東京都
 自醸の蔵元数は少ないが、ここ数年の間に各蔵元共相当に品質の底上げを図ってきた感がある。カップ酒も結構豊富で嬉しい。

喜正
 以前から東京の隠れ銘酒の誉れ高かった、五日市(現あきる野市)の地酒。相変わらず地元以外ではそんなに売られていないようだ。
 2003年頃までは佳撰の普通酒に糖類添加されていたと思われるが、ついに無糖加となったという情報を(2ちゃんねるで)得、2005年1月に現地で購入した佳撰カップである(203円)。
 ところが、買った後でラベルをよく見てビックリ、原材料表示に「糖類」とあるのである(画像左下に注目)。しかし、フタの原材料表示には糖類の文字はない。一升壜や四合壜の佳撰も無糖加表示なので、たぶんカップ酒は糖添時代の古いラベルを使い回しているのだろう。このような現象は全国のカップ酒で見られる。個人的には好ましいこととは思わないけれど、小蔵元の場合ラベルの刷り直しや字消しだけでも結構な手間なのだろうから、あまり厳しく問うことはできないだろう。
 さて、まず冷やで一口。ちょっと雑味を感じる。そこで燗をつけてみたら、非常にキリっとした味になった。どちらかというと辛く利けるようだ。ちなみに上撰カップもあるようで(私が行った店には当日は置いてなかった)こちらは本醸造。
 「喜正」のお酒は全般に地味なラベルのものが多いが、ことカップ酒に関しては非常に素敵な色使いがみられる。






多満自慢 本格辛口
 石川酒造(株)の「多満自慢」といえば東京都の酒では「澤乃井」と並ぶメジャーな存在、ことに「無糖加酒」は普通酒の極め付きの名品である。近年まで「八重梅」ブランドによる三増ブレンド酒を出していたため拙ギャラリーでの紹介を躊躇っていたのだが、このほどついに三増廃止に踏み切ったそうで(そのため伝統ある銘柄の「八重梅」も生産終了したようだが・・・)。遅れ馳せながら当頁で紹介させていただくことにした。といっても、中身が「無糖加酒」と同一と思われる通常のカップ酒は避けて(レビューは「地酒の真実」を参考にしてください)カップ酒のもう一つの柱、「本格辛口」を飲んでみることにした。こちらも値段は200円(自販機価格)、結構どこでも買える。
 僕は旨口の「無糖加酒」の大ファンだからそれと比べてしまうと好みという点では若干劣るが、200円の辛口の普通酒という括りでとらえると、やはりこれは相当の名品だ。最初口に含んだ印象はむしろ甘味に近いものを舌に覚えるのだが飲み進むにつれて辛さを感じるあたりはさながら「インデアンカレー」のようだ(って前にもそんなことどこかで書いた記憶があるな)。しかし後口がとてもきれいなのでいくらでも飲めそう。常温で充分旨いが燗つけてもよさそうだ。



とうきょう地酒 本醸造からくち
 元来「鳳桜」がオリジナルブランドの、狛江市の地酒。最近は「桜子」銘の吟醸酒で有名である。
 かつて狛江の蔵元は何度か見に行ったことがあったのだが、そこから徒歩約1分のところにある酒屋まで足を伸ばしたことがなかったため、そこで売られる「とうきょう地酒」のカップ酒の存在にはまったく気付かなかった。今回(2002年10月)初めて発見した次第。カップ酒自販機も現役稼動しているが免許証読み取り式。もちろん店内でも売っている。
 ここのカップ酒は2種類、230円のものと200円のものがある。200円のやつも本醸造なので230円のやつは純米かなと思って買ってみたらこちらも本醸造だった。この「からくち本醸造」の4合瓶のやつが680円なのにカップ酒が230円というのは値段的に釣り合わないと疑問に思い続けてきたのだが、理由がわかった。4合瓶のほうはアルコール分14〜15度と薄め、こちらは通常の15〜16度だった。つまり、確認はしてないが200円のカップ酒が4合680円のやつと対応しているのだろう。
 さて、その14〜15度のやつと飲み比べてみたが、やはりこっちの方が旨い。もっとも辛いのがちょっと浮き出すぎで、苦味に感じるのが若干難である。温度によって味わいもかなり変化しそう。
※2004年夏、蔵元の建物は解体され、跡地にはマンション建設中。ホームページはまだ残っているので廃業の意思はないようだが、別の場所での再起を図るのか委託醸造にするのかは不明。



  

陣馬山
 東京都でおそらく最もレアな蔵元、(有)中島酒造場のカップ酒。ここは「日出山」「高尾山」「陣馬山」の山シリーズの銘柄で(ごく一部で)知られているのだが、なにせ扱ってる店が極端に少ない。僕は今のところ3軒しか知らない。ただし蔵元のホームページで直販しているが。
 さて、このカップは西東京バス・陣馬高原下バス停前の売店でゲットしたのだが、出ました、値段は観光地価格の300円(蔵元公式価格は200円)。カップ酒に関してはここから陣馬街道をてくてく45分ほど下った、橋場という地区にある酒屋にも置いてあり、ここはたぶん正価で買えます。どちらで買うのがお薦めかはあえて書きませんが。なお、三増酒は出していない。たぶん。
 カップのデザインもHP同様シンプルでよろしい。ただし、シンプルすぎて製造年月がどこにも書かれてないが難だが。
 で、味なのだけど、飛び上がるほど旨いというわけではないけれど変な雑味がないから安心して飲める。出荷したてのものなら結構いいんじゃないか。










千代鶴
 秋川市(現あきるの市)の地酒として、地元では圧倒的なシェアを誇る。とにかく秋川ではどこの酒屋にもこの「鶴」の自販機が設置されているし、スーパーの酒売場にもいろんな銘柄が揃っている。しかし一歩地元を離れると(中央線沿線ではそこそこみかけるが)まだまだ無名。こういうスタンスこそ地酒の真にあるべき姿といえる。
 そもそもこの蔵元、高級酒よりも普通酒造りに力を入れているような印象を受ける。無論三増酒なんぞ出していない(たぶん)。その普通酒、意識的に辛口にしたものも出しているけれどメイン銘柄は四段仕込でやや甘口の「鶴」。これはそのカップ酒版で、デザインはインパクト十分である。210円。
 冷やで飲んでも決してべたべたした甘さではないが、ここはやはり上燗で飲むのがいいかな。おでんでもつまみながらカップのまま燗つけて飲むには最適の酒。あ、いうまでもないけど燗つけるときはフタは取ってね。
 




澤乃井
 恐らく東京の酒の中で最も全国に出回っているブランドだろう。神奈川あたりだとあまりにメジャーすぎてつい手を出すのをためらってしまう、んだが良くないことだよな。
 しかしカップ酒となるとさすがに地元(青梅市)まで行かないと手に入らない。これは青梅駅前(初めて降りたがなんか寂れてるなあ)のコンビニでゲットした。佳撰(税抜き194円)。
 以前はコンビニで地酒チェックをするなんて考えもしなかったんだが、山形県内のコンビニで「ひとりよがり」が何気なく売られているのを発見したあたりから考えが変わった。それでもこの間までは酒屋から転業したコンビニ=i店名を見ると大体判別できる)専門にチェックしていたのだが、そうでないコンビニでもあるところにはあることがわかったので(ただし地域による温度差あり)最近は酒ありコンビニを見つけたらとりあえず飛び込んでみることにしている。で、このカップ酒を売っていた駅前コンビニもその例である。
 さて、「澤乃井」といえば「大辛口」がおなじみだが、この佳撰カップも見事な端麗辛口に仕上げてある。好みの別れるところとは思うが(個人的にはも少し味がある方がいいかな)しっかりした造りであることは間違いない。
※上撰カップはJR拝島駅1番線ホームのキオスク等で発見されている。







御神火
 ちょっと毛色の変わったところで、伊豆大島の島酒≠。伊豆諸島には全部で10ほどの蔵元があってそれぞれ個性的な地焼酎を造っている。ここ大島では谷口酒造という蔵元が麦・芋の焼酎を出している。余談だが谷口酒造、ごく最近製造場を移転したようで、かつて『大嶋醸造』なる蔵元があった場所に住所を移している。このあたりいかなる事情があったかは不明だが。

蔵元への案内標示。矢印の下、
紙が貼ってある
下には試飲
できます≠ニ書いてあるのだが・・・。

 さて、ここで紹介するのは焼酎ゆえガラス入りというわけにはいかず、1合ペット容器入りの商品(麦)である。シンプルではあるがなかなか素敵なデザイン。20度で210円だった。
 ここの麦焼酎はかつて3年古酒を飲んだことがあって、それもちょっと個性的な味で結構旨かったが、この20度のやつはその度数ゆえかきれいな仕上がりでそれはそれで旨い。僕は麦焼酎飲むときの常としてオンザロックスで飲んだが、そのまま冷蔵庫で冷やしてストレートで飲ってもいいかもしれない。が、すくなくともあのプラスチックのお猪口で飲みたいとは思わないなあ。



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