冬の夜長に読むべき酒本紹介

 もう暦の上でも冬になってしまって完全に季節外れとなってしまったが、冬の夜長に是非読んで欲しい酒の本を2冊紹介します。

『酒・戦後・青春』麻井宇介著 TaKaRa酒生活文化研究所
 著者は大黒葡萄酒(現・メルシャン)でウイスキー・ワイン造りに携わってきた人だが、戦後の日本の酒造業界が経験した激動が克明に綴られている。粗悪な酒が出回った終戦直後(バクダン・カストリってやつですね)酒を飲む側も造る側も命懸けだったことがよくわかる。それに比べ、僕たちはなんて幸せな毎日を送っていることだろう。
 そして、本書を読むと何故三増酒が生まれたかが理解できる。あの当時は絶対的に必要なものだったのである。それが現在まで生き長らえていることの是非は置いといて。
 戦後の酒造史、それも日本酒・焼酎・ウイスキー・ワインと各種のそれが一挙にわかる酒飲み必読の書です。

『ニッポン酒紀行―酔っぱライター日本全国飲み倒れの旅』江口まゆみ著 ジャストシステム
 これまで拙サイトで江口さんのことあんまりいい書き方をしてこなかったのだが、この本を読んで目からウロコが落ちた思い。そもそも彼女、アジアや南米で民族の酒(真の意味での地酒)を飲み歩いてきた人だけに、最近の『DIME』の連載のようなアゴアシつき(推測)の酒蔵訪問では真価が発揮しきれないのだろう。しかし、その『DIME』と並行して、かのジャストシステムのユーザー誌などというマイナーな場所でこんな面白い企画をやっていたとは。まあでもこれで日の目をみてよかったよかった。
 本書では日本で造られるあらゆる種類の酒―「ホッピー」や「デンキブラン」「陶々酒」さらには「ホイス」などといったほとんど誰も知らないようなものまでカバーしているのが偉い。そしてもう一つの売りが、江口さんが実際に酒造りをちょっとだけ手伝っていること。酒が出来上がるまでの工程はどの本でもイラストとかで紹介しているが、こうして実際に写真入りで解説してされていると理解しやすいってもんだ。
 今回は酔っぱライター≠フ面目躍如の1冊であった。この方僕と同年代で学生時代の酒遍歴なんかはほんと共通しているだけに妙に親近感が湧く。今後もがんばってね。

 どちらの本も今なら大きな書店で容易に入手可能。せいぜい読んでけれ。





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