・若松・梨田という1球団にプロ野球人生を捧げてきた者同士の対決。
21世紀初の日本シリーズを制するのは、粘りと丁寧さのヤクルトか?そ
れとも200発いてまえ打線の大阪近鉄か?
 後関の試合毎の感想と印象をまさに個人的記憶の為のページとして
書いております。

第1戦 〇ヤクルト7―0大阪近鉄●
第2戦 ●ヤクルト6―9大阪近鉄
第3戦 〇ヤクルト9―2大阪近鉄●
第4戦 〇ヤクルト2―1大阪近鉄●
第5戦 〇ヤクルト4―2大阪近鉄●
■日本シリーズを終えて

■10月20日 大阪ドーム
 石井一久々の超一流投球!で快勝!
  ヤクルト7―0近鉄
 

 石井一今年1番の投球で、近鉄打線を1安打に抑えた。しかもローズ
中村をスライダーとストレートで手も足も出させなかった石井・古田のコ
ンビネーションはやはりピカイチ。
 最終回は河端にマウンドを譲った石井だが、超一流の片鱗を魅せた。
河端も日本シリーズ初登板を楽しむかのように、シーズン同様にテンポ
良く投げていた。
 打っても古田がチャンスを作り、岩村が先制、ラミレスが息の根を止め
る特大3ラン、そして古田にもソロが出て、「らしさ」の出た試合となった。

 明日は・・・今日のように行くかどうか。石井のスライダーは別格。明日
は変化球の精度ではなく、藤井のテンポと大胆さが鍵。明日は4、5点
の攻防になりそうですなぁ。中村辺りには打たれるかも・・・。
                                10/20 文・後関

■10月21日 大阪ドーム
  中村・水口・ローズの3発で撃沈・・・  
  ヤクルト6―9近鉄 

 
藤井と岩隈で始まった第2戦。2回表に四球で出塁の古田、2死から
1塁3塁で土橋の三遊間内野安打の間に古田が生還して今日も先制。
3回にも真中が2ベース、宮本が3塁に送って、稲葉のセンターフェンス
直撃のタイムリー、ぺタが歩いて、古田が痛めている左太ももに死球!
1死満塁で岩村のところで近鉄・岩隈に代えて関口は岩村の肩越しに
死球で押し出しで2点追加で、ヤクルトのペース。

 しかし・・・。4回裏、近鉄主砲の中村が2―2からの6球目の低めの
藤井のスライダーをレフトスタンドへ。6回には3点差に追い上げられた
ところで藤井から島田へ。その島田が水口に3ランを浴びて同点。8回
からは亮太がマウンドへ。亮太は益田を三振に打ち取ったものの藤井
に四球、大村をライトフライに打ち取り2死1塁、水口にヒットを打たれて
2死1塁3塁でローズ。亮太は154キロをマークするものの変化球が決
まらず一本調子。。。そして打者はローズ。ストレートオンリーだった前
打者までの勝負との違いは初球からフォーク。1―2から甘くなったフォ
―クを打った瞬間にわかるホームランで勝ち越し3ラン・・・。
 
 序盤3回まではヤクルト野球の完成度、レベルの違いと思っていたけ
れど、防御率が5点近くても優勝してきた近鉄の破壊力のすさまじさを
痛感した。近鉄・・・恐るべし・・・。

 ここで改めて、再確認しよう。ローズ・中村には打たれる。それは覚悟。
彼等に2本ずつソロアーチを打たれても4点。5点は取れる近鉄投手陣
なのだから、大村・水口を徹底的に抑えることが大事。そして、ヤクルト
の攻撃の「らしさ」でもある1点1点を積み重ね、貪欲に点を取りにいく事。
                                10/22 文・後関
                

■10月23日 神宮球場
 燕ヒットパレード!10安打9得点で快勝!
 
ヤクルト9―2近鉄

 DH制のない神宮。先発は入来とバーグマン。先制点の欲しい近鉄は、
初回、2死から四球で出塁したローズが、打者・中村の場面で盗塁・・・。
膝の激痛と戦う古田の送球は滑り込んでカバーに入る土橋のグラブへ。
その裏、不振の稲葉が犠牲フライで簡単に1点を先制し、歩いたぺタが、
お返しとばかりに盗塁を決め、古田がセンター前ヒットで追加点。第2戦
のいやな雰囲気を打ち消した。

 5回表に試合は動いた。中村の2ベースのあとギルバートに代打の川
口がタイムリーを放ち、1点差に詰め寄り、代打攻勢か?というところで、
不振の古久保がそのまま三振、そして尻上がりのバーグマンのところで
代打ルーキーの阿部が入来に三振3アウト。古久保に代打もなく、好投
のバーグマンに代えたのがこれまたルーキーという梨田監督の真意が、
わからない。ヤクルトからすれば、とにかく助かったというところか。
 とにかく1点差に追い上げられた5回裏、ピッチャーは香田。先頭の土橋
がレフトに2ベース、そして真中はインサイドへの香田独特の縦のカーブを
腰を回転させてライトスタンドへ2ラン。3番手の左腕・関口はぺタと岩村に
タイムリーを打たれ計4失点・・・しかし・・・関口は交代することなく、次の回
も1四球を含む3連打で3失点。この時点で9―1というスコアになり、試合
は見えた。それにしても、何故?と敵チームの采配ながら???である。
日本シリーズで捨てゲーム?6―1の時点なら、近鉄打線ならまだ勝負で
きるはずなのに・・・。

 一方のヤクルト投手陣は、入来が5回を66球で2安打2四球6三振1失
点と気迫の投球を見せ、2番手のニューマンは、芯で打たせない投球が冴
え、2回を2安打無失点、石井弘はローズを1ゴロ、河端も中村を1塁ファー
ルフライに打ち取り、試合を〆た。

 とにかく10安打6死四球で9点を奪い、とにかく4安打3死四球で2点に
抑えるという理想的ゲーム。だがしかし・・・近鉄の投手交代、代打策・・・
この不可思議さだけが妙に印象に残った。
 それにしても膝が限界を超えている、強い薬も投与、そんな古田が3打数
2安打1死四球2打点の活躍、シリーズ3戦トータルでも8打数4安打5死四
球3打点で打率5割とチームを牽引。古田のこのシーズン、シリーズに賭け
る意気込みとプロとしてのプライド、そして彼のこだわりを、見守る事がファン
として出きる唯一の応援なのかも知れない。
                              10/23 文・後関

■10月24日 神宮球場
  代打・副島が投手戦にピリオド!王手!
  ヤクルト2―1近鉄

 近鉄はこの日になって捕手を古久保から的山に代え、ファーストに北川、
サードに吉岡、ショートに中村でギルバートを外す奇策に出た。ここにきて
前川を中継ぎからシーズン同様先発に戻した。
 初回、大村がこのシリーズ初めて先頭打者として出塁し、1死2塁の場面
だったが、油断して目線を外した瞬間の前田の牽制球で2塁タッチアウト。
この後のローズは三振に倒れたが、このシリーズを象徴するようなワンシーン。
 先発の近鉄前川は、なんで先発で使わなかったのか?と疑いたくなるほど
の要所をしめながらの投球で、ヤクルトも攻め方に苦しんだ。
 この試合、ローズのバックスクリーン直撃のソロアーチで近鉄に初めて先制
を許したが、この時の古田は前田に対して、「俺のミス」と前田の動揺を抑えた。
 
 ヤクルトは6回。土橋2塁で、宮本が1―1からのセンター前ヒットで同点に
追い付き、中盤まで1―1の接戦となり、このシリーズ初めての投手主導のゲ
−ムとなった。

 7回裏、投手は2番手の岡本という場面で代打、副島がアウトコースの球を
レフトフェンス際に流してのホームラン。本人も久々のアーチに早めのベースラン。
勝ち越し決勝アーチとなった。

 9回からは守護神高津が登板。シリーズ通算防御率が0.00のシリーズbPの
ストッパーは危なげない投球で貫禄のリリーフをみせた。

 これで成績は3勝1敗。近鉄はいろいろと策を労したが、結局2安打の1得点。
しかし、もう近鉄がどうこうではない。ヤクルトがヤクルトの野球をするだけ。そして、
自分たちの野球の集大成として結果を残すだけ。この日の前田の丁寧で、なおか
つ思いきりのよい投球がヤクルトの野球を再確認させてくれたと言ってもいいだろう。

                                 10/24 文・後関

■10月25日 神宮球場
 みなさんおめでとうございます!4年ぶり日本一
 ヤクルト4―2近鉄

 ホッジスとパウエルの先発で始まったこの試合。近鉄の大阪に戻ろう!という
気持ちとは裏腹に、パウエルが大乱調。真中がヒット、宮本が送って、稲葉で先制
と台本通りで始まり、ぺタ・古田が四球で歩くと絶好調岩村がセンター前へ2点タイ
ムリ−で3点を先制。
 ホッジスは5回途中でローズに打たれ降板も、ニューマン、河端、山本と試合を
作り後続を断ち切った。近鉄もバーグマン、前日の先発投手・前川を継ぎ込み、試合
に執念を見せたが、時既におそく、高津が登板。

 近鉄・最後の打者・藤井の打球はキャッチャー後方のファールゾーンへ。古田がガッ
チリとキャッチした瞬間、マウンド上では高津とまたもや石井が抱き合っていた。古田
と抱き合う若松監督。古田の顔は完全燃焼した男の表情であった。

 胴上げでは若松監督が一回転したり、若松監督のやや催促されての「優勝おめで
とう!」も記憶に残るであろうが、故小山田ブルペン捕手の遺影を手にした池山の姿
に、チームを愛し、そして裏方さんにも気持ちを向けれる池山の姿にも感動した。

                                     10/25 文・後関



■ヤクルト対大阪近鉄の日本シリーズを終えて

 シリーズ前、近鉄の勢いがヤクルトのそれを上回るであろうという予想から、近鉄
有利の評価。実際、近鉄側は五分以上の戦いができると考えていたはず。
 結果から言えば、日本シリーズの戦い方を知っているヤクルトナインとベンチ。経験
のない近鉄ナインとそのベンチとも言える。

 シリーズのポイントは色々とあるだろう。ある人は石井一の初戦の投球だと言えば、
ある人は大村の2塁牽制がその象徴だという人も、そしてまた第3戦の近鉄のベンチ
ワークだと言う人もいる。どれも正論であろうと思う。
 しかし後関は、シリーズ全般に対する近鉄の動きがポイントであったと思う。近鉄は
もっともっとヤクルトが嫌がる野球ができたはず。前川の使い方がその一つで、彼をセッ
トアッパーで使いたい台所事情もわかるけれど、彼がもっと早い機会に先発していたら、
もっとシリーズは長引いたのでは?打てないなら、打てないなりのプレッシャーのかけ方
があっただろうに・・・。
 対するヤクルトは、打つだけでも投げるだけでもない。1つ1つの動きで相手にプレッシャ
ーをかけ、ジワジワと追い込んで行った。

 その意味では、打撃ではたえずチームにリズムとパターンを作った真中と宮本は素晴ら
しかった。投手では、試合の流れを逃さなかった河端と山本にシリーズ無失点の高津とま
さにヤクルトらしい野球を見せてくれた。しかし、このチームが一つにまとまった最大の要因
は古田の故障をいい訳にしない活躍とその姿勢にあったと思う。

 最後に、野球の質があまりにも違いすぎた両チーム。相手の事はともかく、ヤクルトはこれ
で日本一が5度目。巨人・西武に続く回数の日本一チーム。もうこれで名実ともにお荷物球
団との決別。そして戦力を作り上げ、ベンチとグラウンドが一体化でき、そし何より12球団で
1番野球を知っているチームとして、21世紀の王道を歩んでほしい。

                                     10/29 文・後関



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