ミラのせいでテンションの上がらないアルマですが、そんな彼女に司令部からの命令です。なんでも国境周辺のラガーシュ王国軍が、大幅に増強されており、それに対抗するために部隊を国境周辺に回したため、手薄になってしまったアルデンヌ島を守れとのこと。このアルデンヌ島、バルツフィーム王都を守るためには、絶対欠くことの出来ない要衝だそうで、アルマ自身は、島の守備隊を国境へ回すことに反対しております。が、作戦担当のルジェロによると、ラガーシュ王国軍は、陸戦用の魔装機が中心で、島を攻略出来るような部隊は、あまりいないのだとか。成る程、それなら守備隊を引っこ抜いて、より危険度の高い地域に回すのは、当然ですな。

 それで、敵は来ないか、仮に来てもごく少数に過ぎないと聞かされて、アルデンヌ島へ赴いた西方騎士隊ですが、どっこい来て見ると、ラガーシュ王国軍の大軍が、来襲して来ました。どうやらラガーシュ王国は、新たに空戦用と海戦用の魔装機を開発したようで、その新型機が空と海から大挙して押し寄せて来たのです。これは当初の予定が、大幅に狂いましたね。

 まあ、敵の守備隊が強力な地点を避け、守備隊が手薄な地点を狙って攻撃をかけるのは、20世紀最大の戦史研究家にして戦略理論の大家、リデル・ハートが、その書「戦略論」で詳述しているように、もっとも有効な攻勢のかけ方なのです。どうやらラガーシュ王国にも、リデル・ハートの言うところのインダイレクト・アプローチを理解した戦略家がいたようですが、こうなると困るのは、西方騎士隊でして。これでは単に守備隊のいないアルデンヌ島へ、取り残されたようなものですな。

 そして、例によって敵の魔装機隊の指揮は、ミラとヤドラがとっているのですが、とにかくこうなっては戦うしかありません。今回の敵はかなりの数で、しかも空と海から攻めて来るため、迎撃するのは、かなり厄介です。下手に進んで戦うと、敵の術中にはまる危険がありますので、ここは後退して敵を待ち受けることにしました。

 それで、攻めて来た敵を前から順番に潰していったのですが、こちらもかなりのダメージを受け、ブラッキーなどたちまち撃破されて、退場する始末です。どうも数になるのは、ケイゴ、アルマ、ベウマー、フルカスの4人だけですので、敵が多いとちと骨が折れますな。

 まあ、逆に言うと、この4人は本当に強いのです。向かって来た敵魔装機は、次から次へと撃墜され、もうお馴染みになったヤドラは、せっかく新型機に乗って颯爽と登場したにも関わらず、アルマの必殺技を受けて、たちまち墜落。さすがに隊長だけあって、女のくせにやるもんですが、このアルマ、ミラが出てくるともうめろめろなのです。今回もこちらからミラには攻撃出来ませんので、ケイゴ達がミラと戦っているのを、横で傍観している格好になりました。本当に情けない話ですが、こういうところは、女らしい弱さなんでしょうかね、やっぱり・・・。

 それで、耐久力も攻撃力も高く、おまけに根性を使って、HPを回復させるという、実に手強いミラの魔装機を相手にして、ケイゴ達の奮闘が展開されました。この魔装機、ミラ専用ウェバールとかいう名前で、他のウェバールとは違って、白くカラーリングされているのです。どうやら、ミラのお気に入りの色は白みたいですが、この色、戦場だと暗い場所でも目立ち過ぎるので、極地や雪原ではともかく、普段はあまり使われない色なのですよ。実際、日露戦争の時には、危険な夜間突撃を敢行した日本兵が、決死の印で白たすきをかけていたところ、それがロシア兵のいい射撃目標にされて、大損害を被ったことがありまして。こういう目立つ色にするのは、あまり誉められたことではありません。

 で、その色が目立ったせいでもないでしょうが、とにかくケイゴ達の集中攻撃を浴びせられたミラは、孤軍奮闘も空しく、ついにケイゴの天空斬で倒されてしまいました。どうも、アルマに復讐しようとしては、その都度、ケイゴに返り討ちにされているミラですが(笑)、こういうのも情けないですな。

 ただ、敗れて退いたミラにとって、情勢は悲観する必要など無いものでした。というのも、西方騎士隊の奮戦は、あくまでもアルデンヌ島の一地域のみの話でして。他の地域は、守備隊が手薄だったのが災いして、あらかたラガーシュ軍に制圧されてしまっていたのです。で、圧倒的に優勢になったラガーシュ軍の司令官ソッドは、バルツフィームの残存兵に降伏勧告を行う始末。これでは、ケイゴ達の勝利もほとんど意味を成さないわけで、なんとも困った事態です。


無謀と勇気とへ進む

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