ある意味、かおるの自殺以上に気になるさらさの周辺ですが、主人公の使命は、あくまでもかおるの自殺について、調査することです。となると、さらさについて調べる必要は無いわけで、あまり彼女に関して深入りするべきではないでしょう。

 ただ、事態はそうも言ってられない方向へと進展することに。萌の誕生パーティーが開かれ、その席上、さらさに関して重大な発表があったのです。今度この学園で有名ブランド「エストー・ヴィジョーネ」の発表会があり、さらさもモデルを務めることになっているのですが、何と彼女は、単なるモデルではなく、「エストー・ヴィジョーネ」のイメージクィーンに選ばれたというのです。要するに、モデルとして、これ以上は無い大役を射止めたというわけですね。

 それで、さらさも彼女に好感を抱いていた主人公も、喜んだのですが、その直後、何やらこずえが血相を変えて飛び込んで来まして。ケーキの側から離れて!と叫んだのです。主人公は何のことやらわからず、当惑しておりますが、そこで、萌のために作られていた大きなケーキが、爆発。で、中からは「さらさがかおる殺しの犯人だ」と書かれたビラが、何枚も出て来たのですよ。う〜ん・・・。

 しかし、嫌がらせもここまでやれれば立派ですが(笑)、無論、これは笑い事では済みません。主人公は事前に事件を阻止出来なかったということで、江里子に怒鳴られ、かおるの自殺そっちのけで、さらさに対する嫌がらせについて調べることになりました。確かに、わざわざ多くの人目のあるパーティーを狙って、こんなことをするとは、犯人はかなり狂ってるみたいですし、このまま放っておくわけには行きませんよね。

 それにしても、敵の多いさらさのこと、一体、誰にこんなことをされているのか、皆目見当がつかないのですが、手がかりになりそうな物もあります。ケーキから出て来たビラには、以前、さらさの部屋に投げ込まれていた紙切れに書かれてあったのと同じ、奇妙な紋様が書き込まれておりまして。どうも、二つの事件は、同じ犯人の仕業らしいのです。そして、何より重要なのが、こずえがケーキが爆発することを、事前に察知したということ。これは彼女が何か知っているということですよね。

 というわけで、こずえに会って事情を聞く主人公ですが、こずえは何もしゃべってくれません。主人公も無理強いは出来ず、捜査はたちまち行き詰まってしまったのですが、そんな折、またしても事件発生。今度はさらさの化粧品(ファンデーション?)に劇薬が混ぜ込まれまして。さらさはすんでのところで、それを顔に塗ってしまうところだったのです。ふう・・・。

 それにしても、こうなると、もう嫌がらせを通り越して、完全に犯罪ですが、さすがのさらさもこれにはショックを受けた模様。化粧品を持って来たこずえを犯人呼ばわりして、大騒ぎする始末です。主人公はこずえが犯人だとは思えない、とさらさを説得し、何とか納得させたのですが、代わりにぶっ叩かれてしまいました。やれやれ・・・。

 まあ、さらさの化粧品がしまってある棚には、誰でも近づけるそうですので、確かにこずえが犯人というわけではありません。ただ、彼女が何か重要な事実を知っていて、それを隠しているのは、確実。主人公はその点を無理に問い質そうとはせず、こずえが自分から話すのを待つことにしました。何とも気の長い話ですが、仕方ないですよね。

 もっとも、この主人公の態度、こずえにとっては嬉しかったらしく、嫌がらせに関してはしゃべってくれませんでしたが、代わりに自分がさらさの付き人に志願した理由を話してくれました。何でも、彼女はこの学園に入った当初、友達も出来ず、何かと苦労することが多かったのだとか。で、ある日、風邪をひいて寝込んでしまい、すっかり落ち込んでいた彼女を、ただ一人、薬とドリンク剤を持って見舞いに来てくれたのが、さらさだったというのです。

 要するに、こずえは、さらさに恩返しをするつもりで、付き人になったらしいのですが、これはなかなか、義理堅い話です。にしても、さらさにも結構いいところがあるわけで、実際、こずえを疑ったさらさは、すぐにそれを後悔して謝ったみたいですし、主人公に対しても八つ当たりして殴ったりして、悪かったと思っている様子です。おかげで、主人公はさらさから、色々と突っ込んだ話を聞くことができ、例の紋様を書き付けた嫌がらせの手紙が、以前から、何通も届いていることも教えてもらいました。それに、もうひとつ、重要な告白。実はさらさこそ、かおるを死に追いやった張本人だというのですよ。えっ?

 どうやら、優しくて、人当たりの良かったかおるは、皆から好かれていて、それを妬んださらさから、酷い苛めを受け、それで追い詰められて、とうとう・・・という話ではもちろんなく、例の「エストー・ヴィジョーネ」のイメージクィーンの座を、さらさとかおるとが争っていたというのです。そして、さらさは自分がクィーンの座を射止めたことで、敗れたかおるが自殺したのだと話してくれました。

 結局、かおるは一度の敗北で、全てを投げ出してしまうような、弱い人間だったわけで、本当、こういうタイプは困りますが、何にせよ、これはさらさの責任ではありません。ただ、さらさという子は、口では偉そうなことを言ってますが、それは自分の弱さを隠すための嘘。本当は他人を踏み台にして、平然としていられるような子ではなく、このかおるの自殺には、かなり参っている様子です。しかも、かおるが皆から好かれていたおかげで、余計に彼女に対する風当たりが、強まっているのですから、大変。そこへ、どんどんエスカレートする嫌がらせが加わっているのですから、並みの人間なら、とっくに終わってるかも知れません。

 まあ、さらさはこんな逆境にもめげずに頑張れるようで、精神的には強い女の子みたいです。全く、自殺したかおるが、この半分の強さでも持っていれば、こんなことにはならなかったのでしょうが、ここで、非常に気になる事実を聞き込みました。何と、「エストー・ヴィジョーネ」のイメージクィーンには、当初、さらさではなく、かおるが内定していたというのです。なぬ?

 要するに、かおるが自殺したおかげで、次点だったさらさが繰り上げ当選したわけですが、これは一体、どういうことなのでしょう?かおるはさらさに負けたわけではなかったのですから、当然、自殺するはずもないのです。もっとも、さらさ自身はこんな裏話があるとは知らず、自分がかおるに勝ったと思い込んでいるわけですが、こうなると、話は全然、違ったものになりますよね。どうも、さらさを巡る一連の事件、単にかおるに好意を持っていた誰かの嫌がらせ、というわけではないようです。


三香原さらさその3・・・攻略成功、でも失敗へ進む

幻想のアルテミス(PS)へ戻る