何やらリンとの同居にも慣れてしまった秋俊でしたが、当のリンは秋俊に何も言わず、家を出てしまっておりました。これには朝目を覚まして気づいた秋俊も驚くと同時に、何だか寂しくなりましたが、これはリンがもう秋俊の監視をやめたと言う意味なのか、それとも昨日見た犬の死体絡みで、何か緊急の用事が出来たのか、さてさてどっちなのでしょう?
まあ、いずれにせよ、いなくなった者は仕方ありません。で、何だか空虚な気持ちのまま、予備校での授業を終えた秋俊でしたが、家路についたところで、不意にリンを見かけたのです。秋俊は慌ててリンのもとへ駆け寄りましたが、リンは秋俊を見るや、なぜかいきなり逃げ出してしまいまして。焦った秋俊は、リンを追って走るうちに、全然来たことの無い場所へ迷い込んでしまったのでした。
で、結局リンを見失い、おまけに帰り道までわからなくなった秋俊は、何とも惨めな気持ちで、とにかく辺りを歩いて見たのです。と、そこに、何やら怪しい気配。ふと路地裏を覗き込んだ秋俊は、スーツを着たサラリーマン風の男が、人間の死体を食べている現場を見て、腰を抜かすことに。この男、無論、ただの人間ではなく、何やらでっかい触手を生やしておりますので、以前、リンが戦っていたゆらぎの同類なのでしょう。
それで、とにかくこの場は逃げようとした秋俊でしたが、ゆらぎの方は秋俊を逃がしてくれず、触手を伸ばして捕まえてくれたのです。で、絶体絶命のピンチだった秋俊の前に現われたのが、リンでした。どうも彼女、このゆらぎを捜していて、偶然、秋俊に出会ったもので、とりあえず邪魔になる秋俊を遠ざけようとした模様。そうとも知らず、彼女より先にゆらぎを見つけるとは、この秋俊も運の悪い男ですな。
まあ、リンさえ来てくれれば、後はどうとでもなるでしょう。実際、リンとスーツ姿のゆらぎとでは、実力にとんでもない差があって、ゆらぎがどう攻撃しようとリンにはかすりもしないのです。それどころか、リンはその気になればすぐにでも仕留められるゆらぎをからかって遊んでいる始末。全く、前作の愛が台詞すらない雑魚ゆらぎは別として、それ以外のゆらぎには、いつも結構苦戦していて、秋俊の助けを借りてようやく勝利するケースが多かった事を思うと、どうも戦士としての実力は、リンの方が上みたいですね。
ただ、戦士としての実力はとびっきりでも、やはりこのリンは、ある意味戦士にはまるで向かない娘でした。と、言うのも、リンに追い詰められたゆらぎが、苦し紛れに逃げ出しまして。で、よせばいいのに、リンに協力しようとその後を追った秋俊が、公園に逃げ込んでいたゆらぎに捕まってしまったのです。おかげで、リンはゆらぎを攻撃出来なくなってしまったのですから、何とも言えない話ですな。
というわけで、秋俊を人質にとられたリンは、ゆらぎに脅されて、武器を捨てることに。全く、秋俊も情けない奴ですが、この男の場合、魔法戦士の能力を高めることは出来ても、自分自身は全く戦闘力を持たない一般人ですのでねぇ。素人が下手に玄人に協力しようとすると、かえって邪魔にしかならないと言ういい見本でしょう。
もっとも、前作の愛は、秋俊を好きになるまでは、人間の命など塵あくたくらいにしか思っていなかったもので、こういうシチュエーションは、作りたくても作れず、結果的に秋俊も愛の足手まといになるどころか、その良きパートナーになっていたのですが、今回のリンは、どうも性格が優しいみたいですので、秋俊も心置きなく足手まといになれるわけ。で、リンに向かって触手を伸ばし、あれやこれやと遊んでいたゆらぎでしたが、こいつも結構馬鹿で、リンをいたぶることに夢中になって、秋俊の存在を失念していたのです。で、その隙にリンが捨てた剣を拾った秋俊が、ゆらぎを攻撃することに。ちなみに、秋俊の力では、リンの剣を使うことは出来なかったのですが、それでも脅しの効果くらいはあったようです。
で、ゆらぎは怒って秋俊を殺そうとしたのですが、今度は秋俊の方に気をとられて、リンの存在を失念する始末・・・。お前、もしかして馬鹿か?と言いたくなりましたが、ゆらぎはリンが放った炎の魔法を食らい、体の半分を吹き飛ばされてしまいました。全く、その間抜けぶりにふさわしい運命でしたが、リンの方もゆらぎにやられたダメージが大きく、そのまま気を失うことに。で、体を半分失っても、まだ生きていたゆらぎは、気を失ったリンを殺そうとしたのですが、そこへ突然出現したのが、夏だというのに黒いコートに身を包んだ不気味極まる男でした。
それで、こちらもゆらぎにやられたダメージが大きくて、ほとんど気を失いかけながら、男の方を見ていた秋俊でしたが、この男、見た目からわかる通り、味方では全く無く、どうもリンが放った魔法を感知して、どこからか姿を現したよう。しかも何かの目的にリンを使うつもりらしく、彼女の体を仔細に調べているのですから、やはりゆらぎの仲間なのでしょうかね?そのくせ例の馬鹿ゆらぎは、男に邪魔だから消えてくれ、とばかり、あっさりと消されてしまいましたので、ゆらぎはゆらぎでも、実力はそこらの雑魚とは桁違いのようですな。
ただ、男がリンを何に使うつもりだったとしても、この場で最後までと言うわけには行きませんでした。なにしろ、そこへもう一人、今度は女が現われ、これが男と敵対関係、それもこの男でさえ、簡単に料理出来ないほどの腕前を持っていたらしいのです。男はこの場でその女と戦うことを避け、女の方も今日は気分が乗らないと言うことで、男を見逃すことに。ちなみに、二人はこれまでも何度か戦ったことがあるような口ぶりでしたが、だとすると女の方の実力も、男とほぼ同レベルだと見ていいでしょう。
もっとも、秋俊の方は間もなく完全に気を失ってしまったもので、女の方は顔を見ることさえ出来ませんでした。で、リンに起こされて、意識を取り戻した秋俊でしたが、ここで妙な事態が発覚。リンが秋俊に回復の魔法をかけようとして、何と魔法が使えなくなっていることに気づいたのです。これにはリンも深刻なショックを受けたようですが、何故いきなり魔法が使えなくなったのか、考えられるのは例の黒づくめの男が何かしたくらいですが、気を失っていたリンに、そんなことがわかるはずもありませんね。
で、とにかく家に帰ることにし、ショックでろくに口もきけなくなっているリンを連れ、痛む体をどうにか家まで運んだ秋俊でしたが、この男、自分が余計な真似をしたばかりにリンを酷い目に遭わせてしまった、と悔やむことしきり・・・。ちなみに、リンの方はその件で秋俊を一言も非難しませんでしたので、秋俊が感じる良心の呵責は、さらに大きいものになっているようですが、済んだことは仕方ありません。とにかく、今後少しでもリンの役に立つよう頑張るしかないですね。
5日目・・・リンとメロンパンへ進む
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