1973年解説


非情のライセンス

NET 脚本:桜井康裕 演出:永野靖忠
    出演:天知茂、山村聰、渡辺文雄、村松英子

 ブルーベル・シンガーズの歌う「昭和ブルース」を聞いた片岡政義プロデューサが世をすねた戦中派の心情を感じて、生島次郎の「凶悪の門」を原作としてドラマ化。その影響で毎回のサブタイトルは「凶悪の・・・」となっている。

 天知茂の刑事はひたすらクールでダンディな一匹狼。巨悪を手段を選ばず殺しまくる一方、派手なスーツを着込み毎回、ゲスト女優と寝まくる、現代に至るもこれほどベッドシーンの多い刑事ドラマはない?

 眉間の縦皺がポイントだが、天知茂も他のドラマだとあの縦皺はない。役作りだったのだ。

 好評により、74年〜77年に第2シリーズ、80年に第3シリーズが放送。



どてらい男
     ヤツ
関西テレビ 脚本:花登筐 演出:内海佑治
        出演:西郷輝彦、高田次郎、本郷功次郎、田村亮

 下り坂にあった大阪根性ものを花登筐がよみがえらせた代表作。「どてらい」は作者の造語で、てれもきらいもなく猪突猛進するイメージ。

 機械商社「山善」社長をモデルに、小学校卒のモーやんこと山下猛造が丁稚奉公にいった先で番頭などにいじめられながらも不屈の闘志とアイデア商法で成功するパターンは相変わらず。いつもと違うのはいままでの女性中心から男性主人公に変わったことで、モーやんはただ耐えるだけではなくやられたらやりかえそうと頭を絞って努力する、ということ。

 そのキャラによくあっていたのは鹿児島出身の西郷輝彦。当時、歌手としての人気のピークは過ぎていたので、ハングリーで謙虚になっていたことから起用された。

 このドラマ、企画したもののなかなかスポンサーが決まらなかったため、73年4月から放送予定なしのまま制作、3ヶ月すぎてようやく10月からの放送が決定した

 放送するとたちまち人気沸騰、当初の火曜10時から日曜9時に昇格し、放送期間も延長につぐ延長、戦後編、激闘編、死闘編、総決算編と77年まで4年半の長期シリーズとなった。

 ところで、「あすか」で扇屋一心堂をいじめる沢本忠雄を見ると、昔モーやんをいじめていたころとかわってない、四半世紀役柄のパターンが同じであると感心させられる。


NETと東京12チャンネル総合局に

 NET(現テレビ朝日)と東京12チャンネル(現テレビ東京)は放送行政上、教育専門局であったが、この年、11月1日に再免許交付にあたり、教育番組20%以上、教養番組30%以上を確保することを条件に総合局となった。

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