食材市場vol.5
ササキ
コーヒーとケーキ
薫り高いおいしいコーヒー
抜群においしいケーキ
ちょっとしたいい雰囲気

 何気なく入った喫茶店がとてもおいしいコーヒーを出してくれると、とても感激してしまいますよね。おまけにコーヒーだけではなくて、ケーキもおいしかったら本を読みながら長居もできてしまいます。
 僕が知っているそんな喫茶店の一つが、宮城県の栗駒山が望める静かな街にあります。その街には所用があって訪れたのですが、疲れてしまったのでコーヒー飲みながら少し休もうかなって思い、見つけたのが「ササキ」でした。
 とても入りやすいお店で、席に落ち着いてコーヒーをオーダーして「週刊朝日」を読んでいると、豆を挽く音が響いてきていい香りがふわっと漂ってきました。へえーっと思いながら週刊誌に目を落としていたら、コーヒーがやってきました。久しぶりにおいしいなぁと思えるいい香りのする感激の一杯でした。それには結構驚いて店内を見まわしてみると、冷蔵ショーケースにケーキが並んでいて、前まで行ってみると、抹茶、ショコラ、くるみ、そして各種フルーツのケーキがあって、値段もなんと200円ちょっとで、ビックリ。明日はケーキも食べようと誓い、次の日も、その次の日も、その街にいるあいだずっと「ササキ」に通って、コーヒーとケーキを食べつづけました。
 ケーキの中では、抹茶とくるみのものがとても気に入りました。抹茶は「あん」のなかに抹茶の味付けがしてあってケーキ生地の中のクリームは小倉風味で、べとべとした感じがなく、スッスと口に運べてしまいます。くるみのものは実を砕くとこうばしさがひろがり、爽やかな風味になり癖になるような味でした。

 もう、言うことはないですね、お店の雰囲気はとてもやわらかで、東京のオシャレで少し気が張ってしまうようなお店とはちがって心から落ち着きます。カップやお皿、置かれている花がさされている瓶のセレクトには一見目立たないのですが気配りが効いていて、その主張のあんばいも絶妙。
 コーヒー飲んで一人で本を読んだり、ぼうっとするのが好きなのですが、ここでも、好みの木のテーブルと椅子に掛けて、長居してました。基本的においしいコーヒーがあり、放っておいてもらえて、ちょっと気配りのされた空間が用意されていることが僕にとって喫茶店での最上級のもてなし。
 何日も通いつめ、コーヒーを飲み続けているうちに、お店の方とお話する機会を得たのですが、京都や海外についての興味深い会話が楽しい思いとともにふくらんでいきました。なるほどこの方の手だったら、いつもいい香りのするコーヒーやおいしいケーキは納得できるなあと。
 
 色々なところに住んでいたこともあって、様々な喫茶店に入っていますが、ここのようにおいしいコーヒーにケーキ、落ち着くお店の雰囲気ってそうそうないと思います。若柳町の「ササキ」では東海林さだおの『あれも食いたい これも食いたい』が、いつもよりずっと気分良く読めました。

ケーキとランチのお店「ササキ」
宮城県若柳町
東北自動車道「金成・若柳」I..Cより10分
コーヒーと抹茶のケーキ
お店に贈りたい1枚
Milt Jackson「Jazz'N'Samba」
 ご存知MJQのリーダーのボサノヴァ多めの、落ち着ける喫茶店を彷彿とさせるような寛いだアルバム。刻まれるボサノヴァのリズムは店内の雰囲気、リリアン・クラーク、ジョー・E・ロスのヴォーカルはケーキのような甘さ、ミルト・ジャクスンのヴァイブは少し背筋の張るようなコーヒーの香りと言ったところでしょうか。