埼玉県
俗に1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)などというが、全国新酒鑑評会の結果などをみる限りでは埼玉県の蔵元の実力が頭ひとつ抜けているのかな、とも感じる。
金賞蔵のなかに全国的にはほとんど無名のところがあるのも魅力である。
魁雪
越生町、(有)佐藤酒造店のカップ酒。
ここのメイン銘柄は「越生梅林」で、同社のホームページを見ても紹介されているのは同銘柄のみで、「魁雪」は過去の銘柄的な言及をされている。実際町内の酒屋を覗いた限りでは「魁雪」銘のものはこのカップ酒しか発見できなかった。
これ前面だけ見るとほとんど某ワンカップにしか見えない。どうやら売る側でも勘違いする人がいるようで、私これ町内のコンビニ(酒屋からの転業)で買ったのだが、地元の酒「越生梅林」「来陽」の各アイテムをきっちり揃えているので感心して眺めていたら、床掃除をしていた店員のおばちゃんが話しかけてきた。「越生のお酒は『越生梅林』と『来陽』ね」まぁもちろんこちらはとうに知っているわけだが、とにかく何か言葉返さないといけないと思い、“越生の地酒”とプライスカードに書かれていたカップ酒を指差し「これも越生の?」と訊いたら、「え?あ、ほんとだ」ということで、紛らわしいデザインのカップ酒は要注意である(それが狙いだったりする可能性もあるが)。
ちなみにカップを後から見ると“奥武蔵の田舎酒”というキャッチフレーズが書かれている。あと“(有)佐藤酒造中田屋本家”と、社名+屋号が併記されている。そういえば秩父の「武甲正宗」の武甲酒造も「柳田総本家」と屋号が併記されていたっけ。
値段は223円、特定名称表示はない。普通酒か本醸造なのか迷うところだが、蔵元HPの商品紹介で無糖普通酒(辛口)の1升入り1801円というのがあるので、これと同等商品なのではと推測する。
前置きが長くなった。飲む。淡麗でなく、かといって濃醇というわけもなく、中口という表現があったかどうか覚えてないがまさにそんな感じ。ちょっとした肴をお供にやるのがよろしいか。
天覧山
銘酒の誉れ高き飯能市の五十嵐酒造、「天覧山」のカップ酒は、以前より探していた。しかしなかなか発見する機会がなく、もしやカップ酒造っていないのか?とも思っていたのだが。
数年前、東飯能駅に突如まるひろデパートができて、なかなかしっかりした品揃えの酒売場には当然地元の「天覧山」の各アイテムが揃ったもののカップ酒の存在は確認できず、その後しばらくチェックする機会がなかった。
先日(2004年7月)久々に東飯能まるひろを覗いてみた。ところがなんと、独立していた酒売場が食品売場の一部に組み込まれていた。こういうケースで全国的に散見されるように、ここでも酒の管理状態は大幅に後退、日本酒の冷蔵商品がごく少数になってしまったのと同時に、かつて扱っていた「琵琶のさヾ浪」なども姿を消してしまった。
そのこと自体は極めて残念なのだが、知らぬ間に「天覧山」のカップ酒を置くようになったのは喜ばしい。
特定名称表示はされていないので、おそらく普通酒であろう。元々「天覧山」の普通酒って蔵元HPでは紹介されていないし、店頭で見かけることもほとんどないような気がするのだが、あまり真剣にチェックしたわけではないのでよくわからない。180mlで外税194円(まるひろのレシートはいまだ外税表示)。
さて、これ、旨いです。結構辛いんだけど後口がキリっと締まって、実に飲みやすい。基本的に酒だけでぐいぐいやるのに適していると思われる。
しかし、実に不思議なのだが、カップ酒のキャップを開けたときのあの独特のモワ〜とした臭い、どうにかならないですかね(同クラスの酒を壜からコップに注いでもそういう臭いはしない)。あれが多くの人をカップ酒から遠ざける原因の一つになっていると思うのだが。
(慶長)花カップ
秩父郡吉田町、和久井酒造のお酒。メイン銘柄は「慶長」だが、カップ酒にはどこにも書かれていないので、ここでは括弧書きで記すにとどめる。
私は残念ながら当地を訪ねたことがないのだが(これは秩父鉄道秩父駅併設の「秩父地場産センター 物産館」で購入、200円)秩父市内での市場状況など見る限り、「秩父錦」「武甲」の超強力2社の間に食い込んで健闘しているな、と感じる。
実は私が秩父駅の物産館を訪ねたのは2度目なのだが、前回(2年前だったか)来た時はこのカップ酒は置いてなかったと思う。蔵元の公式サイトを見る限り全量特定名称酒で出しているようなので、これも本醸造だと思われる。ちなみに「秩父錦」「武甲」の2強も本醸造酒を1升瓶で1680円という結構お値打ちな価格で出しているのだが、カップ酒を含め「金印」は未だ糖類添加である。
さて、“天然自然毘沙門水仕込み”飲んでみることとしよう。蔵元のサイトで紹介されている本醸造酒の酸度が1.6、ちょっと濃醇な味を想像したほうがよいか。燗つけるのもいいかもしれない・・・。
しかし結局、私は燗もつけることなく(飲んだ日が暑かったこともあるが)あっさり1本飲み干していた。
つまり、とても旨かったということである。
酸度が高めだからであろう、最初の一口にはちょっと引っかかりを感じたけれどやがて心地よい味わいへと転じた。喉越しもとても良い。きっと燗つけてもとても旨いはずだが常温でも大いに結構、ラベルも図柄も含め行楽のお供にぴったりである。
晴雲
和紙と忠七飯で有名な小川町の酒。町内の酒屋の自販機で購入(これもたしか200円)ちなみに小川町駅から徒歩3分くらいのところに少し大きめのスーパーがあるのだが、ここのテナント酒屋では「晴雲」の各アイテムを良く揃えている(ただし冷蔵保管とかはしてなさそう)。
雑味が少なく、とてもきれいな味である。スイスイとのどをとおる一方、ちょっと物足りなさを感じる人もいるかも知れない。そんな人には缶入り生酒「しぼりたて」をどうぞ。「ふなぐち菊水」とかの好きな人には絶対おすすめ。池袋東武で買えます。
直実
埼玉県最小の蔵元、30年古酒でおなじみの「直実」だが、一応熊谷市内ではそこそこメジャーな蔵元である。佳撰クラスでも三増は出してないのは偉い。
味について。うーん、ちょっと雑味が目立つが、後口がいいので結構飲める。これ昨年(1999)11月の出荷で、コンビニの店内で3か月置かれたと推測されるので、その間多少味落ちがあったに違いない。出荷したてのものを飲んでみたいなあ。
鏡山※2000年9月廃業
小江戸、川越の酒。そのものズバリ「小江戸」という本醸造カップもあるが、まだ飲んだことありません。
川越にまるひろというデパートがある。幼少の頃まるひろはTVCFなど流していて、昔からデパート好きだったマニアにとってはあこがれの存在だった。
もともと川越には親戚がいたので多分1、2度はまるひろにも行ったことがあったが、先日約25年ぶりに行ってまいりました。どこのデパートも今は苦戦しているので、ここも大賑わいとはいかないようだが、地下の酒売場は結構充実していて、鏡山の各アイテムや川越の地ビールなどもよく揃っていた。ここで紹介のカップ酒は置いてなかったが。
これはまるひろのある繁華街の通りからちょっと脇にそれた酒屋の自販機で発見(200円だったかな)。味についてはまあ平均的で、感動するものもない代わりに悪いところもない。しかし何より特筆すべきはデザインのセンスの良さ。カップ本体に刷り込まれた緑と白のコントラストの素晴らしさキャップの『冷やでよし、燗でよし』のコピーも素敵である。
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