天下御免
NHK 脚本:早坂暁 演出:岡崎栄・村上彗 制作:小川純一
出演:山口崇、林隆三、津坂匡章、中野良子
江戸中期の、マッドサイエンティスト?平賀源内(山口崇)の青春を、江戸と高度成長期を重ね合わせて社会風刺、実験的手法を織り交ぜながら描いた型破りな時代劇。
チームを組むのは、時代を先取りしすぎた源内に、戦国の世にあこがれる剣の達人・小野寺右京之介(林隆三)、義賊・稲葉小僧(津坂匡章、現秋野太作)、武家の娘・(中野良子)、その弟八萬(山田隆夫)。
歴史上の人物としては田沼意次(仲谷昇)、杉田玄白(坂本九)。当時の美濃部都知事もゲストに。
脚本の早坂暁は、当初は、佐々木守、橋田壽賀子に次ぐ3番手だったが、脱ドラマ「お荷物小荷物」を書いた佐々木守が1回目をかけず、橋田壽賀子は降板して「つくし誰の子」を書き、急遽一番手に。
江戸のゴミ問題、おしろいの鉛毒による公害問題、試験地獄などをとりあげながら、ラジオの「日曜娯楽版」のように風刺が効きすぎてつぶれないように、社会派らしいところを見せた。(小川チーフプロデューサへの風当たりはきつかったらしい)
演出の前半は岡崎栄で、時代劇の約束事にとらわれない破天荒な演出をめざし、初回の源内と殿様の会話を居並ぶ重臣たちが伝言ゲームのように耳打ちしながら伝えるのを早回しで見せるシーンは有名。
また、源内が江戸に入るシーンでは現代の銀座のホコ天をつかいあっと驚かせた。
後半、村上慧ら若手ディレクターに交代してからもより過激な方向にエスカレート。
テーマ曲は山本直純の軽快な音楽に、主役トリオの歌、それにタイトルバックの黒鉄ヒロシのイラストもベストマッチ。それに水前寺清子のナレーションも印象的。(「ありがとう」に主演していてこれもでは歌う時間があったのか?)
最終回は史実では獄死となっているが、実は密かに気球でフランスで亡命していたことに。
1年おいて、早坂・岡崎のコンビにより天保期が舞台で、河内山宗春、平手造酒を中心とする天下堂々も制作されたが、源内ほど魅力的な主人公は作り出せずヒットには至らず。
また90年には、フランスから密かに帰った源内が脇役として登場する、「びいどろで候・長崎屋夢日記」が早坂脚本でつくられたが、かつてのエネルギーはなかった。
なお、この作品のビデオはNHKでは保存しておらず、主演の山口崇が個人的に保存していた初回のテープが放送されたことがある。
2丁目3番地
日本テレビ 脚本:倉本聰 演出:石橋冠
出演:石坂浩二、浅丘ルリ子、真樹千恵子、水森亜土
当時を代表する美男美女、スマートな石坂浩二と洗練された浅丘ルリ子の競演が話題になり、さらに1〜3月の放送中に婚約発表、5月には2人が結婚するというおまけつき。
役柄が浅丘は美容院をバリバリ経営する強い妻、旦那の石坂浩二は売れないテレビディレクター、ねんねこ姿でぼやく石坂をどなる浅丘という意外性で人気に。
従来のホームドラマが善人ばかりなのに対し現実を反映しだれにでも共感できるようにする、という狙いのもと、ウーマンリブの世相とがんばれ亭主!のテーマを描いた。
俺は男だ!
日本テレビ 脚本:山根優一 演出:広瀬襄
出演:森田健作、早瀬久美、小川ひろみ
ウーマンリブ全盛を背景に、女子生徒が8割で男子生徒はひ弱ぞろいの青葉高校に転入してきた主人公が剣道部主将となり奮闘するドラマ。
日本テレビ青春シリーズはほとんど東宝制作(俺たちシリーズ以降は系列のユニオン映画)だが、前作「炎の青春」から1年半おいてつくられた本作と「おこれ!男だ」と森田健作主演の2作は松竹制作。
そのため、いままでと違うパターンになり、もっとも目立つところでは主役が教師から生徒になる。デビューとなる森田健作の個性とも相まって、いままでにない若さとパワーを発揮し、森田健作は人気を押し上げた。(いまだにこのイメージそのままといっていい)
天皇の世紀
朝日放送 脚本:岩間芳樹、早坂暁、石堂淑朗、新藤兼人 演出:山本薩夫他
出演:山本學、田村高広、木村功、原田芳雄、伊丹十三
朝日新聞に連載された大佛次郎の原作をもとにした、ドキュメンタリードラマの先駆。
明治維新史で、ドラマ部分と関係者の証言等をおりまぜたドキュメンタリー部分を融合。勝海舟と咸臨丸をあつかった「異国」では、勝海舟を演じる俳優がメーキャップをしながらスタッフと役づくりについて話し合う現場を描くなど、実験的手法が用いられた。
フジテレビ、制作局を廃止
フジテレビが経営合理化のため制作局を廃止し、ドラマなどの制作部門をフジテレビ系制作会社に移す。
制作会社を競争体制に置き活性化するねらいもあったが、現実には制作会社がフジテレビに依存する結果となり、失敗。
80年に再び本社制作局に集約し、80年代のフジテレビの快進撃をおこすことになる。
大映倒産、大映テレビ発足
映画産業の斜陽の中、大映が倒産。従来、大映テレビ室として「ザ・ガードマン」などテレビドラマを制作していた部門は、倒産直前に本社からの分離独立に成功、大映テレビとなる。