のドラマ化が中心の文芸路線だったが、この作品がヒットしたことにより、大きくホームドラマにシフトすることになる。

 当初はマイホームをたてた夫婦の悲喜劇を描こうとする企画だったが、脚本を書き出すと姑(沢村貞子)のはなしがふくらみ、押し掛け同居し家事に口をだし家計を圧迫する。内職をはじめるとあてつけだと文句をいうので、嫁(山本陽子)は着飾ってパートに出て、強くなって口答えをはじめる。居所がなくなって夫(前田吟)は浮気にはしる、と身も蓋もない。

 あまりに生々しく嫁姑というテーマの古くささにNHKではまったく期待されていなかったけど、回がすすむごとに話題をよび大ヒット。やっぱり古くて新しいテーマということか。

 最後は突然、姑がはなしがわかるように変貌しすべての問題が解決するあっけない結末やタイトルもことわざのもじり(原題の「三界に家なし」もそう)であることも含めて、「渡る世間は鬼ばかり」に至るパターンの先駆け。

 77年に続編「となりと私」、79年に「幸せのとなり」と「となり」3部作がつくられた。



桃太郎侍

日本テレビ
原作:山手樹一郎 脚本:結束信二 演出:田中徳三
出演:高橋英樹、植木等、野川由美子

 明るい作風の山手樹一郎原作にふさわしく、底抜けに明るい痛快時代劇。
 桃太郎は11代将軍の子だが双子だったため、密かに養子に出される(本名は松平鶴次郎)、長じて桃太郎となり悪者退治をしていく。
 
 毎回、クライマックスで桃太郎が「許さん」と立ち上がり、

ひとーつ、人の世の生き血をすすり
ふたーつ、ふらちな悪行三昧
みーつ、醜い浮き世の鬼を、退治してくれよう桃太郎

と登場するのはあまりにも有名。しかし意外なことにjこのパターンは30話から登場。やはり決めせりふをつくらなくては、と開発されたのだった。



明治100年企画相次ぐ

 明治元年(1876年)から100年のこの年、明治以降の近代を振り返ったスペシャルドラマが相次いで制作。
 NHKは1月〜10月まで月イチで明治の元勲たちを描く「明治の群像−海に日輪を−」、単発の「シーメンス事件−検事小原直回顧録から」、テレビ朝日のA級先般に問われた広田元首相の「落日燃ゆ」、フジの大蔵省が制作費を協力した「燃えよ!ダルマ大臣・高橋是清伝」など。

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