主人公の学校で運用試験を続けるマルチですが、試験と言っても彼女がしている作業は、掃除だけです。これでは掃除に関する実用性以外、何もテストできないような気がしますが、本当にいいんでしょうかね?
もっとも、このマルチに掃除以外の作業をやらせても、とてもうまくこなせそうにありません。主人公自身は、そんなロボットとは思えないどじなマルチが大好きで、充電中のマルチの顔をつついて遊んだり、掃除をしているマルチをからかって、泣かれてしまったりと、なんだかんだと楽しくつきあっておりますが。
ただ、マルチもとにかく人間の役に立とうと一生懸命なのは事実です。ある日の昼休み、購買部で昼食のパンを買った主人公は、人ごみでごったがえす中、お使いを頼まれて、一生懸命パンを買おうとしているマルチを見かけます。が、体が小さく、そいでもって要領も悪いマルチは頼まれた大量のパンを買えずに、半べそをかいている始末。見るに見かねた主人公は、自分が代わりに人ごみへ突入して、パンを買ってやることになりますが、なんだか主人公、マルチが失敗するたびにそのサポートに回っているような気がしますね。
そして、やっと頼まれたパンをGETできたマルチは、大感激。主人公に感謝していますが、主人公はクラスメイトからいいように使われているマルチを見かねて、なんでそうまでして働くのかと質問しまして。まあ、ロボットなんだから人間のために働くのは当然なのですが、自分の機能では困難な作業を言いつけられた場合、それを拒否するプログラムくらいは、装備しているのが当然です。それが無いというのは、人間の言いつけには絶対服従するよう、特別なプログラムでも組み込まれているのかも。
ところが、どうもマルチにはそんなプログラムなど無く、その気になれば人間の言いつけを拒否することもできるみたいです。では、なぜ自分の機能では困難な作業まで引きうけるのかというと、マルチの説明では
「私働くことも大好きですけど、それ以上にみなさんの喜ぶ顔を見るのが大好きなんです。みなさんの喜ぶ顔を見ると、とっても嬉しくなってくるんです」
とのこと。要するに人間に喜んでもらいたくて、自分から進んで作業を引きうけているということみたいです。
そんなマルチにある種の感動を覚えた主人公は、ますますこのどじなロボットが気に入りまして。その後もゲーセンで遊んだり、耳のセンサーの下を見せてもらったりして、人間とロボットというよりは、単に友達同士として、仲良くつきあうことになりました。
しかし、そんな二人の楽しい日々もいつまでも続けるわけにはいきません。元々試作機として作られたマルチは、単に運用試験の一環として、主人公の学校に通っていただけなのです。というわけで、その運用試験が終わる日が来まして。二人はここでさよならです。
そして、試験最終日。校門の前で、今までお世話になった学校へ最後の挨拶をするマルチに、主人公は一人「仰げば尊し」を歌ってやることに。要するに、今日がマルチの卒業式なので、そのたむけのつもりのようですね。
まあ、知らない人が校門の前で、なぜだか「仰げば尊し」を歌っている主人公を見れば、気でも狂ったかと思いそうですが、主人公はいたって正気です。正気でマルチの卒業を祝福してまして。マルチの方は、そんな主人公にひどく感謝している様子です。できれば、このままずっと一緒にいたいのでしょうが、そうも言っていられず、やがて迎えのバスが来て、二人は別れることに。なんだかプレイしていて、しんみりしてしまいましたね。
マルチその3・・・最初で最後のデートへ進む
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