『火蛾』 御気楽日記2002.01.24分



言葉とは、人が惑わぬようにと神があたえた慈悲。


書名: 『火蛾』
著者:古泉迦十
発行所:講談社(講談社ノベルズ)
ジャンル:推理小説
おすすめ度:☆☆


 舞台は12世紀の中東。聖者たちの伝記をまとめている作家が、取材のためにアリーという男を 訪ねる。男は修行者たちの生活を語りだすが、過去らしい話しの中で修行者たちがひとりひとりと 殺されてゆく。その結末とは…

 「2001本格ミステリ・ベストテン」2位、「2000傑作ミステリーベストテン」10位と 本の帯にあったのですが、私的概念での本格派には分類できないため、星は2つ。というより、推理小説 という分類も私的にはあやしい作品。殺人が行われる修行者が暮らすテントが密室状態にあり、そこらへん が本格なのかと思いきや、宗教・麻薬などが絡んでいて厳密なトリックのタネあかしを考えている と肩透かしを食らいます。

 しかし宗教が持つ狂気と、文章を残そうとする人間の執念とでもいうのか、共通する思いが根底 に流れていて、ミステリーというより、人間の濃い思いを語った《物語》として読む方が面白い と思えます。


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