さて、今度はティの番。今回はモーリスではなく、シュガーがアランに仕事の依頼を持って来るところから始まりましたが、その仕事の内容が、なかなか傑作なもので、なんと宝探しだったのです。なんでもシュガーが懇意にしている古道具屋が、その昔フィレンツェに住んでいたある人が書いた日記を見つけ、それにフィレンツェの地下水道に、価値のある芸術品やら何やらを隠したと記されていたのだとか。問題の日記を買い取ったシュガーはもうやる気満々で、今にも地下水道へ潜って行きそうだったのですが、あいにく彼には宝探しに是非必要な爆弾を作る技術がありませんで。そうした技能を持つアランに、助っ人を頼もうと言う話になったのでした。

 というわけで、妙な仕事を持ってこられて不機嫌極まる顔をしたアランでしたが、シュガーのみならずティまで話に興味を示したため、結局、仕事を引き受けることに。全く持って困った話ですが、さらに困ったことに仕事に必要な材料を揃えるために街へ出たところ、雨に降られてしまったのです。おかげでアランもティもびしょ濡れで、全くついてない時には、次々と不運な出来事が起こりますな。

 そして、この雨が妙な影響をもたらすことになり、翌日、シュガーと一緒に日記に書かれた目印を利用して地下水道を調べ始めたアランは、まだいくらも調べないうちから、それを中止せざるを得なくなったのです。それと言うのも、一緒に来ていたティが、熱を出してしまったためで、どうも昨日の雨のせいで風邪をひいてしまった模様。こうなるともう宝探しどころではなく、アランは申し訳なさそうなティを背負って、家へ帰ることになったのでした。

 こうして、せっかくの宝探しもすぐに終わってしまいましたが、ただ、この短い調査だけでも、日記の内容がまるっきり出鱈目で、そこに記されているような地下水道の分岐など存在しないことが確認出来たのです。つまり、日記は誰かのでっちあげである可能性が高く、無論、宝の夢もパー。シュガーは諦めきれない様子でしたが、こんな胡散臭い話を信用する方が間違ってるとしか言いようがないですね。

 と、思っていたアランでしたが、家に帰ってティの看病をするついでに日記の内容を再検討し、地下水道の目印の位置が、その時代と今とでは違っていたことに気づきまして。自分たちが見当外れの場所を探していたことを知って、苦笑する羽目になりました。つまり、まだ宝の夢は消えたわけではないのですが、その辺りはもうアランの知ったことではないかも知れません。


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