とりあえず、リンを救出することには成功した秋俊達でしたが、リンはかなり体力を消耗していて、しばらくは戦闘の役に立ちそうにありません。さらに問題なのは、秋俊達の居場所が敵に知られていると言うことで、これではいつ敵襲を受けるかわからない状態で、半病人のリンを保護しなくてはならず、どうもうまくないですよね。

 というわけで、秋俊は一時的に紫のマンションへ泊り込むことに決めました。ここなら少しの間は、敵に居場所を悟られないはずで、その間にリンの体力も回復するだろう、と言う話。ちなみに、紫の方はこの状況を利用して秋俊に近づこうとし、それを察知した愛ににらまれておりましたが(笑)、どうもこの秋俊と言う男、何の取り柄も無さそうなのに、女にだけはモテるみたいです。

 まあ、紫の場合、愛はともかくリンとは仲がいいわけですし、まして彼女が蒲木に襲われた時に助けてもらった借りもあるわけですから、秋俊達が泊り込んでも嫌な顔をすることはありません。この点は良かったのですが、ただ、長く居れば当然ここも敵に知られてしまうでしょうし、そうなれば紫に迷惑がかかるのは必定。どうもなるべく早く、この隠れ家も引き払った方が良さそうですね。

 と、思っていた秋俊でしたが、妙なきっかけでこの隠れ家、速攻で敵にバレてしまうことになったのです。実は秋俊と連絡をとりたがった美景が、紫の家に電話をかけて来まして。秋俊は迷ったものの、結局、自分で電話に出ることにしたため、この時点で隠れ家がバレてしまうことに。全く持って、何をやっているのやら、と思いますが、秋俊は美景のことを疑いつつも、ここは彼女が敵では無い方に賭けて見ることにしたのでした。

 それで、電話で美景と話した秋俊は、彼女に言われて何だかえらいボロアパートに出向くことに。何でも美景は、叔父の鵜飼と一緒にアルケーから逃げ出したのだそうで、今は彼女達も隠れ家で身を潜める身分なんだそう。で、秋俊は鵜飼と美景から話を聞き、今回のゆらぎ騒動の大元が、アルケーであることをはっきりと確認することになりました。どうも今のアルケーは、瑠璃男と言う得体の知れない子供に乗っ取られた状態で、この瑠璃男が、人間をゆらぎ化させる薬なんぞを開発。それをこの街でばらまいたらしいのです。おかげで、次々とゆらぎが生まれていたわけですが、瑠璃男がこんなことをしている理由は、鵜飼も美景も知らないみたいですね。

 しかし、そんな薬をまかれては、いくら愛やリンが退治したって、この街のゆらぎを根絶することは不可能ですが、腹が立つのは鵜飼の態度で、この男、自分の勤める会社がそんな無茶をしていると言うのに平然としていて、それどころか秋俊に自分達を保護するよう要求して来たのですから、厚顔無恥もいいところ。一方の美景の方は、自分のしたことを心から悔やんでいるようですが、何にせよ、アルケーのせいでどれだけの人々がこれまでゆらぎの犠牲になったかを思えば、いくら後悔したって追いつきませんな。

 で、秋俊は助けを求める二人を無視して、その場を去ることになりました。秋俊にして見れば、こんな奴ら助ける価値なんて無いと思ったのでしょうが、いざ紫のマンションに戻って愛とリンにこの話をした秋俊は、リンにぶん殴られることに。鵜飼はともかく美景とは仲のいいリンは、秋俊が美景を見殺しにしたことを許せないようで、リンに怒鳴られた秋俊は、ようやく目を覚ますことになりました。それで、何とか二人を保護しようと先刻のアパートに戻った秋俊でしたが、時既に遅く、二人は連れ去られた後。こうなると、二人を救出するのは骨ですな。

 ところが、ここで予想外のアクシデントが発生し、何と紫が小池にさらわれてしまったのです。この小池と言う男、最初の頃ちょろっと出て来ただけで、その後長らく出番が無かったもので、私も存在自体を忘れかけていたのですが(笑)、改めて紹介しておくと、秋俊と同じ予備校に通う浪人生で、何だか得体の知れないでぶ男です。で、こ奴は紫をさらって暴行した挙句、そのビデオを秋俊の下に送りつけて来たのですから、何と言うか・・・。ちなみに、小池が紫を狙ったのは、彼女が秋俊達をかくまったからのようで、この話を聞くに、小池もまた、瑠璃男配下のゆらぎなのかも知れません。

 まあ、小池の正体が何であれ、脇役の分際で愛とリンにまとめて喧嘩を売ったのですから、これはもう自殺行為もいいところ。で、秋俊達は病院の紫を見舞った後、大胆にも秋俊のアパートに居た小池と対決したのですが、小池は予想通りゆらぎになっていて、秋俊達の力なぞ歯牙にもかけておりません。しかも、特徴のある触手から、こいつが以前リンのお尻ばかりを狙った変態ゆらぎの正体だったことを知った秋俊達は、改めて驚くやら呆れるやら・・・。全く変態ゆらぎにふさわしい正体ですな。

 で、小池は自信満々で秋俊達と戦ったわけですが、愛は当然秋俊と融合して、力を普段の何倍にも高めておりますし、リンの方も体はまだ本調子ではないにせよ、紫をひどい目に遭わされたことで激怒しておりますので、その分を考えると、戦闘力は普段と同じか、それ以上。そんな二人をまとめて相手にして勝てるわけがなく、小池はあっと言う間にずたぼろにされてしまいました。何とも情けない話ですが、小池の場合、愛が秋俊と融合することを計算していなかったみたいですのでねぇ。こうなったのも当然ですな。

 それで、これは叶わん!と例によって排水口から下水道へ逃げ込んだ小池でしたが、その先の運命はさらに悲惨で、小池を追って下水道へ入り込んだ秋俊達が見たものは、文字通り血だるまにされていた小池の姿でした。一体、何で?と思えば、今回のことは全て小池が独断でやったことだったらしく、無断でそんなことをした小池を、敵の親玉が許してくれなかった模様。で、その親玉と言うのが、リンが産んだあの異形だったのですから、何とも言えない話です。

 で、小池はマユと名乗ったこの異形の手で八つ裂きにされてしまいましたが、この男、死ぬ前にメディカに行って狩りがどうの、とつぶやいておりまして。秋俊達は何のことだ?と首を傾げたのですが、とにかく小池を殺したマユの次の標的が、彼らになってしまったため、小池の最後の言葉を吟味している暇は無くなりました。マユは相変わらず無邪気で、秋俊達との戦いも彼女にとっては遊びでしかないようですが、こういうのが一番困りますな。

 そして、マユとの戦いですが、何だか実に妙なもので、マユは自分からは仕掛けようとせず、愛とリンの攻撃をわざと食らってニコニコしているのです。ちなみに、彼女の防御力はとんでもないレベルで、愛とリンが渾身の力をこめて攻撃を見舞っても、ほとんど効いていないのですから大笑い。どうもこの異形、ゆらぎなんぞよりももっと始末に負えない相手みたいです。

 ただ、そんなマユもリンが見舞った最高の攻撃魔法を受け止めた拍子に、腕が片方無くなってしまい、やっぱりこの体じゃまだ駄目だわ、と笑って、引き揚げて行きました。とりあえず、マユを撃退することには成功したわけですが、無論、これは勝利などとは程遠いもので、本格的にマユと戦ったなら、愛とリンの力を合わせても、何だか勝てそうにありません。どうも、シンといい、このマユといい、厄介な敵ばかりが出て来るものですね。


21〜22日目その2・・・瑠璃男との決戦へ進む

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