さて、ここまでティ編とレーニエ編とに別れて進んできたこの物語も、いよいよ大詰めということで、ここで初めて一つにまとまることになりました。と、言ってもティとレーニエは直接的にも間接的にも全然無関係の間柄ですので、正確には物語が一つにまとまったのではなく、単に皆の進路をまとめて説明しました、と言うだけの話ですね。
それで、まずアランとティの進む道ですが、理由はどうあれマフィアのボスだったルカを射殺してしまった以上、このままフィレンツェでのんびりしているわけには行きません。二人はフィレンツェを出て高飛びすることに決定です。無論、こうなっては恐らくモーリスから連絡を受けることも出来そうになく、つまり殺し屋稼業も事実上廃業と言うわけ。これから先のことが思いやられますが、仕方ありませんね。
そして、次にパレルモ達の方ですが、まずエリチェはユーンを連れて、一緒に故郷へ帰ることになりました。無論、こちらももう闇稼業とはお別れで、これからどうやって暮らすのかわかりませんが、エリチェもユーンも何となく楽しそうですので、何とかなるのでしょう。ちなみに、エリチェはユーンのために、大好きだったタバコをやめるのだとか。ユーンもエリチェのことを実の父親のように慕っておりますので、まあ、何とかなりそうな気はします。
で、次にシエナですが、彼女は元々医者だったのだそうで、医師免許を適当に細工して入手出来れば、医者に戻れるらしいのです。というわけで、彼女はどこかへ行って医者をするつもりのよう。ちなみに、もしパレルモがここで彼女を引き止め、一緒に行こう、と誘っていれば、彼女は間違いなくOKしたはずなのですが、パレルモはそうはせず、彼女と仲良く別れる方を選びました。
こうして、最後に残ったのがパレルモとレーニエですが、パレルモは特に当てもなく、適当にイタリアを放浪してみるつもりのようです。何とも無計画な話ですが、問題なのはレーニエが同行出来るのかどうかと言うこと。パレルモはレーニエが抱えている秘密が何であろうと、構わず彼女を受け入れるつもりのようで、例えレーニエが詐欺師で、パレルモ達の金を狙って芝居をしていた卑劣な人間だったとしても、それを許して受け入れよう、と腹をくくっております。普通ならここまでパレルモが決意している以上、レーニエの側に何の問題も無いはずなのですが・・・・。
ただ、ここでレーニエが抱えていた秘密の正体が判明し、なんと彼女人間ではなく、簡単に言うと天使と呼ばれる存在だったのだとか。この辺り、最近のギャルゲーじゃ使い古されてしまった手法で、今見ると逆に白けてしまうしかない話ですが、この作品が発売された当初は、この設定も新鮮で
「なに!レーニエは天使だったのか?これは驚いた・・・」
と、感心してくれるユーザーも居たのでしょう。
それで、レーニエの打ち明け話を聞いたパレルモは、さすがに絶句しておりましたが、この男も尋常な男ではなく、レーニエが人間でなくても受け入れてくれたのです。こうして、レーニエはパレルモと一緒に行くこと決定。もう何の問題もありませんね。
もっとも、ここでまだ一つ大きな問題が残っておりました。言うまでも無くフランチェスカをどうするかと言うことですが、実を言うと彼女もこれ以上レーニエを追いかけているわけにはいかなかったのです。と言うのも、彼女の相棒セスですが、この男、実はとっくの昔に死んでいるゾンビ人間でして。今はフランチェスカのおかげでかりそめの命を与えられているに過ぎず、それがレーニエを見つけられたことでお役御免になり、処分しなくてはならなくなったのだとか。つまり、もうレーニエを追おうにもセスの協力は得られず、元々世間知らずの天使に過ぎないフランチェスカ単独で、何も出来ることは無かったのでした。
ただ、セスの処分もちょっと一悶着あって、彼は何とアランを呼び出し、自分を撃たせることに。何を隠そうセスはアランのかつての親友で、二人は同じ孤児院で育った仲で、闇の世界に足を踏み入れたのも、ほぼ同時期。ただ、当初は二人別々な組織に所属していたのですが、そんな中、セスの妹キリエ(恐らくはアランと互いに憎からず思う仲だった模様)が、チンピラどもに誘拐されまして。連中はセスを脅迫して組織の秘密を聞き出そうとし、セスはキリエを救うため、それに屈してしまったのです。ちなみに、アランは事態が手遅れになってから気づいたようですが、彼とセスとがようやくキリエの監禁されている場所を突き止めた時、彼女はチンピラ連中に暴行され、廃人と化していたのでした。
こうして、セスは事実上妹を失うことになったのですが、この後が大問題。犯人のチンピラどもはセスが皆殺しにしたものの、組織の秘密を漏らしたセスは、当然死の制裁を受けることになってしまったのです。逃げようにも植物人間と化したキリエを抱えていては到底不可能。観念したセスは、親友のアランの手で送られることを選び、そして、セスの意を汲んだアランは、彼を撃ったのです。ちなみに、アランが本格的に殺し屋としての道を進み始めたきっかけは、この事件だったようで、彼が黙々と機械のようにターゲットを始末するのは、この時に人間性のうちの何かが欠落してしまったからかも知れません。
というわけで、セスはあの時アランが撃ってくれたのだから、今度もまたアランに撃ってもらおう、と考え、彼を教会へ呼び出すことに。誰か知らんがよりによってセスの名を騙るとはふてえ野郎だ、事と次第によっては生かして帰さん!と怒っていたアランは、出て来たのが本物のセスだったせいで、さすがに唖然としておりましたが、アランもパレルモ同様並みの男ではなく、セスの話を素直に信じたのでした。
それで、アランはフランチェスカの手で始末されるのは嫌だと言うセスを、改めてもう一度、あの世へ送ってやることに。ちなみに、セスもただで二度死んだわけではなく、彼はフランチェスカに協力する代わり、いまだに植物状態のキリエ(ちなみに病院代を払っていたのはアラン)を完全に回復させるよう、フランチェスカに約束させていたのです。つまり協力の報酬と言うわけですが、フランチェスカもこの約束はきちんと守ってくれたようですので、まあ、セスも思い残すことは無かったでしょう。
そして、セスを送ってやった後、教会に現われたのがフランチェスカです。彼女、どうやらレーニエからはっきり拒絶されてしまったらしく、今またセスも失うことになって、これで完全に独りぼっち。そうなってもフランチェスカはいつものクールな態度を崩さず、自分には悲しみなんて理解出来ません、と無表情に言っておりましたが、アランはそんなフランチェスカが瞳からこぼしている涙に気づきまして。この子もまた、何のかんの言いながら、非情になれなかった、そういう意味ではアランやパレルモと同類の人間(?)ですな。
まあ、何にせよ、これで問題は全て解決です。後は皆がそれぞれの道を進むだけですね。
第22話 グッバイ・イエスタディへ進む
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