リンの活躍で蒲木は無事に倒され、紫を脅かしていた恐怖は、完全に消滅しました。ちなみに、彼女、リンのことを霊能力者だと勘違いしているようですが、何にせよリンの力のことは誰にも話さないと約束してくれましたので、別に紫がリンを何だと思っていたところで、問題は無いですな。

 それで、紫の方はこれで一件落着したのですが、今度は美景の方でトラブルが発生することに。全く、この街でゆらぎを作り出している親玉は、次から次へと女ばかり狙って子分どもを送っているのか、と言いたくなりましたが、美景の件は当初ゆらぎ絡みだとはわからず、それよりももっと当惑させられる話だったのです。と、言うのも魔力が復活して、それを秋俊に見せびらかしたくてたまらないリンが、鏡の中に特定の個人が今何をしているか映し出すと言う、何とも凄い魔法を見せてくれることになりまして。秋俊は蒲木の件で紫のことを心配していたため、丁度いいや、と紫が今何をしているのか、鏡に映し出してもらうことにしたのです。で、リンは紫の姿を映そうとしたのですが、何故か映ったのはトイレに居た愛の姿・・・。どうもどこかでやり損なったようですね。

 というわけで、秋俊に責められたリンは、触媒が無かったから失敗したのよ!と言い訳して、今度は触媒がある人、つまり美景の姿を映し出すことにしたのです。ちなみに、この触媒と言うのは、鏡に映し出すターゲットが普段身につけている物のことで、紫に関しては適当な触媒を持っていなかった秋俊も、美景に関しては、先日のデートで別れ際に拾ったアルケーの社章と言う絶好の触媒がありますので、これなら問題は無いわけ。で、今憧れの美景が何をしているのか、興味津々で覗き込んだ秋俊でしたが、そこに映し出された光景は信じ難いもので、何と美景はどこかのオフィスらしき場所で、何人もの男を相手にお楽しみの真っ最中だったのでした。

 で、これには秋俊もリンも驚愕のあまり、言葉を失いましたが、元々美景と言う娘は、前作でもセックスが三度の飯より好きだと言う、とんでもない人でしたので、これくらいはいつもの事。もっとも、前作ではゆらぎに操られていたから、と言うフォローが入っていた美景でしたが、そんな事は知らない(いえ、正確に言うと知っているのですが、その記憶を封印されている)秋俊から見れば、この美景の狂態が信じられなかったのも無理はないですね。

 それで、お前の魔法は一体どうなってるんだ!と怒った秋俊でしたが、リンもあの美景がこんなことをしているとはにわかに信じられなかったようで、私の魔法は正常よ!と言い返す代わり、文字通り周章狼狽しております。で、何とも不愉快なものを見せられて、機嫌を悪くした秋俊でしたが、そこに当の美景から電話がかかって来たのですから大笑い。秋俊は狼狽しつつも、とにかく美景と話したのでした。

 そして、今から会いたいと言う美景と駅前で待ち合わせした秋俊でしたが、そこに現われた美景は、美しい彼女に絡んできた不良をぶん殴ったりしたものの、それ以外は普段通りの清楚なたたずまいを見せていて、とてもついさっきまで何人もの男を相手に遊んでいた女だとは思えません。秋俊はあれは何かの間違いだったんだよな、と自分に言い聞かせることになりましたが、そんな秋俊と歩く美景は、どこか寂しげで、王子様に会いに星の国へ行こうとして行けなかった女の子が出て来る童話の話なんかしております。秋俊はこの童話の真意がわからず、女の子が星の国へ行けないのなら、王子様の方が来るべきだろう、などと妙な感想を漏らして、美景を驚かせておりましたが、何にせよ美景の様子が、ちょっと変なのは事実ですね。

 実際、その後、秋俊と一緒に食事をすることになった美景は、アルケーから彼女を迎えに来た瑠璃男と言う不気味な子供に連れられて、そのまま高級外車で走り去ってしまいました。しかも、別れ際、何と美景はいきなり秋俊を捕まえて、思いきりキスなんかしていったのです。ちなみにこのキスは美景が秋俊が好きでしたものではなく、瑠璃男から命じられてしたものだったのですが、これには秋俊も驚くやら呆れるやら・・・。一体全体、この美景って娘、会社で何をしているんでしょう?ちゃんと仕事してるんでしょうか?それとも・・・。


13日目・・・何事も無い一日へ進む

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