レーニエの方が一段落し、今度はティの物語です。彼女、相変わらずアランと同居生活を送っているわけですが、この生活、彼女にとってはかなりストレスの溜まるものでして。そりゃ、マフィアに命を狙われている状況で、殺し屋の家に匿われているのですから、ストレスも溜まるでしょうが、ティのストレスの原因はそれではなく、なんと彼女、外出させてもらえないことで、不満を高めていたのでした。
しかし、ここフィレンツェにも、マフィアの構成員はいくらでも居るわけで、そんな中、のこのこ出歩いたりすれば、極めて危険です。アランは無論それをよく知っており、ティを外出させないのはそのため。と、言えば聞こえはいいですが、本当はアランがティと一緒にあちこち出歩くのが、ちょっと億劫なだけですな(笑)。
というわけで、全然外出出来ない状況に不満を高めたティですが、彼女、お嬢様育ちのせいか、必ずしも我がままとは言えないにせよ、一度言い出したらきかないところがあるのです。どうしても外出したくなったティは、アランさんが着いて来ないなら、私一人で外出しよう、と決意。アランにわざとシチューをぶっかけ、彼が慌てて着替えをしている隙に、こっそり家を脱け出してしまったのでした。
しかし、このティと言う子も無茶をやるものですが、彼女はお嬢様らしく、自分がどれほど危険な真似をしているのか、きちんと理解出来ていない様子です。ちなみに、ティがいないことに気づいたアランは、必死になってあちこち捜しまわっておりましたが、それを予期したティが、さっさとバスを利用して家から離れたため、とても見つけられませんで。結局、家でやきもきしながら、彼女の帰りを待つことになりました。
こうして、一人っきりで街を散歩することになったティでしたが、やはりこの外出はちょっとまずかったらしく、いくらも歩かないうちに、何者かに後をつけられたのです。怖くなったティは、急いで逃げ出しましたが、そこで偶然出会ったのが、以前猫を持って来たシュガーさん。ティは彼に保護される格好になり、一緒に街の中を見て回ったのですから、結果的にはアランの代わりにボディガードが見つかって、よかったわけですね。
それで、街中を散歩した後は、シュガーにつき合って、ワーニャという人物のところへ赴いたティでしたが、このワーニャ、何やら孤児院らしき妙な事業をしているのです。ティはワーニャに引き取られたと言う少女達ーフォルフェとユーンーに出会い、特に快活なフォルフェとおしゃべりをすることになりましたが、彼女達も普通の孤児と言う雰囲気ではなく、何となくですが裏がありそう。ちなみに、ワーニャと言う男はアランとも知り合いですが、アランは彼にいい感情を抱いていないようですので、やはりあまりいい仕事をしていない人物なのでしょう。
で、フォルフェとのおしゃべりも終わり、アランの下に帰ることになったティでしたが、部屋の前まで来てさすがに怖くなり、素直に部屋に入れなかったのです。実際、アランが激怒しているのは確実で、もしかするとティはアランに散々油を絞られるのかも知れず、それを思うと、敷居が高くなるのは当然。そうやって部屋の前で悶々としていたティでしたが、すると、アランが自分でドアを開けてくれまして。無論、アランも腹は立っていたのでしょうが、それよりもティが無事に戻ったことの方が嬉しかったらしく、何も文句を言わなかったのです。ティはアランの意外な態度に驚くと同時に感謝しまして。結局、アランの優しさを再確認したような格好になったのですから、まずはめでたしめでたしですね。
第6話 幕間劇ーずぶ濡れの雲雀へ進む
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