平和園
ラーメン、ワンタン、煮もつ
山梨県 塩山市
〜気安い楽しみ〜
  
 名刹、恵林寺のある街、山梨は塩山市。その周辺には、ぶどう園が集まっていて、となりにはワインで有名な勝沼があり、中央線の特急でいけば都内からは1時間半、車だと中央高速で2時間くらいのところにある結構小さい街です。
 塩山の人には失礼ですが、はっきりいって、こんな街には僕はまったく縁もゆかりもなく、武田家の菩提寺と、中里介山の『大菩薩峠』のその峠のあるところというぐらいの活字からえた認識しかありませんでした。
 
 ですが、あるときを境に、「平和園」というお店が塩山の名物として僕に強烈に認識されたのです。
 ぼくの父が知人の法要で恵林寺にいった際に、なにか食べようということで入ったのがJR塩山駅から程近くにある平和園だったのです。
 なにげなく頼んだラーメンが期待を裏切る美味しさだったとのことを、八ヶ岳のソバ屋を食べた後にその話をきいて塩山まで駆けていきました。
 それ以後、自宅⇒八ヶ岳⇒塩山⇒自宅 がお決まりのコースになっちゃいましたけど。
 
 ちなみに、静岡から八ヶ岳までいって、それから塩山までいくなんてそうとう遠回りで、それが食い物のためなんですから、普通の人からはあきれられるだろうなぁ、と思いますが、食い物にまったくとりつかれちゃって、前後不覚状態なのですから、当事者はまったく面倒なこととは思えないのです。
 まさに麻薬のようなんですが、一枚のソバと一杯のラーメン、そして自分とをつないだライン。格好つけて、麻薬の有名産地からちなんで、「食のゴールデン・トライアングル・コース」、なんちゃって。
 
 いつも八ヶ岳のほうにいくときには、朝、5時におきて早めに出発するのですが、朝に弱い僕が、起きるやめようかなって思っても、ソバと高原の爽やかさに加え、平和園のことを想像すれば、サクッと起きられます。
 
 それで、平和園なんですけど、端的にいって、ラーメンにワンタン、加えて煮もつがウリ。
 ラーメンは少しちぢれた麺に、とりがらベースの結構あっさりとしたスープからなる、具が少なめのベーシックな一品。
 ワンタンは具がミッッチリと言うわけではないのですが、形がくずれず、スープとのワンタンの味のバランスがいいです。お店が看板としているだけあってなかなかのもの。ワンタン・ラーメンなんてのも、普段は頼まないのですが、あっさりスープでサラッと食べられるラーメンとワンタンが組み合わさった平和園のものは抵抗なく頼めてしまいます。すこしボリュームがほしくてチャーシュー麺を食べるかんじでここのワンタン・ラーメン。
 それに、是非とも注文して欲しいのが煮もつ。もつには目がなくて、メニューにあるといつも頼んで食べ比べているのですが、ここのもつは僕が食べた中でいちばんのもの。
 もつ自体は、と〜っても肉付きがよくもっちりとしていて、味付けはミソではなく、しょうゆとしょうがでクセがなく食べ飽きません。最高です!! 
 きくところによると、山梨県ではソバ屋とか普通の食堂なんかでも煮もつが出されて、よくもつが食べられているようなので、山梨で食事をするときに注文してみたらいい煮もつが食べれるかもしれません。
 開口健氏が日本の、特に新宿のガード脇の飲み屋のもつは世界に誇れる食べ物だとのたまっていているのですが、自分も好きで新宿のもつもいろいろ食べましたが、絶対に平和園のもつのほうが上だと思うのだけどなあ。
 
 とにかく、平和園はいい。
 気だるい日曜のお昼くらいに、所在無くぼうっとしていて、そろそろ昼飯だなァ、伸びをしながらという、あそこ行こか。サンダルはいてお店に向かい、ビール飲みながらもつを口に運びながら、ラーメンを待つ。
 あそこに行くと気安い楽しさがある。

 
平和園
JR塩山駅より徒歩5分
中央高速 勝沼I.C.、国道20号より車で20分
JR塩山駅への道路標識に従う
車は塩山市役所か塩山駅ロータリーに駐車可。
お店に贈りたい1枚
Livingston Taylor「3-Way Mirror」
 ご存知ジェイムス・テイラーの御舎弟の「リヴ」の70年代後半のウエストコーストAOR的な作品、プロデューサーはロジャ・ニコのアレンジャ-をつとめた、ニック・デカロ。
 かたひじ張らず、メロディーも割とはっきりしていてとっつきやすく、夏休みの青空のような爽快ささえかんじられます。
 どんなに忙しくても、カッコつけても、無理しても、リラックスしにここに帰っていくんだろうな。
 地味といえど、温もりがあって気がゆるめられる抗しがたい魅力がある作品。