さて、28日目です。ゲームも残すところあとわずか。残り少ない夏休みを、せめて有意義に過ごしたいものですね。
ところが、この日は有意義どころか、ボクが熱を出してしまいまして。夕食も食べられずに、ベッドで寝こむ有様です。ここへきてなんてことと思いますが、この時期の子供はしょっちゅう熱くらい出すものですので、まあ、仕方ありません。
もっとも、熱といっても大したことはなかったようで、翌日にはもう元気を取り戻しました。そして、この日は昆虫採集でミヤマクワガタ♂と、なんと希少種のルーミスシジミをGETしまして。最後になって、初めて希少種の欄をひとつ埋めることに成功しました。どうも昆虫採集に精を出した割りに、戦果の方は不十分でしたが、子供が野山を駆け回って一夏の間に捕まえたコレクションとしては、上々のものでしょう。
それで、この日は夜になって、家から電話が入りまして。ボクに弟が生まれたことがわかりました。これでボクも今日からお兄さんです。年が9つも離れていると、弟と言っても一緒に遊ぶ対象にはなりませんが、その分子守りとかはさせられそう。私にも年が10離れた妹がいますので、よくわかりますが、これからのボクは、弟の世話で結構大変なことになると思いますね。もう両親にそんなに甘えることもできなくなるかも。
まあ、なんにせよ、弟が生まれたというのはめでたい話です。そして、迎えた30日。明日は早くから父が迎えに来ますので、実質的に今日がここで過ごす最後の日になるみたい。ひとつ最後を飾るべく、頑張りましょう。
と、思ったのですが、この日は朝から詩が行方不明になりまして。ボクもおじさんに付き合って、詩を捜し回る羽目になりました。あちこち駆け回ったのですが、結局、詩を見つけることはできず、そうこうしているうちに時間切れ。やれやれです。
ところが、そこで詩がひょっこり帰って来まして。一体、どこへ行っていたのかと思えば、どうも海岸近くにあるひまわり畑に行っていたようです。あそこは確か捜しに行ったはずなのですが、入れ違いになった模様。どうも捜す必要は無かったみたいで、一日を無駄にしました。
そして、詩からそのひまわり畑で摘んできたひまわりの花束を、プレゼントされまして。なんでも死んだこの家の男の子が、生前このひまわりが好きだったそうで、ボクもおばさんにひまわりが好きだと言っていたのです。それを聞いた詩が、わざわざ取りに行ってくれたみたいですが、まあ、なんとも可愛らしいプレゼントですよね。
それで、翌日は31日。いよいよ、この家ともお別れです。迎えに来た父の前で、おじさんたちにお別れを言って、泣き出してしまうボクですが、本当にこの家の人達には世話になりました。死んだ男の子の件もあったのかも知れませんが、それにしても今時親戚の子を預かって、ここまで親身になって世話をする人達も珍しいですよねって、これは今時の話じゃありませんか(笑)。まあ、25年前の話でも、やっぱり珍しかったと思います。
そして、皆とお別れして、ゲーム終了です。それから25年が過ぎ、今のボクは大手電気メーカーで通信機器に関する研究開発部門で働く、いっぱしのプログラマーになったみたいですが、この夏の思い出は、今も心に残っているのだとか。私はここまで印象的な夏休みを過ごしたことはありませんが、それでも、夏休みと言えば懐かしい思い出が、いくつもあります。それは今後も忘れることは無いでしょう。
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