この「グローバルフォース」というゲームは、この手のSLGが好きなゲーマーからは、それなりに高い評価をもらった、なかなかの良作です。私もこのゲームは十分に楽しめました。シリーズ3作目として、恥ずかしくない出来映えだと思いましたよ。
さて、言うまでも無くゲームというものには、様々なジャンルがあります。そして、それぞれのジャンルが、さらに細かいいくつものカテゴリーに分かれているのですが、中でも最もその分岐が多いジャンルといえば、これは間違い無くシミュレーションゲームでしょう。
実際、昨今のシミュレーションゲームの多様さは、全くもって凄まじいものです。恋愛シミュレーションは言うに及ばず、レストランやラーメン屋の店長になる経営シミュレーション、スポーツ選手やお姫様を教育する育成シミュレーション、新しい国や世界を作り上げる開発シミュレーション、歴史上の人物になって活躍する歴史シミュレーション、競走馬を育てる調教シミュレーション等々。数え上げると切りが無いほど、多くのシミュレーションゲームが、市場に出回っているわけです。
そして、これら多種多様なシミュレーションゲームの中にあって、最も古くから存在し、多くのファンを集めて来たものが、「大戦略」シリーズと「信長の野望」シリーズとを双璧とする、戦略シミュレーションなのです。
一昔前、まだゲームというものが、子供向けの玩具以上の物とは見なされていなかった時期がありました。今ではゲームショップでスーツ姿のお客を見かけることなど、珍しいことではありませんが、当時は子供の「ドラクエ」をクリアしたお父さんが、雑誌の投稿欄で話題になるほどで、大人がゲームをすることは、非常に珍しいことだと考えられていたわけです。
そんな頃、唯一例外として、大人がプレイするゲームだと思われていたのが、この戦略シミュレーション(それとアダルトゲームに、一部のテーブルゲーム)だったわけです。実際、「信長の野望」などは、かのプレジデント誌に紹介されていたほどで、子供向けの作品が主体となったゲーム界の中に燦然と輝く、ある種の太陽みたいなものだったかも知れません。
しかし、そうやってゲーム界において、独特の地位を確保していた戦略シミュレーションも、最近ではめっきり影が薄くなりました。近頃では「信長の野望」の新作が出ても、大して話題にもならず、コーエーに関して言うなら、「アンジェリーク」の後を受けた「遥かなる時空の中で」の方が、大きな話題を集めているほど。もっともプレステ2で「決戦」のようなソフトが、発売されてはいますが、なんにせよ戦略シミュレーションも、もはや単なるゲームの一ジャンルに過ぎないことは、明白でしょう。
これは、ゲームというものが、単に子供の玩具という地位から、メディアの一種へと昇華した以上、当然の結果であると言えます。そもそも、普通の人間は、殺伐とした兵器と兵器の果し合いや、難しい国と国との取り合いなどよりも、魅力的な異性との甘い恋愛や、美味しそうな料理のレシピの考案などの方を好みます。そうなれば、大人がゲームをすることが当たり前になった昨今、本来一部のマニア向けのゲームであった戦略シミュレーションが、あまり人々の注目を集めなくなるのも、当然のことでしょう。
ただし、それは世の中に戦略シミュレーションをプレイする人間が、いなくなったということではありません。数こそ限られていますが、この手のゲームを好むゲーマーは、確実に存在します。そうである以上、そういった需要に応えるためのゲームは、絶対に必要になるわけです。
この「グローバルフォース」は、まさにそういった戦略シミュレーションを好むゲーマーのためのゲームです。ルールは昔の「大戦略」などよりも、はるかに複雑になっていますが、マニアなら十分に理解できる程度のものですし、登場する兵器の種類の多さは、素晴らしいものです。特に対潜哨戒機や偵察機といった、地味ではあっても重要な役割を果たしている兵器までが登場するというのは、マニアならこたえられない趣向でしょう。
無論、逆の言い方をすると、こういった兵器に関心の無い一般のゲーマーにとっては、どうでもいい類のゲームでしかないということです。実際、このゲームは雑誌等に取り上げられることもほとんど無く、あまり注目もされずに終わりました。ただ、これはこのゲームの性質上、やむを得ないことであり、これをもってこのゲームの欠陥である、というのは間違いでしょう。
「大戦略」の流れを汲んだ、本格的戦略シミュレーション。こういった表現に値するゲームは、昨今あまり見うけられません。その中でこの「グローバルフォース」こそは、そういった表現に値するゲームです。特定のマニアにとっては、非常に貴重な作品でしょう。
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