エギング用ライン「PE0.6号」の実力


 日中エギングでは必須アイテムと言われている(?)極細PEライン「0.6号」だが、果たしてそんなに
凄い物なのか?
 操作性は、果たしてどうなのか?
 ライントラブルは無茶苦茶多いのか?
 ・・・等について、私なりにフィールドテストを敢行!
 その実力を確かめる事にする。



 10月下旬の某日、比較的人が少ない某ポイントに入る。
 一帯の水深は0.5〜1m程度とかなり浅めだが、海底の状態は岩礁帯&藻場が連続しており、日中&
夜間を問わずエギングの好ポイントだ。


 当日のタックル
 タックルは、D社の初代(?)ハートランド X 7フィート半のウルトラライトアクションのロッドを使用。
 このロッドは、ソリッド穂先の柔らかいロッドで、ソフトルアーを使用しての小型スズキ用・・・として設計
されている(?)少々古いロッドだが、ショアからのエギングでは最も使用頻度が高いロッドだ。
 現在市販されている最新のエギングロッドと比較すると張りは相当に弱いロッドだが、「夜のズル引き用」
として重宝してるし、少しのアクションでも狂ったようにダートする最新の餌木を使用すれば、日中の
エギングでも、それ程不自由は感じていない。
 リールは、S社のBB−Xテクニウム3000番(磯用レバーブレーキ付きのリール)を使用。
 逆テーパーのスプールでも何でもない、有り合わせのリールを使用して、「お手軽エギング」の
可能性を探るのが今回の狙いでもあるので、保有している「トーナメントZ」にはお休みして頂く。
 PEラインは、D社のエギセンサー0.6号を150m巻き込む。
 更に替スプールには、今まで使っていたM社のPE1号が巻き込んであるので、両者の微妙な使用感の
違いについて同条件で使用して比較する事にする。
 それにしてもPE0.6号は細い!
 普段ジギングではPE3〜4号で慣れ親しんでいるし、今まで日中エギングはPE1号を使っていたので、
軽く息を吹きかけただけで「クモの糸」の様にフワフワと空中に舞い上がるPE0.6号は未体験の細さを感じる。

 ショックリーダーは、フロロの2号を2m程度、装着する。
 2m程度のリーダーだと、7フィート半のロッドでは「結び目のコブ」がリールに巻き込まないギリギリの位置
にくるので、キャスト時のトラブルが無く、このくらいの長さがエギングには丁度良いように私は思う。
 糸巻き状態は、敢えて「スプールリングにスレスレ」というトラブル発生率が高そうなレベルに設定。
 リーダーとPEラインは、より「お手軽日中エギング」を目指している関係上、餌釣り師の方にも馴染み深い
「電車結び4回くぐり」で結束する事にする。
 餌木は、2〜3号を用意、「微風の横風」という条件でキャストを開始する・・・。


 いよいよ実釣開始!
 まずPE0.6号を使用しての飛距離だが、PE1号比で2割増しぐらいUPしている。
 D社のエギセンサーは、10m毎にカラーが変化し、1m毎にも目印が有るので正確な飛距離が測定
可能だ。
 「意識的にパワフル」なキャスト後に素早く糸フケを取り飛距離を計ると、PE0.6号&3号の餌木で
約35メートル程度をコンスタントに記録している。
 いい加減な”ちょい投げ”程度でも、PE0.6号だと25メートル程度の飛距離をコンスタントにマーク。
 PE0.6号を初めて使用された方は、誰しも「自分は、こんなにキャスト上手かったけ?」と錯覚するぐらい、
誰が投げられてもキャスト後の餌木は、ことごとく自分の予想より沖目に着水するはずだ。

 PE1号では、私のキャスト能力だと30メートルラインぐらいが限界なので、約2割増しの飛距離UPは
非常に魅力的な数値と言える。
 ライン放出時の音も、PE0.6号使用時は、「シャカッ」というリーダー結束部がガイドを通過する音以外は
全くの無音の世界で、「シュルルルー」なんてPE1号使用時や、ナイロンライン使用時の野暮な摩擦音は
殆ど発生しないのも気持ち良い。
 たった0.4号の違いなのに、とにかくライン放出時の抵抗の少なさには驚かされた。
 また、キャストの絶対的な飛距離UPと同時に、PE0.6号を使用するとキャストの正確性が相当に向上
するのも見逃せないポイントだ。
 また、2.5号や2号という小さい餌木を使用しても、大幅に飛距離がダウンしないのも嬉しい。


 そして「風にどの程度影響を受けるか?」だが、”クモの糸感覚”の極細PEライン0.6号だけに、微風でも
PE1号使用時以上に、キャスト直後は糸フケ部分が風に吹き流されることになる。
 しかし、上述しているように、糸フケは多めに出ても餌木は狙ったポイントに面白いように飛んでいく。
 0.6号でキャスト直後に糸フケを取る動作を行なうと、PE1号を使用していた時よりも容易に餌木とラインを
一直線にする事が可能で、やはり直径が細くなった分の風圧低減の効果は体感出来る。
 「ライナー性」で餌木が飛んでいくような”純ルアーマン的な”キャストを心掛け、餌木の着水直前でブレーキ
を掛ける等で糸フケを最小限に押される動作をすれば、少々の強風でも、より有利な釣りが展開出来そうだ。
 今日は微風だったが、強風下では、PE1号よりもPE0.6号の方が、断然有利な釣りが展開出来そうである
のは言うまでもない。

 そして気になる「餌木の着底感」だが、やはりPE1号よりも0.6号の方が断然好感度で、「着底感を感じる」
なんて0.6号ラインだと朝飯前。
 PE1号でも一応「着底感を感じる」のは不可能ではないが、水深が深いポイントだと、やはり難しい。
 どのようなアクションで餌木がフォールしているか?という事まで判別できるぐらい、水面を漂う0.6号の
ラインは微小な波を立てながらリアルに動くし、フォール中のモイカのアタリも1号よりも断然取り易い。


 ライントラブルの発生状況
 それから、最も気になるライントラブルの発生状況だが、”ガイドへのラインの絡み”は、PE1号使用時
と比較してPE0.6号使用時は意外にも激減した。
 今までPE1号を使用していて、ガイドへのライン絡みの多さにウンザリしていたいた私は、日中エギング
専用と割り切って「インターラインのエギングロッド」の購入を本気で考えていたが、「PE0.6号を使用したら
旧式の外ガイドでも余り絡まない」という事が判明したので、NEWロッドの購入意欲は一気に衰退した。

 「より小さいテンションで糸フケを排除できる」という極細PEライン0.6号ならではの特性は、ガイドへの
ライン絡み防止という点で、大きくプラスに作用しているようだ。
 つまり、微風程度でも吹いていれば、常にラインは引っ張られている状態で「ガイドを通っているライン
の糸フケが全く発生しない」ので、ガイドに絡む要因が発生しない・・・という原理なのだ。
 全くの無風状態でも、トップガイドから水面上に垂れ下がっているラインの極めて小さい自重による
引力で、各ガイド間の糸フケは常に少なく、激しくロッドをアクションさせてもトラブルは少なかった。
 しかし、「全てのロッドでPE0.6号を使用すると、ガイドへのライン絡みが激減する・・・」とも言い切れない
のも事実だ。
 今後、多種のロッドで試してみる必要があると言える。

 「キャスト直後のライントラブル」に関しては、PE0.6号で釣り開始早々からライントラブルが続出。
 PE0.6号の方は、キャスト時の3回のトラブルで、ラインを約30メートルぐらいロスト。
 やはり、逆テーパーでも何でもない普通のスプールにPEラインを巻き込む場合、「スプールリングに
スレスレ」の糸巻き状態は、キャスト時にトラブルが多発する事が判明した。
 トラブルが起こしてしまい、ラインに”コブ”を作ってしまえば、極細PEだけに復旧作業は困難で、
ライン切断・・・となってしまうのは、PE1号も0.6号も大して変わりはない。
 約30メートルのラインロスト後は、「スプールリング-1mm程度」の絶妙な糸巻き量となり、その後
PE0.6号でのキャスト直後のライントラブルは皆無だった。
 D社の「PE対応逆テーパー」のスプールだったら、「スレスレ」でもキャスト時のトラブルは少ないと
思うが・・・。
 ちなみにPE1号の方は、餌木のアクション中のガイドへの絡みは非常に多いものの、キャスト時の
トラブルは皆無という意外な結果が出た。

 餌木のアクションに関しては、両者とも互角でイイ感じ。
 0.6号も1号も、ロッドのアクションに餌木はどちらのラインも忠実に反応していた。
 でも、水深が深いポイントだと、「ラインの絶対浮力」の関係で、PE1号の方が餌木のシャクった時の
跳ね上げ量が微妙に大きくなる・・・という現象も無くはなさそうだ。


 結束強度に関しては、超お手軽結束法である「電車結び」で実用的な強度が出ているようだ。
 海草への根掛かり時に大きくロッドをあおって結束部の対衝撃性もチェックしたが、全く問題無し。
 更に力強くラインを引っ張ると、大きな海草が根こそぎ上がってきたので、絶対強度も合格だ。
 ただし「電車結び」は、結束するラインの直径が接近している時に威力を発揮する結束法なので、ライン
がPE0.6号だったらリーダーは2号(8lbぐらい)が電車結びの限界値だと思う。
 より太いリーダーを付ける時は、少々面倒だが通常の各種のラインシステムや、PE0.6号のパッケージ
の裏等に紹介されている結束法で挑まれる事をお薦めする。

 PE0.6号自体の絶対的な強度は、パッケージには全く記されていないが、おそらく6〜8lb程度だろう。
 これだけの強度が有れば小型主体の秋季のエギングに関しては全く問題無いが、春季で2キロ以上の
モイカがヒットすると、かなりの達人さんでも、ライン強度ギリギリのスリリングな取り込みになりそうだ。
 アベレージが2キロを超えている・・・というような春季の大物ポイントでは、少々操作性が悪化しても
やはりPE0.8〜1号を使用するのが初心者〜ベテランを問わず得策だと思う。


 ・・・で、今日の釣果は、フィールドテスト途中に乗ってきたモイカ2ハイのみだった。


 結論
 以上の様に「PE0.6号」に関しては、予想以上の好印象だった。
 ラインとロッドの相性や、個人レベルの釣法の違いが多少なりともあると思うので断言はできないが、
とにかく「旧式のロッドでもPE0.6号を使用したらガイドへのラインの絡みが少ない」という事が確認
できたのが今回の一番大きな収穫で、有り合わせのロッドで勝負できる”お手軽日中エギング”に大きく
前進したと思う。

 「下巻きを欲張らない」という事さえ注意すれば”逆テーパ”ではない、普通の有り合わせのリールに
巻いてもキャスト時のトラブルの発生率は十分に許容範囲内だと思う。
 更に「リールにラインを巻き込む時は、少しでも良いからテンションを掛けながら巻き込む」といったPE
ライン特有の取り扱いに注意すれば、キャスト時のライントラブルは”ナイロンライン並”に押さえる事が
可能だ。

 煩雑なノットを必要とせず、電車結びで簡単にリーダーと結束可能・・・という点も、ラインシステムに
不慣れな”純ルアーマン”以外の方には朗報(?)と言える。

 日中エギング用ラインとして「PE0.6号」は誰が使っても高性能を体感でき、誰もが高性能を引き
出せる優れもののタックルだと思う。
 また、その「高感度&驚異の飛距離」を生かしての”夜用エギングライン”としても、PE0.6号は
大きな可能性を秘めていると思うし、エギング以外の釣りへの応用・・・という点でも、未知の
可能性を秘めている注目のアイテムと言える。