芹香と仲良くなった主人公ですが、学校ではともかく、外では一緒に話す機会さえありません。この辺りをなんとかしないと、親しくなるにも限界が出て来てしまいますね。

 そんなある日の放課後。主人公の教室に芹香が訪ねて来てくれまして。何か用があるみたいなのですが、たまたまトイレに向かって急いでいた主人公は、待っているように言ったきり、そのことを忘れて帰ってしまいました。普通、今の今でこんな物忘れをするかと思いますが、この主人公の記憶力が実にいい加減であることは、レミィのストーリーでわかっています。まあ、こんな失敗もするのでしょう。

 そして、しばらくしてから、ようやくそれを思いだし、慌てて学校へ戻った主人公ですが、すでにあれからかなりの時間が経過しています。普通ならとっくに帰ってしまっているはずですが、なんと芹香は言われた通り、教室の前で待ってまして・・・。こういうのを馬鹿正直と言うのでしょうが、反面芹香らしい話のような気もします。

 その後、自分の失敗をわびる主人公ですが、芹香は怒るどころか、後悔する主人公の頭をなでて慰めてくれる始末です。立場がまるで逆のような気がしますが、芹香には似つかわしいリアクション。そのままいいムードになった二人は、一緒に下校することになりました。なんでも例の執事のじいさんが、今日はわけあって迎えに来られないのだとか。それで、主人公と一緒に帰ろうと思い、わざわざ教室まで来てくれたのだそうです。

 しかし、二人のいいムードもここまで。校門を出たところでしっかりと迎えにやって来た執事によって、芹香はリムジンの中に連れ去られてしまいました。あらら・・・。

 その後も、この執事の妨害は続きまして。主人公が芹香と一緒に帰ろうとしても、それを許してはもらえません。そうこうしているうちに、古書店で芹香を見かけて挨拶しようとした主人公を、この執事が妨害しまして。とうとう堪忍袋の緒を切った主人公は、強引に芹香に会おうと執事と対決することになりました。老人とは思えないパワーの執事ですが、主人公も負けてません。両者の押し合いへし合いは、結局、互いにスタミナが切れて引き分けになりました。なんともはや・・・。

 てな調子で執事と遊んでいた主人公ですが、そんなこんなで迎えた緑の日。主人公の家に芹香から電話がかかってきまして。なんでも一緒にプールでデートしたいのだとか。喜び勇んだ主人公は、さっそくプールへと駆けつけて、芹香とデートです。学校の外で遊ぶのは、もちろん初めての二人ですが、そこで主人公は泳げない芹香にコーチしたりして、楽しいひとときを過ごしました。

 そして、その翌日のこと。主人公は昼休みの学校で、またしても例の執事と出くわしまして。なんでも今日は折り入って、話があるのだそうです。どうせ芹香に近づくなと警告されるのだろうと思って、ふてくされる主人公ですが、意外や意外、この執事は主人公に、芹香と仲良くしてもらいたいと頼んできました。おやおや、これは予想外の依頼ですね。

 それで、戸惑う主人公は、執事から芹香の生い立ちについて聞かされまして。なんでも芹香は幼い頃、祖父の徹底した管理教育を受け、そのせいでいつも独りぼっち。そのまま、とうとう友達が作れない子になってしまったのだとか。この学校へ通うことになったのも、彼女を心配した両親が、大らかな校風の学校でなら、友達もできるかもと期待したからなのだそうです。

 結局、芹香の極端な無口、精神科のお医者さんなら軽度の自閉症と診断するかも知れない性質は、幼年期の歪んだ教育がもたらしたものだということですね。彼女が魔術にはまったのも、自分の力ではどうすることもできない今の状態を、なにかの力にすがって変えようとした、言わば苦しい時の神頼みだったのかも知れません。

 そして、今の芹香は主人公のことを「たったひとりの大切なお友達」と呼んでいるそうで、それを聞いた執事は、芹香の祖父から、彼女に一切男を近づけるなという指示を受けておきながら、敢えてそれを破り、主人公にこんなお願いをしに来たのだそうです。主人公の邪魔ばかりしていた執事ですが、実はいい人だったみたいですね。

 まあ、言われるまでも無く、芹香とは仲良くしている主人公ですが、これでさらに二人の関係が進展しそうです。まずまず、いい調子で話が進んでいるみたいで、結構ですな。


来栖川芹香その5・・・愛の魔法へ進む

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