琴音の超能力を目の当たりにした主人公ですが、それでも琴音とつきあうのをやめようとはしません。琴音の方は主人公を心配し、遠ざけようとするのですが、主人公は断固拒否です。とにかく、孤独な女の子のためなら、矢でも鉄砲でも持って来いってな男ですから、超能力ごときでびびったりはしませんよね。

 しかし、話を聞いていると、今回ばかりはちょっと危険のレベルが違います。琴音は超能力を自分で制御することができず、勝手にパワーが溢れ出してしまうのだとか。そして、今までは琴音が必死に頑張って、そのパワーを人のいない方向へ向けて、なんとか事無きを得ているらしいのです。ということは、もし琴音が力を向ける方向を間違えたりすれば、周囲の人間めがけて、窓ガラスをも粉々に砕く力が、炸裂するというわけですよね。

 その力が具体的に人体に対し、どのように作用するのかわかりませんが、もし表面にぶつかるのではなく、内側に炸裂するのなら、たちまち内臓破裂です。おおっ、これぞまさに北斗神拳、などと喜んでいる場合ではなく、これは冗談抜きで命が危ない。琴音が主人公を遠ざけようとしたのは当然ですな。

 ところが、この主人公はこんな話を聞かされてもひるみません。なんでも「オレは自分のことを善人だなんて思っちゃいないが、ここで彼女を見捨てるほどの悪人でもないと思っている」のだそうです。普通、自分の命に関わる問題なのですから、ここは琴音から手を引くのが、当然でしょうに。それをする奴は悪人だというのですから、大変です。この主人公の善悪の基準は、一般人には想像もできないほど、善の方向へ傾いているみたいですね。

 そして、主人公は断固琴音のために頑張ることに決め、琴音に超能力を制御できないかと尋ねまして。そんなの無理ですとしりごみする琴音を説き伏せて、超能力のトレーニングをさせることにしました。つまり、制御できないまま、やたらと力をためたりするから、溢れた力が暴走してしまうわけです。普段から適度に超能力を使っておけば、物騒な力がたまることもないわけで、それさえできるようになれば、大丈夫だろうという発想ですね。

 というわけで、主人公と琴音のトレーニングの始まりです。といっても、葵の時とは違って、主人公に手伝えることはほとんどありません。それどころか、この主人公、琴音が無意識のうちに超能力を使えないか試そうとして、彼女の頭にボールをぶつけたり、ピンポン玉を動かす練習をしていた琴音に無理をさせて、危うく倒れかけさせたり・・・。本当、余計なことばかりして、琴音に迷惑をかけてますね。

 ただ、そんな主人公ですが、とにかく琴音のために一生懸命になっていることだけは間違いありません。放課後、一緒に帰った際、暗い琴音を笑わせようと、必死にギャグを連発したりしています。それで、ギャグそのものよりも、無我夢中の主人公の姿が可笑しくて、ついに琴音を笑わせることに成功。琴音も自分のために、必死になってくれている主人公に、好意を持つようになっているみたいです。

 それで、琴音も熱心に超能力のトレーニングに励み、ある程度自分で力を操れるようになりました。ただ、まだ満足できるレベルではなく、力が溢れ出るのを防ぐためには、もっと大きな力を扱えるようにならなくてはなりません。というわけで、学校で無理して力を使った琴音は、そのまま倒れて保健室へ運ばれることになりまして。どうも彼女の超能力を制御するのは、並大抵のことではないみたいですね。

 そして、慌てて保健室へ見舞いに駆けつけた主人公を前にして、琴音はやっぱり超能力の制御なんて無理ではないかと随分悲観的になっています。確かに正体不明の力を経験則だけで制御しようというのですから、素人が全くの独学でパソコンを使いこなそうとするようなもの。まして琴音の場合、その努力に肉体的な苦痛が伴うわけですから、尚更状況はひどいものがありますね。

 というわけで、琴音が諦めかけるのも無理はないのですが、主人公はここで逃げたら何も変わらないと力説し、どうにか琴音の士気を回復させました。とにかく、まだトレーニングは始まったばかりですので、結果が出るのはこれからです。さてさて、この二人のトレーニング、どういう結末を迎えるんでしょうかね。


姫川琴音その4・・・さらなる暴走へ進む

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