何やらロボットとも思えない行動をとるようになった梨乃ですが、彼女の身辺では色々と妙な出来事が続発することになりました。まず、彼女が救ってやった例の小鳥ですが、この鳥、どういうわけか人間に変身することが出来まして。何やら人間の女の子になって、庭掃除を手伝ってくれたりしたのです。これを見ていた亮は、特に驚くこともなく
「わざわざ人間の姿になってまで御礼に来るぐらいだから、よっぽど梨乃に感謝してるんだな」
 と、納得している始末。普通、鳥というものはどんなに感謝したって、人間の姿にはなれないような気がしますが、もうそんな突っ込みを入れるのも馬鹿らしいですね。

 しかし、何かと言うとすぐに物語をファンタジーにしてごまかしてしまうのは、ギャルゲー特有の現象と言ってよく、本当、人知の及ばない何でもありの世界と言うのは便利なものですが、この小鳥はさておき、梨乃の身辺には、もう一人妙な女の子が居るのです。それが学校の後輩で、桐生若葉と言う子。この子、何だかクラスの連中からいじめに遭っているらしく、大量のゴミを抱えて困っておりまして。それを見た梨乃が、ゴミ運びを手伝ってやって、それがきっかけになり、梨乃にまとわりついてくるようになったのでした。

 それで、梨乃は以前教師に頼まれて種を蒔いた花壇の世話をしがてら、若葉と親しくするようになり、ついでに亮も協力して、若葉のイジメ問題に取り組むことに。このイジメ、原因がよくわからないのですが、とにかく若葉がクラスメイトと親しくしようとしなかったのがいけなかったのだ、と言う結論に到達し、それからの若葉は梨乃に言われるまま、自分から積極的にクラスメイトに話しかけるようになったのです。で、この梨乃のアドバイスが効を奏し、若葉はたちまちイジメ問題を解決。それどころか友達がたくさん出来て、めでたしめでたし、と言うことになったようですね。

 しかし、こんなに簡単に友達になれるのなら、最初からゴミを押し付けられたりしないような気もしますが、まあ、それはどうだっていい話。どのみち、この若葉はストーリーにほとんど絡まない、単に梨乃の優しさを強調するために出て来た脇役に過ぎないのですから。それよりもっと重大なのは、ここまでたまにしか顔を見せなかった和彦が、何だかんだと梨乃の周辺にまとわりつくようになったことでした。

 無論、和彦は梨乃の製作者なのですし、試作品の性能を試すためにあれこれ検査をするのは当然です。が、この人、どうもまともな理由で梨乃を作ったわけではないようで、実は梨乃の顔は、死んだ和彦の妻(つまり亮の母親)の若い時にそっくりだったのです。これはたまたま梨乃の顔を作る際に、モデルとして自分の亡き妻を利用したと言う話ではなく、最初から意図されたものでして。どうも和彦は死んだ妻を、ロボットの形で蘇らせようなどと考えていたらしいのですから、何と言うか・・・。

 まあ、優秀な技術者と言うものは、どこか感覚が常人とずれていたりしますので、こんなこともあるのでしょう。ちなみに、妻を蘇らせるのはいいとして、死んだ時の年齢ではなく、わざわざ高校生くらいの年齢にして蘇らせているところなど、何ともコメントのしようが無いですが、とにかく梨乃がそういう目的で作られている以上、その存在自体、どこか不純なもの。実際、和彦は梨乃を抱きしめたりしてましたので、これはもう家事手伝いよりも、そういう目的の方が、メインなのかも知れません。

 それで、和彦の目的を知ってしまった亮ですが、これまで死んだ母親に冷たい態度をとっていた父が、実は母のことを深く愛していたことを知って、そのこと自体は、嬉しかった模様です。が、いくら愛していたって、これはちょっと・・・と、常識ある人間として眉をひそめるだけならまだしも、亮は梨乃を抱きしめている和彦の姿を見て、父に嫉妬したのですから、大笑い。要するに
(俺の梨乃になんてことをするんだ!畜生、俺にもやらせろ!)
 と、いうことのようで、本当、蛙の子は蛙とはよく言ったものです。

 というわけで、親子揃ってロボット相手に懸想している亮と和彦ですが、肝心の梨乃の気持ちは、間違いなく和彦よりも亮の方へ向けられておりました。実際、梨乃は和彦に抱かれたことをわざわざ亮に謝りに来たくらいですので、和彦よりも亮の方が、大切なのでしょう。亮の方は、梨乃の気持ちを知って、さっきまでぷりぷり怒っていたくせに、たちまち機嫌を直してしまいましたが、本当、ロボット相手に何やってるのやら。考えて見ると滑稽極まる話ですな。


森咲梨乃その3・・・梨乃とハッピーエンドへ進む

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