「あぁ、古びた大型ジェット旅客機よ、僕を遠くへ連れて行かないでおくれ」何度も繰り返される旋律が 耳について離れなくなるのだが、この曲にはこんな歌詞が織り込まれている。「Jet Airliner」は1960年代 から現代まで、息の永い活動を続けるアメリカのロックバンド「Steve Miller Band」の1973年に発売された アルバム「Book of Dreams」の2曲目である。
もちろん、このバンドと今回の作品の内容とはそれほど関係は無いのだが、ここ10年ほど飛行機に乗るたびに この曲が頭の中で繰り返されていたのも何かの縁かも知れない。エレキギターのカッティングが軽快なイントロ、 「ジェットに乗ってあの娘に会いに行くんだぜ〜」くらいの内容かと思っていたのだが、思い込みとは言え、勘違い にも程があった。
私には飛行場や旅客機には、何か駅や港と違った「新しさ」を未だに感じるのだが、1970年代のこの歌詞には すでに侘しい思いが込められている。わくわくした気分で乗り込む最新のジェット旅客機もモノクロの画面の中では 歌詞の様に何か少しウエットな気分を醸し出す。そして、引退して屋外で展示されているプロペラ機ならなおさら 寂しい想いがつのってくる。
機械である旅客機そのものに感傷的になるのはおかしな話だが、そもそも人が空を飛ぶのはとても感傷的な行為 なのかも知れない。
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