変態ゆらぎに振り回されて、ほとほと疲れてしまった秋俊でしたが、彼は元々浪人生。こんな状況でも勉強を欠かすことは出来ません。で、この日は真面目に予備校へ行った秋俊でしたが、ここで紫から祭りに誘われることに。何でも今夜は鈴虫祭りとか言う祭りの日で、この祭り、何だか希望者に鈴虫をプレゼントしてくれるらしいのですが、他には何も無いと言う、何だかとても地味な祭りでして。実際、秋俊は今夜そんな祭りがあること自体覚えていなかったのでした。
それで、紫に一緒に行こうと言われて、初めて祭りのことを思い出した秋俊でしたが、そうは言ってもどうせリンもついて来るでしょうし、そうなるとまたまたうるさいことになるのは、火を見るより明らかです。で、この場は断った秋俊でしたが、家に帰って祭りの話をしたところ、昨日ゆらぎにやられたダメージが回復していないリンは、祭りをパスしまして。それなら素直に紫の誘いに乗っても良かったわけですが、逆に俄然祭りに行きたがったのが、愛でした。てっきり愛はこんなものに興味は無いと思っていた秋俊は、いきなり魔法で浴衣まで作ってしまった愛を見て、びっくりすることになりましたが、どうやら愛はよほど祭りに行きたかったみたいですね。
もっとも、愛の場合、祭りそのものより、秋俊と一緒にデート出来ることの方が嬉しかったのでしょうが、実際、愛は予想していたとはいえ、地味でつまらない祭りに恐縮して、愛ちゃん退屈してないかな?と気を遣う秋俊に対して、明らかに機嫌が良い態度を見せているのです。もっとも、二人の間には共通の話題が無く、会話は途切れがちもいいとこだったのですが、それでも愛が祭りを楽しんでいるのは、明らか。実際、彼女、かごに入った鈴虫をもらって、大切に持って帰ったくらいですので、こんなつまらない祭りでも、愛にとっては楽しいものだったのでしょう。
それで、家に帰ってからも、鈴虫を楽しそうに見つめていた愛でしたが、リンの方は相変わらず騒がしく、秋俊が土産にメロンパンを買って来なかったことに文句をつけ、代わりにイカ焼きを差し出されると、どうやって食べればいいかわからず、また文句。そのくせ、愛が食べやすいように切ってくれたイカ焼きには、舌鼓をうっているのですから、勝手なものですな(笑)。
ただ、そんなリンの騒がしさが、今夜はちょっとまずい事態を起こすことに。と、言うのも、秋俊相手にふざけて部屋の中をごろごろ転がっていたリンが、間違えて愛の虫かごを壊してしまったのです。んでもって、中の鈴虫は、これ幸いと逃げてしまい、愛はがっかり。平素、あまり感情を表に出さない愛が、こんなに落ち込んだのは珍しいのですが、愛にとって、秋俊と一緒に行った祭りでもらった記念の鈴虫が、よほど大切なものだったみたいですね。
で、さすがに悪いことをしたと反省したリンですが、この娘、愛に素直に謝ることが出来ず、そもそもクーラー代を浮かすために窓を開けていた秋俊が悪い!と開き直ったのですから、もう笑うしかありません。ただ、そうは言っても、やはりリンはリンで反省したらしく、夜中、こっそり起き出して、鈴虫を捕まえに行ったのです。もっとも、リンは昆虫に詳しくなかったのか、それとも暗くて見間違えたのか、捕まえて来たのは、鈴虫ではなく、コオロギでしたが(笑)。
それで、事態に気づいた秋俊は、リンが寝るのを待って、今度は自分が外へ鈴虫を探しに出かけたのですから、何ともご苦労な話です。で、今度こそはちゃんと鈴虫を捕まえた秋俊は、それを愛の虫かごに入れてやって、一件落着。愛は鈴虫が戻ってきていることを知って、驚いておりましたが、まあ、何にせよ良かったですな。
16日目・・・蘇った記憶へ進む
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