というわけで、琴音と気まずい別れをして、日付はゴールデンウィークへと移行です。その後は修学旅行と、非常に楽しいスケジュールが重なっているのですが、主人公にそれを楽しむことはできませんでした。琴音の一件さえ無ければ、実に愉快な期間だったでしょうに・・・。やれやれですな。

 そして、旅行が終わって、授業が始まったわけですが、なんと琴音はこの間、ずっと学校へ出て来ていないらしいのです。慌てた主人公は、なんとか琴音の家の電話番号を調べて、かけてみますが、応答無し。それならと、学校を早退してまで、家の方へ駆けつける主人公ですが、これまた応答無し。どうも事態は予想以上に悪い方向へと進んでいるようですね。

 それで、偶然にも公園で琴音を見つけた主人公ですが、どうやら彼女、学校をさぼっていたみたいです。授業がかったるいから、というような理由でなら、まだいいのですが、彼女の場合、言うまでも無く事態はより深刻。どうも彼女、もう何もかもが嫌になってしまったみたいです。

 というわけで、完全にやけになった琴音は、どうやら自殺するつもりのよう。彼女は思いつめるタイプですので、本当にやりかねません。慌てて琴音を止める主人公ですが、琴音はそんな主人公を無視して、立ち去ろうとする始末。こうなってはもう是も非もありません。

 そして、ついに怒った主人公は、琴音を思い切りひっぱたくことになりまして。フェミニストで女性に対しては、どこまでも優しい主人公にしては珍しいことですが、それにしても頬が腫れ上がるくらい叩くとはひどい話です。もう少し、手加減というものをしましょうね。

 もっとも、普段優しい主人公の激怒は、琴音にとってもさすがに驚きだったようです。完全に毒気を抜かれてしまった琴音は、主人公の説得でようやく気を取り直しまして。なんとか自殺を思いとどまって、また超能力のトレーニングを始めることを承知しました。

 これにて一件落着と言いたいところですが、まだ話は終わっていません。というのも、あの時以来、まったく超能力を使っていなかった琴音は、またしても暴走を起こしてしまったのです。必死に主人公に向かって
「逃げて!」
 と警告する琴音ですが、主人公、何を血迷ったのか、逃げる代わりに琴音に近づき、なんと彼女を抱きしめる始末です。驚いた琴音は、必死に主人公を遠ざけようとしますが、主人公はもう梃子でも動かぬ気です。嫌がる女の子に抱きつくだなんて、これは明らかに猥褻罪ですが、主人公の方は命がけ。この状況で超能力が炸裂したら、一体どうなることでしょう?

 琴音のパワーが彼女の体を中心にして発生し、そのまま放置すると周囲に均等に放出される性質のものであるなら、主人公はまともにそれを食らうことになります。前回の子犬は体が小さいですし、恐らく琴音の力はかすった程度にしか作用しなかったと思われますが、今回、的の大きい主人公は、そうはいきません。大きな窓ガラスを粉々に砕くほどの力なのですから、バットかなにかで思いきりぶん殴られるほどの衝撃は来るでしょう。無論、当たりどころが悪ければ、即死ですな。

 そうまでして、琴音のために尽くそうとする主人公には、頭が下がりますが、琴音もこうなっては超能力の制御なんてできませんと、うだうだ泣き言を並べるわけにはいきません。とにかく、制御できなければ、主人公は一巻の終わりなのですから・・・。子犬に怪我させただけでも、あれだけ自分を責めた琴音にとって、自分にここまでして尽くしてくれた主人公を死なせる(あるいは大怪我させる)などといった事態を引き起こすことは、到底耐えられないことでしょう。主人公はそこに目をつけ、その想いの強さに賭けたわけですね。

 そして、この賭けは物の見事に成功。琴音は超能力を完全に制御し、足元のほこりが舞った程度で、暴走を封じこめました。最初はそれに気づかず、怖くて目を閉じていたことも忘れて、「もしかして死んだか?何も見えない」などと、間抜けなことをやっていた主人公ですが、よくぞまあ、こんな無茶をやりました。孤独な女の子に尽くす博愛精神も、ここまで来れば御立派ですよ。

 その後はエピローグ。どうやら、主人公のおかげで超能力を制御できる自信をつけたらしい琴音は、その後の暴走は全て未然に封じこめているようです。んでもって、あの時怪我させた子犬を飼うことにし、主人公の名前(私の場合、藤田浩之そのまんまでプレイしてますので、「浩之さん」)をつけて、悦に入っている始末。この二人、これからはもうおかしな力に悩まされることも無く、仲良くやっていけそうですね。まずはめでたしめでたしですな。


神岸あかりその5・・・再プレイへ進む

To Heart(PS)へ戻る