3デシ(300ml)壜入り日本酒の可能性について
(2009.4.1のブログと同内容です)
ふと思い立ち、自分がこれまで呑んできた3デシ壜入り日本酒についてデータをまとめてみた。実際にはもっともっと多くのブランドを日本中で呑んできたけれど、既にデータが消失しているものも多く、とりあえず拙サイト開設(2000年)以降にサイトやブログ内で言及し、なおかつ画像が残っているもののみを対象とした。また、今後呑む機会を持つアイテムについても随時追加して行くつもりである。
3デシ日本酒の現状というと、スーパーやコンビニで売られているナショナルブランドや地方中堅メーカーの商品が中心。特定名称的には本醸造、純米、アル添吟醸、純米吟醸あたり、そしてやたらと生貯蔵酒が多い。通常商品よりもアルコール度数を下げている商品も多数みられる。
実際に地方のスーパーなどを丹念に調べてみると、その地域でしかみかけないような小蔵元の、それも結構マニアックなスペックの商品を目にする機会は結構ある。しかし、やはり上に述べたようなスペック的傾向は全国的にみられると思われ、それが3デシ日本酒がやや魅力に欠けると思わせる要因になっているのではなかろうか。
このあたりの短所を改善し、さらに販売戦略を練り直すことによって、3デシ商品がキラーアイテムになり得る可能性が秘めているのではないかというのが、業界事情にまったく疎い私の勝手な思い込みである。
3デシ壜は、なにより小回りが利く。陳列に場所を取らないから、日本酒の管理がぞんざいであるのがデフォであるスーパーマーケットであっても最低限、開放式冷蔵庫で売られているケースがほとんどである。遮光ガラスを採用している商品が少ないのは残念だが、とにかく温度面については完全とはいわないものの常温放置よりははるかにマシであろう。
観光地の土産物店などでは、3デシ日本酒が地ビールやソフトドリンクのペットボトル等と並んで小型冷蔵庫に収まっている場面もしばしば見られる。これもまたコンパクトなサイズゆえ可能なことである。
もうひとつ、3デシ日本酒が活躍する場、それは料飲店である。ことに日本酒に関する知識が浅い店、料理がメインと考えていて酒については本気で揃えるつもりのない店にとって、“とりあえず”日本酒を置いておくには3デシサイズが便利であるに違いない。逆に蔵元の立場からすると、チェーンの飲食店で自分のところの酒を採用してもらえれば、結構な数を捌けることになるはずだ(苦境が伝えられるファミリーレストラン業界だが、例えばすかいらーく系のファミレスでは「白鷹」の3デシ生貯蔵酒がメニューにあり、同じく扱われている新潟の大手メーカーの3デシアイテムなどと呑み比べると明らかに旨いと思ったりするものだ)。
以上のように、3デシサイズの日本酒には、1升壜や4合壜には不可能な用途で市場に食い込める可能性がまだまだあるのではないか。もっともそのためには、現行よりももうワンランク、スペックを上げるべきかなとも思う。純米吟醸、純米酒をラインナップの中心に据え、(きちんと管理してもらえることが条件になるが)生貯ではなく生生にする、など。とにかく“安かろう悪かろう”ではなく、美味しいとしっかり感じてもらえることが肝要である。たまたま旅先で出会い美味しかった3デシサイズのお酒の銘柄を覚えてもらい、後日ネットショップなどでレギュラーサイズの商品を注文して可能性だってあるに違いない。
美少年酒造の不祥事発覚により、日本酒業界全体に向けられる消費者の目は今後たいへん厳しいものとなるにちがいない。この苦境に立ち向かうためには、とにかく様々な可能性を模索すべきであろう。3デシ壜入りの酒も、その可能性のひとつになれるのでないか。僭越ながら提言させていただいた次第である。(2009.4.1)