『からくりからくさ』 2002.06.23読破



私はいつか、人は何かを探すために生きるんだといいましたね。
でも、本当はそうじゃなかった。
人はきっと、日常を生き抜くために生まれるんです。


書名: 『からくりからくさ』
著者:梨木香歩
発行所:新潮社(新潮文庫)
ジャンル:ファンタジー
おすすめ度:☆☆☆☆


 今ここに存在するからには父がいて、母という存在があったということだ。 両親にもそれぞれに両親というものが存在し、知らず知らずのうち受け継がれて来たものがある。 別に古い家に生まれたりしなくても、欲しくなくても受け継いでしまうものがある。

 「からくさ」模様に象徴されるような、おだやかな連続模様。 永遠に同じように続くように見えながら、連続しつつも紋様を変化させていく。

 物語も、やわらかな文章のなかに断ち切れないもの、因習や血筋、家、嫉妬や そういったものを実にさりげなく織り込みながら、登場人物たちの生き様を 描き出しています。

 連続しつつも、死というもので遮断される人の営み。しかし、 新たな生によって紡ぎだされていくもの。なにか祈りにも似た物語。


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