奈良県
初めて奈良県内で意識的にカップ酒を探したのが1998年12月、この時はまったく成果を得られなかった。これは現在でも状況的にそんなに変わっていないと思うのだけれど、奈良県は普通酒の販路が蔵元周辺に限られているケースが多く、さらにカップ酒となるとナショナルブランドの天下、それにスーパーやコンビニで積極的に地元のカップ酒を扱う風土がない、といった理由によるものだと思う。
とりあえず4年後の2002年12月に2銘柄を見つけたが、全体的にはカップ酒停滞県といっていいだろう。
豊祝 貴仙寿吉兆
1999年、京都駅八条口にあるコンビニで発見。奈良豊澤酒造の純米吟醸カップ酒(たしか280円くらい)。
奈良豊澤酒造といえば「豊祝」でちょっと知られた蔵元、前年奈良市内を歩き回ったときも蔵元の前まで行ったけれど、周囲でカップ酒など売っている様子は全然なかったなあ。
この「貴仙樹吉兆」、松崎晴男氏もお墨付きの高CP酒。期待して飲んでみたのだが、これが期待以上の代物だった。
純米吟醸というのは『純米』の要素と『吟醸』の要素のバランスが難しく、このバランスが崩れると単にゴテゴテしただけのものになってしまうものだが、これは純米らしい優しい香りに吟醸らしいすっきりした喉越し。大ヒットです。純吟のカップ酒というのも出荷後の管理面など難しい部分があるだろうが、よその蔵元も是非出してもらいたい。旨ければ売れると思うよ。
ちなみに「豊祝」銘は伏見にもあり、奈良県の蔵元とは親戚筋だそうな。そのへんの理由から京都で売られているんだろか。
豊祝 上撰
その、奈良豊澤酒造のレギュラー酒。近鉄奈良駅改札外の売店で売ってた。4年前に来た時は全然気付かなかったのだが、ラベルの地味さゆえ見落としたのかもしれない。税込み240円というのは駅売り価格だろう。
さて、運良く出荷直後のものをゲットできたのだが、それにしてもこれは、旨い。普通酒によく感じられる雑味が全然ない。冷やでもいいし燗をつけても美味しくいただける。おすすめ。
柳生 カップ・ヤギュウ
近鉄奈良駅を地上に上がって奈良公園に向かう道路沿い(駅からはすぐ)に、柿の葉寿司の老舗「平宗」の売店がある。この売店ではアルコール類も売られていて、おなじみワンカップ大関の他に「柳生」と大書された、明らかに地酒とわかるカップ酒もある。当然こちらをチョイスして柿の葉寿司と共に買い求めた。寒い冬の日だったから冷蔵庫だけでなく加温器の中でも売られていて、僕がいつものように冷えてるのを選んだために売店のおばちゃんには怪訝な顔をされたが、加温カップ酒は味が全然変わってしまうケースが多いから手出し無用である。値段は税抜き230円。これも駅弁屋価格だろう。
製造蔵元は予想通り、「柳生錦」や「春の坂道」で知られる柳生醸造合名会社。「春の坂道」て一昔前は東京でもよく聞く銘柄だったけど、最近あまり耳にしないなあ。もっとも来年(2003年)のNHK大河ドラマが「武蔵」で、柳生の里も舞台になるようで地元でもPRに力を入れてるようだ。再度中央進攻があるかもしれない。
カップにもキャップにも特定名称表示がされていないが、アルコール分14〜15度とあるのをみると、普通酒の佳撰クラスなのではないだろうか(あくまで推測)。
このアルコール分の低さが災いしているようで、冷やで飲むと雑味が感じられてあまり良くない。ところが、燗をつけてみると雑味が引っ込んで美味しくいただけるのである。これだから日本酒は面白い。
どうせ燗つけるのなら最初から加温器で売られてるやつを買えば・・・とは、思わない。
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