愛のおかげで命拾いした秋俊でしたが、彼女、そのままリンと同様、秋俊の部屋に居ついてしまいました。愛の場合は無論、秋俊を監視するためではなく、純粋に他に泊まる当てが無かったからのようですが、何にせよ秋俊は愛に好感を抱いておりますので、この同居は望むところだったようです。
もっとも、こうなると面白くないのはリンの方で、彼女、ことごとく愛と張り合うようになったのです。どうもこの二人、異世界で面識があるようですが、愛は同じ戦士でもリンより格が上で、リンはそのせいで愛のことを快く思っていないようですね。
まあ、その辺りの事情は直接秋俊には関係の無い話ですが、問題だったのは愛の歓迎会と言うことで、メグも交え4人でファミレスで食事をした時のこと。リンは愛に張り合って、何だか大食い競争を始めてしまったのです。これには秋俊も頭を抱えておりましたが、愛の方はリンの対抗心などどこ吹く風と、自分のペースを崩しませんで。リンは愛よりもたくさん食べようと必死になり、すでに限界を超えているにも関わらず、さらに青汁なんかを注文してしまったのです。ところが、愛はリンが注文した途端、自分はさっさと注文をやめまして。おかげで、リンは全く飲む必要の無かった青汁を無理矢理飲まされることになり、結局、喉を通らずに秋俊めがけて浴びせかけてしまったのですから、大笑いですな。
こうして、リンの子供っぽい行為のせいで酷い目に遭わされた秋俊ですが、リンは食べすぎのせいで、完全にグロッキーになっており、帰り道でもまともに歩けなかったのです。で、秋俊はそんなリンの介抱までさせられることになり、本当、どこまで世話が焼けるかわからない子ですが、メグと愛の方は、そんな二人をほったらかして、何やら楽しげに話しながら先へ行ってしまいました。ちなみに、この二人、異世界に居た頃から仲が良く、前作でも行方不明になったメグを捜して、愛が任務外の行動をとったりしてましたので、こういう時にその仲の良さが出るようですね。
もっとも、秋俊にそんなことはわからず、愛とメグの仲の良さに、首をかしげておりましたが、そんな彼らの前に姿を見せたのが、例の黒いコートを着た怪しい男でした。秋俊は以前リンに何やらおかしなことをしていたこの男を見ているはずですが、あの時は半分気を失いかけていたもので、はっきり記憶しておらず、男を見ても何だか変な奴だな、としか思いませんでしたが、メグと愛の方は別。二人は、明らかにこの男を知っているような素振りを見せたのでした。
で、その後、たまたま秋俊とリンに頼まれてジュースを買いに外へ出た愛は、怪しい気配を察知して、急ぎそちらの方へ向かうことに。すると、戦闘態勢を整えたメグがあの黒づくめ男と対峙していて、どうも今回のメグの任務は、この街のゆらぎを始末することではなく、この男を始末することだった模様です。で、シンと呼ばれたこの男の正体ですが、どうもゆらぎではなく、異世界の住人のよう。それも、昔メグとは恋人同士だったと言うのですから、何とも言えない話ですね。
もっとも、今のシンは異世界で何か重大な犯罪を引き起こしたらしく、完全にお尋ね者になっております。ちなみに、シンのやらかした犯罪とは、異世界の存亡に関わるような重大なものだったらしく、はっきり言ってゆらぎの始末なんぞより、この男の始末の方が、異世界にとっては重大問題のよう。そのせいか、異世界の魔法戦士の中でも鬼神とうたわれる最強の戦士メグが派遣されたわけですが、シンの方は、それほど強いメグにロッドをつきつけられていても、平然としておりまして。何だかメグの力など眼中に無いといった感じですね。
で、シンは自分を責めるメグに、何やら意味不明のことを話すと、そのまま背中を向けて立ち去ろうとしました。はは〜ん、さては背中を見せて油断させ、メグが攻撃したところへカウンターアタックをかけるつもりだな、と思えば、これが本当に背中を向けただけでして。シンは全くの無防備状態だったのですから笑えます。よほどメグをなめているのか、それとも死にたいのか、どちらかでしょうが、答えは前者。メグはその気になればすぐにでも殺せたシンを殺すことが出来ず、そのまま見逃してしまったのでした。
結局、昔の恋人を抹殺出来るほど、メグは冷酷になれなかったと言う話ですが、隠れて事の一部始終を見届けた愛は、シンを見逃したメグを許せず、詰問しようとしたのです。が、愛が何か話す前に、メグの方が秋俊に関する話を始めまして。今でも秋俊のことが好きな愛は、これで完全に冷静さを失ってしまったのですから、困ったものですね。
それで、メグがシンを始末するために秋俊の力を利用しようとしていることを察知した愛は、そんなことをされたら何のために自分が秋俊を諦めたのかわからなくなる、と怒りまして。加えて、今の秋俊は愛よりも、どちらかと言うとリンの方を大事にしているようですので、その辺りの焦りと嫉妬もあって、愛は泣きながらメグに悪態をつき、そのまま逃げ出してしまいました。いつも冷静な愛からは考えられない話ですが、この子の場合、その気になれば自分のパートナーとしてずっと利用することだって出来た秋俊を、彼のためを思って諦めたわけですからねぇ。その秋俊が、自分以外の魔法戦士と仲良くしたり、あるいはその力を利用されかけたりしているのを見れば、平静でいられないのも無理はないですな。
8日目・・・メグの失踪へ進む
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