はじまりは突然に・・・
3年前に行ってからこれは私の中の”決まりごと”になっていた。『なんてつまらない』と言われるかもしれないがこれは間違いなく私にとって有意義で神聖な儀式なのだ。
私達には役割がある。手配は私の担当で現地の運転は相棒の担当だ。私は早速ツアーの手続きを済ませきたる5月27日を心待ちにしていた。
出発そして・・・
轟音を轟かせその巨体はほぼ定刻通りに羽田空港を飛び立った。水を得た魚の様に力強く巨体は空高く上昇していく。この瞬間が私は好きだ。
”旅なれた”と言うには程遠い私は離陸の瞬間全身に力が入ってしまう。それは高所恐怖症の精かもしれないがそれでも小さくなっていく町並みを見ずにはいられない。眼下に雲海を従えるに至って私はやっと安心して自分の時間を消費し始めた。
空白の一日
羽田に着くと乗客はいっせいに各デスクに殺到した。おかげで大手の旅行会社のデスクの周りは黒山の人だかりになっていた。私達が選んだ旅行会社のデスクには先客が一人いただけでスムースに事は運んだ。
その時、隣のデスクのざわつきが少し大きくなった。『今回の旅行はキャンセルです。旅行代金は全て返金いたします。』と旅行代理店の店員の張り上げる声が聞こえて来た。旅行者が今回のために空けた数日は一瞬で泡と消えた。 一方、私達の旅行は翌日フライトの飛行機で”出直し”となった。しかも、一日分の欠航費用は返金された。随分と”ついてる”で出しだなっと思って苦笑した。 |