さて、今度はレーニエの番。と言っても今回も彼女の出番はほとんど無く、それどころかパレルモの出番さえ、ろくに無かったのです。では誰の出番が多かったのか?この第16話に直接つながる第14話で負傷したエリチェでした。
というわけで、今回はエリチェがワーニャの屋敷で介抱されるところから話が始まったのですが、彼は第14話で足を負傷しており、傷が治るまで十分に動けません。無論、ワーニャに頼んでパレルモ達に連絡をとってもらい、迎えに来てもらえば何も問題は無いのですが、エリチェは彼らの足手まといになることを好まなかったのか、当分の間ここで養生することに決めました。
それで、そんなエリチェの看護を担当することになったのが、ユーンです。エリチェは彼女とすでに面識があり、その点自己紹介の必要が無かったのですが、このユーン、何だかとても無口でいつもおどおどしておりまして。エリチェとも最初はなかなか打ち解けてくれなかったのです。ただ、エリチェ自身が無口な人間であるため、かえってユーンにとっては安心だったらしく、何日かすると結構普通に話してくれるようになり、部屋にあった本の話題とかで、少しは仲良くなることも出来たのでした。
そして、ある日の晩。偶然温室でユーンに会ったエリチェは、彼女がいずれワーニャの手でどこかへ養女に出されることを嫌っていることを知り、柄にもなく優しくしてやって、随分彼女に感謝されることに。この日の出来事がエリチェに対するユーンの感情を大きく変化させたらしく、この子、なんだかエリチェを好きになったような態度をとり始めたのですから、大笑いです。エリチェも今更こんな歳の女の子と好いた惚れたの関係になるような年齢ではないはずですが、彼も別にユーンを拒絶はせず、それどころかバイオリンが得意な彼女に合わせてハーモニカを吹いたりして、何だかすっかりそういうムードになってしまったのですから、何とも意外な話ですね。
まあ、もしかするとエリチェにはロリコン趣味でもあったのかも知れませんが、いずれにせよこの二人の関係、いつまでも続けられるようなものではなく、と言うのも、ユーンに養女の口が決まってしまったのです。こうなると、嫌でも二人はお別れですが、ユーンの方はエリチェと離れたくないらしく、どうも素直に養女に行くような雰囲気ではなさそう。そこへ持ってきて、エリチェがこの屋敷に居ることが、どこからか警察へ漏れてしまったのですから、一大事。エリチェはもうここには居られなくなってしまい、まだ治りきっていない足をひきずって、逃げ出すことになったのでした。
そして、このエリチェの逃亡が、ユーンの決意を固めたらしく、彼女、自分も一緒になって屋敷を逃げ出すことに決めたのです。本来ならエリチェにとって迷惑極まりない話のはずですが、彼はユーンの同行を拒絶せず、それどころか彼女の案内で脱出ルートを確保する始末。全く闇の世界で生きるハードボイルドな男が、娘とまでは言わないにせよ、それに近いくらいの年齢の女の子と手を取り合って、逃げ出したのですからねぇ。ちょっと笑える構図と言えなくもないですな。
第18話 現実に眠る姫君たちへ進む
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