勉強はいまいち、運動はそこそこというのが、一般的な姿であるギャルゲーの主人公達ですが、彼らの特殊技能はどうでしょう?人間、勉強や運動が駄目でも、何かしら人に抜きん出た特技を持っていれば、それを使って多くの人に注目されることも可能なわけですし、そんな所から女の子にモテるということも有り得る話なのですから。
というわけで、主人公の特技ですが、これはもう論じるまでもないという感じで、実は人に抜きん出た特技を持った主人公というのは、ほとんどおりません。無論、何らかの敵と戦う類のギャルゲーですと、主人公が魔術や超能力の類を得意にしていたりするのですが、それはここではちょっと別な話。あくまで一般の男が身につけることが可能な技術で、ギャルゲーの主人公が、人の耳目を集めるほどの才能を発揮するケースは、ほとんど見られないのです。
もちろん、これはその種の才能を持つ主人公が、皆無という意味ではありません。「彩のラブソング」や「Lの季節」(幻想界)の主人公は、バンドを組んで活躍してましたし、「続初恋物語」の主人公は、美術の才能があって、それをクラスで発揮したりしてました。中には「季節を抱きしめて」の主人公のように、でまかせ占いが得意で、タウン雑誌に自分の占いコーナーを設け、で、多くのファン(?)を獲得していたという、とんでもない奴もおりますし、「ふりむけば隣に」の主人公のように、妙な物を発明するのが得意技だと言う楽しい奴も存在します。
ただ、こういった人に注目されるだけの特技を身につけた主人公というのは、極めて稀なケースです。ほとんどの主人公は、これといった特技は持たず、無論、特別な才能を発揮して、ヒロインから賞賛されることもありません。この点に関しては、彼らはごくごく平凡な人間でしかないようですね。
これはちょっと面白い話で、実は彼らの相手役となるヒロインになりますと、何らかの特技を持った子というのは、何の特技も持たない子よりも多いくらいなのです。無論、単に料理が上手だという程度の特技しか持たない子もいますが、様々な分野で、学校で一番、場合によっては、それこそ全国レベルの技術を持つヒロインというのも珍しくなく、当然、その相手役を務める主人公にも、何らかの才能を持たせてやった方が、釣り合いがとれて良さそう。それなのに、何故彼らに特技は無いのか?これは恐らくゲームというメディアの本質に関わる問題でしょう。
今更、言うまでもない話ですが、ギャルゲーの主人公は、他のメディアの主人公と違って、ひとつの作品で、タイプの異なる何人ものヒロインと恋物語を紡いでいかなくてはなりません。そうである以上、下手に特技という名の個性を持たせてしまうと、それがかえってストーリーの足枷になる危険性が出て来るのです。相手が大人しい文学少女なら、主人公も詩や小説を書く才能があった方が、話がうまく進みそうですが、反面、元気なスポーツ少女が相手では、そんな惰弱な趣味を持つ主人公は、かえって嫌われてしまいそう。それをフォローしながら、ストーリーを組み立てることは、なかなか厄介なものですし、それくらいなら主人公にこれと言った特技を持たせない方が、どんなタイプのヒロインにも適応出来て便利ですよね。
結局、ギャルゲーの主人公の一番の特技は、女の子にやたらとモテるということでしょうか(笑)。何とも羨ましい才能ですが、こればかりは、一般の男には真似の出来ないものでしょう。
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