そんなこんなで、結局、同好会へ入部した主人公ですが、もちろん葵は大喜び。初心者の主人公に熱心にコーチしてくれました。そのせいかどうなのか、結構上達の早い主人公ですが、まあ、元々素質もあったのでしょうし、葵のように何事にも一生懸命な子の前では、手抜きもできません。上達するのも当然かも。
このまま二人仲良く、練習に励むことができれば、何も問題は無かったのでしょうが、そこでちょっとややこしい事態になりまして。というのも、葵は元々空手をやっており、高校に入って総合格闘技に切り替えたのは、ずっと目標にしていた綾香という女性が、空手から総合格闘技に乗り換えたからなのだそうです。まあ、目標が移動したのだから、自分も移動しようという発想そのものは、別に悪いことではないんですがねえ。
ところが、この学校にも空手部がありまして。そこのエースで主人公と同学年の坂下好恵は、かつて葵と共に空手を学んだ友人。そして、このような葵の転向をひどく嫌っておりまして。なんでも総合格闘技で優勝して、今やアイドル気取りでマスコミに露出している綾香が、武道を学ぶ者として許せず、そんな女を追いかけて、空手を捨てた葵も同じく許せないみたいです。これはちょっと困りましたよね。
というわけで、総合格闘技(エクストリームって名称だそうですが)を巡って、葵と好恵が口論し、とうとう好恵が、エクストリームみたいな遊びをめざしてるようじゃ話にならない。こんな同好会など遊びに過ぎない、などと言いまして。確かに神社でやってるレベルじゃ、そう言われても仕方がないのですが、こうなるといくら温厚な葵でも黙っていられません。
そこで、止めに入った主人公が好恵に、何も知らないくせに遊びなどと言うんじゃない、このボケ、みたいなことを言って、とりあえず、好恵も謝ったのですが、彼女も武道家らしく強情です。あくまでもエクストリームは遊びレベルで、空手よりも弱いという持論を捨てず、とうとう葵と試合で決着をつけることになりました。なんともはや・・・。
というわけで、好恵との試合に備えて、葵は今までにも増して、熱心に練習することになりまして。主人公はそのお手伝いをしようと、ミットを持って葵の突きと蹴りを受けてやりますが、初心者の悲しさ、葵の蹴りを受け止め切れず、なんと終わるまでに14発も食らう有様です。内訳は肩に3発、脇に2発、腕に8発で側頭部に1発・・・。食らった数をきちんと数えているとは、随分な余裕ですが、これはきっと1発食らうたびに、葵が
「すいません!先輩。大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫。気にすんなよ」
「本当に御免なさい。先輩に当てるつもりはなかったんです」
「わかってるって、そんなこと気にしなくていいから、続きをやろうぜ」
「本当に大丈夫ですか・・・?」
「大丈夫だって、さあ、続きだ」
「・・・・・・はい」
「・・・(とは言ったものの、やっぱり痛い。これで何発目だ?ああ、確か5発目だよなあ。うーん、それにしても痛い、骨までいってないよな?)・・・」
「あっ!」
「ぐあ!また、来た!くう〜痛い」
「大丈夫ですか!先輩!」
(以下繰り返し・・・)
みたいなやり取りをやってたもので、なんだか数がわかってしまったのでしょう。
まあ、なにはともあれ、主人公は葵と同じ同好会のメンバーですので、これくらいで根をあげるわけにはいきません。ここは葵のために、頑張るしかないみたいですね。体が持つ限り・・・。
松原葵その3・・・トレーナーに転向へ進む
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