食材市場 vol.1
トム・ヤム
タイ料理
香草への挑戦
 昨年のある晩の話。いつもながらというところで、トップリ日も暮れて風が冷たく感じてきても目当てのレコードや雑貨探しを続けていたのですが、飲食店街に差し掛かったあたりでギヴアップ。スイッチが切り替わって、食べ物屋を探すことにしました。いつも街に出かける際には、食事には困らないように、駅を下りたら食事店を押さえておこうと考えているのですが、結果的には、こういうケースにハマルことが多々。
 そのとき同行していた、もう一人の欠食児童?が、食欲をそそる匂いのするギョウザのようなものがいいと言ったのですが、僕も同感。その時の二人には、「洗練」という言葉はまったくもって反感の対象でしかありませんでした。戦後の日本人のようにただ豊かさを強く求め、互いを叱咤激励しつつ、欲求を満たす店を探しながら街をあるきつづけていたのでした。
 吉祥寺の東急百貨店を西に2〜300メートルほど入ったところに、僕等が最終的に落ち着いたお店がありました。そこが「トム・ヤム」です。お店は見るからに東南アジア系の料理店という感じの構えで、1階と2階とに席があります。彼の国の「いかにも」という民芸品が少なめで、店の作りが割とシンプルな点から、その国の人ではなく、日本人が営んでいるんだろうなあというのが想像がつき、そして、イケルなと直感しました。実は、そのことが僕がタイ料理を考える上で重要なことで、料理の味付け、特に香草に関係してくるのです。
 タイ料理には香草がつきものですが、僕はそれが苦手なのです。タイ料理を小学生のときにはじめて食べた感想は、辛さより香草がだめで、極端な言い方をすれば、香草のみを食べさせられたと言う印象があるだけと言った感じでした。これがあのトムヤムクンどうだった?て言われても、強烈な草の香りで正直にスープの味に対して、ウマイともマズイとも言えませんでした。そこのタイ人は香草が美味しいんだって言ってたけれど、僕は「こんなのだったらもう食べんワ!」と。でも、ある友人に言わせれば、日本人コックは日本人に合わせて、それほど香草をむやみに使わないとのことで、行くならばそういった店に行こうと決めていて、それ以来は失敗することはありませんでした。
 今回も、予測通りに味は問題なし。それどころか、今までの中で一番美味しいタイ料理でした。お酒も色々あるし、おなかを満たすおかずもあり、極めつけに、食後のココナッツのアイスで天国へ・・・、「〇\♂∇∂§∋(言葉になりません)」。とにかく、メニューが多いので、グループで行ったほうが楽しいかもしれませんね。それにいんちき臭くなく、飾り気の少ない店内の雰囲気を特に男性は気に入るかもしれません。僕のようにガツガツ食べに行ってください。
 また、このあたりには食事店のほか、気の置けない雑貨屋、服屋、そしてレコード屋が散らばっているので、散策エリアとしては絶好です。
トム・ヤム
武蔵野市吉祥寺本町
吉祥寺駅北口から徒歩10分
お店に贈りたい1枚
Ravi Harris&The ProphetsPath
「Path Of The Blazing Sarong」
 想像力がないので、エスニックなものというと何故かラーガモノを連想してしまいます(失礼)。でも店の雰囲気にぴったりじゃあないでしょうか、この12インチは。いいですよ。