黄昏の覇たる王・第1話『いつか時を環って』

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 熱い、体が燃えるようだ。視界は赤い闇に覆われたまま…。声がする、男の声。
「お前は私のあの方ではないのか?」
 どこかで聞いたことのある台詞。
 驚くほど静かで、そして耳慣れてしまったその声は…
「ずっと待ち続けているのだ」
 その声は呼び声だ。ペンドラドを呼ぶ。
 目の前にフードで顔を見ることの出来ない人物がいる。しかし、間違えはない。
「ロッド。私は帰ってきた」
「ペンドラド」
 男はまとっていたローブのフードを下ろす。
 白髪に赤の瞳がペンドラドを見た。
「やっと本当に出会えたな」
「ああ、すごい長旅だった気がする」
 苦笑と共にペンドラドは言うと、歩き出す。
「そういえば…」
 私はペンドラドのことを何も知らないな…、そう言いかけてロッドはやめる。 今、彼の目の前にいるのは、過去よりも今の方が大切だとそう言い切った少女なのだ。
「そういえば何?」
 首だけ振り向いて、ペンドラドが聞き返してくる。
「いや、いいんだ」
 ロッドはそう答えた。これから、これからのペンドラドを知っていけばいいと。
 風が二人を包み込む。緑の森はもうないけれども、それは森があったころと同じ やさしい風で。

第1話・終



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