1975年解説

前略おふくろ様

日本テレビ
脚本:倉本聰 演出:田中友己
出演:萩原健一、梅宮辰夫、丘みつ子、八千草薫、桃井かおり、坂口良子、室田日出男、川谷拓三

 照れ屋で臆病なさぶ(萩原健一)が、郷里の山形に年老いた母親(田中絹代)を残し、東京の深川の料亭で板前修業に励む青春を描いた下町人情喜劇。
 
 主人公のぼそぼととしゃべるモノローグのナレーション、東京と地方の構図など、現在にいたる倉本聰脚本ドラマのパターンが確立。(なお、前年に倉本聰の母親が亡くなっている)

 萩原健一は「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」でのシラケ世代の代表から、イメチェンに成功。また、前年「ピラニア軍団」をつくった室田日出男と川谷拓三も注目された。

 好評により76年に続編が制作。母(田中絹代)の葬儀で蔵王に帰る回の放送4日前に、田中絹代が亡くなった。




俺たちの旅

日本テレビ・ユニオン映画
脚本:鎌田敏夫 演出:斉藤光正
出演:中村雅俊、田中健、津坂まさあき(現・秋野太作)、金沢碧、上村香子

 日本テレビ日曜8時伝統の青春枠だが、高度経済成長時代の熱血ものからオイルショック後は大転換。脚本の鎌田敏夫が「将来のために今を我慢するより今を大事にする大学生を描いた」と語る、都会に暮らす冴えない若者3人が主人公のモラトリアムな青春ドラマ。

 主人公はすぐカーとなるカースケ(中村雅俊)、同級生でダメオをひっくり返したオメダ(田中健)、先輩のグズ六(津坂まさあき)、大学を卒業後、カースケは就職せずアルバイト暮らし、二人もサラリーマン暮らしがなじめず、カースケと大学浪人のワカメ(森川正太)がつくったなんでも屋に合流する。

 ぼろぼろのベルボトムが時代が一回りして流行になった分を割り引いても、今みてもまったく古さを感じさせず新鮮で、カミセンで「Ver.1999」を作ったスタッフの気持ちはよくわかります(出来はともかくとして)。

 85年に「十年目の再会」,、95年に「二十年目の選択」とスペシャルを制作。2000年、鎌田敏夫が「25年目がつくりたい」といっているので、再登場の可能性は高そう。




東京・大阪腸捻転ネット解消

 東京のキー局と大阪局の関係がTBS−朝日放送、NET(現テレビ朝日)−毎日放送であったのが、TBS−毎日放送、NET−朝日放送に変更された。

 これは74年に新聞社と在京キー局の間で単一株主構想が実現、読売は日本テレビ、毎日はTBS、産経はフジ、朝日はNET、日経は東京12ch(現テレビ東京)に統合。この結果、その名の通り、朝日資本の朝日放送、毎日資本の毎日放送との系列関係にねじれが生じ、それを修正するため。

 このことにより、朝日放送の制作する必殺シリーズがNETにいき、また毎日放送の制作する「仮面ライダー」がなくなったNETは「秘密戦隊ゴレンジャー」を制作することとなる。




向田邦子、乳ガンで入院

 10月、「寺内貫太郎一家II」執筆中の向田邦子が乳ガンを発病、手術し3週間入院する。このときの輸血が原因で76年に血清肝炎をおこし、つづいて右手が利かない病気を併発。

 この間に、「銀座百点」誌に「父の詫び状」を連載開始。

 これ以降、いままでのほのぼのホームドラマから、シリアスドラマへと向田脚本は変わっていく。

 なお、中断した「寺内貫太郎一家II」の脚本は、演出の久世Dが引き継いだ。

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