丹沢山
―(資)川西屋酒造店―


■幻の酒というけれど・・・
 今や神奈川産日本酒の大エースに成長した「丹沢山」。そこまでに至るには蔵元の努力も無論あったろうけれど、県内に大手のメーカーが存在しないこと、それに蔵元所在地である山北の地が近辺に観光資源を備えている(それに比べ「いづみ橋」などは正直苦しい)などのラッキーな要素があったことも事実だろう。とはいえ蔵元は至って真摯、地元酒販店からの信頼も高いし、全国的に蔵元のファンは多いようである。
 山北という町は面積は広いが人口密度は低いので、酒屋もまさに散在するという感じで決して数は多くない。それでも町内の半数近い酒屋には「丹沢山」が置いてあるみたい。むろん大吟醸などよりも本醸造・純米酒あたりがメインである。小田原あたりでもぼちぼち見かけるし、もちろん県内の名だたる地酒専門店では御用達銘柄である。「隆」というブランドが高級商品なようだが、残念ながらまだ飲んだことがない。いずれにせよ、地元を大切にしているあたりは真の地酒といってよく、時に語られる幻の酒≠ニいうイメージは実体を伴わないといってよい。まあ幻といえるのは旧来の銘柄「報徳娘」か。現在でも地元ではひっそりと出回っている模様だがいまだお目にかかれず。「丹沢山」は完全糖類無添加だが「報徳娘」は若干怪しい。

■飲んでみました
 もう5年近く前に大吟醸「丹沢の華」を買って飲んだ。当時の価格税抜3000円(現在は3300円)。現在はYK35規格のようだが当時のスペックは不明。あの頃の自分の舌には合わなかったようで、メモには雑味多し≠ニ書かれてある。。

丹沢山 吟醸造り純米酒
 以前から成城石井にはこの商品が置いてある。きちんと冷やして売られているのでおすすめである。4合1390円。店によって価格に差があるようだ。なお吟醸造り≠ニあるが別に純米吟醸酒は存在するので、値段からしても特別純米酒くらいに考えた方がよいだろう。
 1999年10月の記録には最初苦味が気になるが、途中で心地よくなる≠ニあった。このたび1年半ぶりに買って飲んでみたのだが、苦味についてはあまり感じられなかった。とりあえず冷やでも燗でも美味しくいただけるが、本当に旨さを感じられる温度帯は冷蔵庫から取り出して1時間ほどたったあたりか。甘味がぐっと乗る





















手造り丹沢山 特別本醸造り
 上の純米酒もそうなんだが、ちょっと表現方法がまどろっこしいのよね。「特別本醸造」でいいと思うのだが。
 先に「松美酉」を紹介した山北のお隣の松田町にこの商品を自販機で売ってる酒屋がある。売れ行き絶好調≠ニのことだ。1050円。
 さて、「丹沢山」各アイテムに共通していえるのはフレッシュな香り、でありながら味にコクがあること。したがって僕個人としては燗をつけて飲むのが好きである。燗をつけると香りが殺されてしまうのは事実なのだが。
 この商品にも同様なことがいえる。ただしコストパフォーマンスという点ではどうか。1000円を切る普通の*{醸造でも同レベルの酒は探せばあるからなあ。この蔵元のちょっとしたウィークポイントは商品単価が若干お高いことか。



















■洒水の滝
 お高いといえば『カップ酒ギャラリー』でも紹介した「丹沢山」のカップ酒は高いぞ。普通酒でありながら350円もする。まあ観光地価格なんだけどね。
 そのカップ酒が売られている現在確認されている唯一の場所がこの洒水(しゃすい)の滝。山北町には他にもいくつか観光ポイントがあるが、丹沢湖はダム湖ゆえあまり感動しないし中川温泉は退屈だし玄倉川は名前を聞くだけでも2年前の惨事が思い出され憂鬱になる。やはり山北を代表する観光スポットは洒水の滝で決まり、ということにしよう。
 御殿場線山北駅から内山行きのバスに乗り平山で下車。そこからゆっくり歩いて滝まで15分程度。比較的アップダウンが少ないので老若男女気楽に行ける。その気になれば駅から歩けないこともない。もともと山北といえば戦前御殿場線が東海道本線だった頃は機関車付け替えの基地だった駅で、住民の大半は鉄道関係者だったそうである。駅前商店街などはいまも当時の名残をちょっとだけ感じる。桜の季節には桜のトンネルを電車がくぐる感じになるため、鉄ちゃん絶好の撮影ポイントになる。







特別企画
―めざせソリマチ― カップ酒マニア、丹沢山頂で「丹沢山」を飲む!

 ソリマチは凄いよな。キリマンジャロの山頂でキリマンジャロコーヒーを飲んじゃうんだもんな。菜々子もウットリだよな。
 とあれば、常日頃大磯町国府新宿のソリマチ≠フ異名をとる(範囲がやけに狭いな)僕としては黙って指をくわえてるわけにはいかない。ここに挑戦状を叩きつけることにする。テーマは丹沢山頂で「丹沢山」を飲む!=B
 作戦決行日は5月19日。天気はなんとかもちそうだ・・・。

まずは「丹沢山」の調達。
小田原駅前の土産物屋にレアな商品が置いてあるのさ。
ところが左のまると、右のますや、どっちだったか忘れてしまった・・・。
マス付とっくり清酒。珍しや普通酒だぞ。
270ml入り1100円(税抜)。
化粧箱がレトロでいい感じ。

店のおっさん曰く『川西屋さんでこれ卸してくれるの、小田原ではウチだけですからね』
その時はふむふむと聞いていたのだが・・・。
10分後、その発言が誤りだと知った。
小田原駅小田急線ホーム売店にて。
矢印のところを見よ。売ってるじゃん。
駅なので税込1150円。5円安いじゃん。
小田急線で渋沢へ。
実はマニア、15年ここに住んでたのよ。
最近駅前大改装で立派なロータリーができてしまった。
では、丹沢登山基地である大倉へバスでGO!
バス車内を小学生が占拠。
この赤い帽子、かつてマニアもかぶってたんだよなあ。
つまり母校。

バスは大倉に到着。
久しぶりに訪れたが、すっかり小奇麗になってしまった。
バスロータリーは広々として快適だし、こんな立派な吊り橋が。
さて、ここから丹沢山をめざす・・・わけだ。
改めて地図を広げて丹沢山頂までの道のりを確認する。
大倉(1時間)一本松(30分)堀山(1時間05分)花立(5分)金冷シ(20分)塔ノ岳(1時間)丹沢山
え?4時間近くかかるの?これじゃ日帰りできないじゃん。泊まり仕度してないよ〜。
(それ以前に登山の装備をしてないという噂もあるが)
それに『めちゃイケ』の録画予約してこなかったし(苦しい言い訳)・・・。
うーん、ここで自分の意志を貫き通して山頂行を強行するのも男といえるが、
涙をこらえて勇気ある撤退をするのもまた男といえるぞ(意味不明)。
そこで・・・急遽企画変更。
カップ酒マニア、丹沢山への道標のところで「丹沢山」を飲む!
マニアのバックに背後霊のように控える『丹沢山』の道標、見えますよね?
うーん、なんだかサギめいていて申し訳ないが、酔っ払っちゃえば忘れるだろう・・・。
さっき歩いた吊り橋をバックにすっかりいい気分。

大空に群れなす鳥たちよイヒヒ君の声を見失うイヒヒなよイヒヒ・・・

ソリマチへの道のりは果てしなく遠い。







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