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まことは六年生になった。 だが学校の授業に全くついていけなくなり、どんなに努力しても、機敏な動作が出来なくなった。 精神も肉体も何一つ思うようにならないもどかしさを感じるのだった。 ただ、新聞配達だけは、自分の優先すべき大切な義務のように黙々と毎日続けていった。 いつも朝五時になると、母の起こす声が下から聞こえると目覚めて起き出した。 洋服を着て支度を終えて、眠い目をこすりながら階段を降りて行くと、 もう父も起きていた。台所のテーブルで朝食を食べて出かける用意をしていた。 |
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「お早うー」 「おっ、おはようー」 「配達に行ってきまーす」
まことは眠そうに言いながら、そのまままだ暗い夜明け前の外の道に出ていった。 冬の季節は、川と道の境がわからないほど真っ暗であった。 暗闇に目をこらしながら、一軒一軒の家の戸のすき間に新聞を差し込んで配っていった。 納骨堂の前の道を通るとき、忠霊塔が後ろに見え、まことを見下ろしていた。 誰かに見られている霊気を感じた。…略 |