何だか和彦と梨乃の取り合いをやっていた亮ですが、梨乃本人の気持ちが彼に向けられている以上、この勝負は勝ったも同然です。実際、梨乃は和彦に申し訳ないと思いつつも、彼が自分のマスターであることを明らかに嫌がっておりまして。亮は和彦に梨乃のマスター登録を消して欲しいと頼み込むことに。何でもいつまでも死んだ妻のことを想い続けている和彦を楽にしてやりたいのだそうで、亮に言われた和彦は、至極あっさりと自分のマスター登録を消してくれました。正直、これほどあっさり諦められるくらいなら、最初から自分の亡妻に似せたロボットを作ろうなどと考えないはずですが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
それで、和彦がマスターでなくなって、梨乃は名実ともに亮だけのメイドロボットになりました。亮は梨乃に愛の告白なんかしていて、梨乃も文字通り泣いて喜んでおり、この時点で二人は立派な恋人同士。それに一つ屋根の下で同居しているわけですから、もう誰はばかることなく、いちゃつくことが出来ますね。
というわけで、家でべたべた外でべたべた。ひたすらくっつくことだけに専念する二人でしたが、そうこうしているうちに、何だか妙な事態が発生することに。梨乃が突然鏡を見て錯乱し、泣き喚き始めたのです。それを見た亮は、一体何があったのかわからず、とにかく必死に梨乃を落ち着かせたのですが、彼女から聞いた錯乱した理由と言うのがふるっていて、何でも自分と同じロボットが量産されるようになれば、その量産機までが亮への想いを受け継ぐことになるかも知れず、それを考えると怖くなったのだそう。一体、どこに試作機のデータ、それも全くの個人のプライバシーに関するデータを量産機にまで移植する馬鹿が居るよ?と言いたくなりましたが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
それで、梨乃を抱きしめて慰めてやった亮ですが、彼女の心配は別な形でも現われ、翌日、亮と一緒にデートしていた梨乃が、電気屋を前にしてまたまた動揺し始めたのです。何でも自分はロボットだから耐用年数が切れる日が来るわけで、その時、修理に必要な部品が無かったら、どうしよう?と言うことのよう。確かに、電気製品はいずれ耐用年数が切れるものですが、にしてもまだ試作機の段階で、今からそんなことまで心配するとはねぇ。心配性とか何とか言う以前に、明らかに不自然な話ですが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
で、亮はそんな梨乃をまたまた慰めてやって、彼女から喜ばれておりましたが、そんなこんなしているうちに、梨乃が海を見たがっていたことが判明し、早速二人して夕暮れ時の海を見に行くことになりました。梨乃は初めて見る海、それも沈む夕陽を背景にした雄大な海に言葉も出ないほど感動しているようで、亮はそんな梨乃を抱きしめてキス。もう相手がロボットだと言う意識は完全に消え去っているようですが、これは異常なのか正常なのかよくわからない話ですな。
まあ、それはともかく、この二人の関係、何だか妙な雲行きになって来ました。梨乃がどういうわけかこの時の海でのデートを忘れてしまい、数日後、その話題を振った亮と話がかみ合わなかったのです。これには亮も首をひねるばかりでしたが、そのうち事態はどんどん深刻になって来て、梨乃は海でのデートどころか、亮に関するあらゆる話を急速に忘れて行きまして。ついには森咲家へ来た時と同じただのロボットと化してしまったのでした。
それで、梨乃がおかしくなった!と慌てふためく亮でしたが、和彦の診立ては極めて深刻なもので、どうも梨乃が搭載している人工知能には重大な欠陥があって、キャパを超える情報を詰め込まれると、勝手に今まであった情報を削除してしまう仕組みになっていたのだそう。ちなみに、データの許容量をオーバーすれば、普通新しいデータの書き込みが出来なくなるだけだと思いますが、こんな風に必要なデータを勝手に消去し、おまけにその後消去した跡に新しいデータを書き込むこともせず、ひたすら以前あったデータの消去ばかりを続ける人工知能って何なんでしょう?欠陥があるも何もそんな物は普通存在しないような気がしますが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
というわけで、梨乃の人工知能は、どういうわけか亮に関する全てのデータを削除してしまっていたのでした。まあ、それならバックアップを使って簡単に直すことが可能かと思いきや、何と和彦は梨乃のデータのバックアップをとっていなかったのだそう。これには私も呆れましたが、一体、純粋に遊びでPCを使っている私でさえ、バックアップはきちんととっているのに、大事な仕事でロボットを使おうと言う人間が、そのロボットの肝でもあるメモリのバックアップをとらないなんてことがあるのでしょうか?要はもし梨乃に何かあってメモリ部分が破損すれば、これまで集めた試験データが全部パーになるはずだったわけで、この和彦と言う人、とてつもなく迂闊な人間だとしか思えませんが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
こうして、梨乃を修理することは不可能であると言う結論に到達し、亮は絶望の涙にくれることになりました。最初から梨乃とのつき合いをやり直すにしても、彼女がこんなポンコツ人工知能を載せている限り、何の意味も無いわけで、結局は打つ手なし。と、その時、未練がましく梨乃の部屋を漁っていた亮が、耳寄りなものを見つけたのです。それは梨乃が亮に宛てた手紙で、実は早くから自分の人工知能に異常が生じていることを認識していた梨乃は、亮に関するデータを自分で圧縮して、人工知能の一角に保存しておいたのでした。で、手紙の中で梨乃はそのデータを解凍し、自分を助けて下さい、と亮に懇願することに。ちなみに、異常に気づいたのなら、その時点で和彦に連絡した方が、手紙なんか書くよりはるかに手っ取り早かったような気がしてならないのですが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
それで、梨乃から手紙で頼まれた亮は、自分がロボット技師になって梨乃を助ける!と一念発起。ロボット工学を一から勉強し、梨乃に載せる新たな人工知能の開発に勤しむことになりました。正直、全くの素人にそんなことが出来るとは思えませんが、幸い亮には和彦と言う絶好の師匠が居たせいで、どうにか頑張れた様子。んでもって、5年後。亮は和彦と二人で、ついに梨乃に載せる新たな人工知能の開発に成功することに。素人がわずか5年でここまでやれりゃ上出来でしょうが、蘇生した梨乃の反応は、芳しいものではありませんで。どうも亮が5年前に比べて年をとっているため、声紋等が一致せず、彼をマスターとして認識出来なかったようですね。
しかし、それならそれで改めてマスター登録をやり直せば済むような気がしますが、亮はそんなことをせず、梨乃を連れて外へ飛び出しまして。彼女を思い出の海へと連れて行ったのです。で、梨乃はあの日と同じ夕暮れ時の海を見て、記憶を取り戻すことに。一体、何で思い出の海を見れば亮をマスターとして認識出来るようになるのか理屈がさっぱりわからないのですが、とにかくそうなっているのですから、仕方がないって、元々、梨乃と言うロボットに理屈は通用しないのでした(笑)。そう思うと、これはこれでいいのでしょう。
まあ、もう何でも構いません。後は記憶を取り戻した梨乃と亮がくっついてお終い。本当に蜂の巣のごとき穴だらけのシナリオでしたが、とにかくそうなっているのですから、仕方ないですね。
さて、これで4人居るヒロインのうち3人までは終わりました。もう一人華宮涼音と言うのが残っているのですが、さすがにこれ以上、こんな下らないゲームにつき合っていられるほど私も暇じゃありません。これはこれで終わりにして、後は結びを書いて締めくくらせて頂きましょう。
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