長野県
 この2,3年かなり足繁く県内に足を踏み入れる機会があり、ずいぶんカップ酒も集まってきた(その土地土地でちゃんと地元のカップ酒を売ってるから)。そしてわかったこと。1.糖類添加率は他県に比べ低い 2.全国的には無名ながら旨いカップ酒、多数あり。

本菊泉
 長野県佐久地方には数多くの蔵元があり、JR佐久平駅の「佐久プラザ」やスーパーマーケットなどでもごく当たり前に手に入った。しかしそんな中でも入手容易な銘柄・あまり見かけない銘柄の差はあるわけで、とりわけ蕎麦焼酎「峠」でもお馴染みの超老舗・橘倉酒造のカップなどは、これまで不思議と見かける機会がなかった。しかし、灯台下暗し。神奈川県秦野市・下大槻団地にある酒屋の自販機で「本菊泉」カップが売られていた。ちなみに自販機のハコは伏見の「日出盛」のもの、その「日出盛」の上撰カップと並んで「本菊泉」(200円)がディスプレイされていたわけで、うっかりすると見落としてしまいそうだ。売られ方の状況から考えて、昨今のブーム以前からこの店では扱っていたのだろう。
 さて、アルコール14〜15°。少し独特のクセを感じた。あるいは燗をつけるといい感じに化けるかもしれない。濃い味付けの料理に合いそうだ。(2005.12.18記)








北アルプス
 新穂高ロープウェイの新穂高温泉のりばの売店で売られていた。こののりば自体は岐阜県に位置するわけだが、北アルプスへの玄関口ということでここで売られているのであろう。
 なお、ここからロープウェイで上に上がると、もう売店ではカップ酒を買えない(鍋平高原〔しらかば平〕はゆったりするには好適な場所だがカップ酒売られていない、西穂高口では食堂に置いてある〔400円〕が厨房に無造作に置かれているので危険・・・)ので、眺めのいいところでカップ酒飲みたければここで調達して行くべし。もっとも西穂高口周辺にはベンチがあるわけでなし、(景観や環境に配慮してのことなのだろうが)一般観光客がのんびり過ごすためのハードが不足していると思う。
 それはさておき上述の売店ではこの「北アルプス」のほか飛騨高山の「深山菊」のカップ酒が売られている。どちらも350円、まあ観光地価格としては妥当なところだろう。
 さてこのカップ酒の蔵元は福源酒造、どこかで聞いたことあると思ったらかつて「dancyu」誌の日本酒特集で社長の娘さんが紹介されていたので覚えていた(拙サイトの「酒の話」でも触れてる)。活発に営業されているようで、喜ばしいことである。
 では、飲んでみましょう。おっと、かすかに吟醸香がするな。味も綺麗でなかなかいける。飲み込んだ後の残り口にやや引っかかるのが若干気になるが、普通酒としては上出来だと思う。(2004.5.30記)



真澄
 「真澄」の歴史は近代日本酒の歴史そのものである。だからたとえ紙カップ酒でも大事に大事に飲まねばとは思うのだが・・・。

 飲んでみてうーん、いまひとつ。ここの特定名称酒は文句なしに旨いんだけどね。カップ酒に限らず普通酒は県内の小さな蔵元と比べると、ちょっと厳しいかも。(2003.10.19記)










舞姫
 諏訪市内の酒屋で必ず見かける地元酒の3点セットが「真澄」「麗人」とこの「舞姫」。最近は「真澄」を超える評価を受けつつある。
 カップ酒はヘルシー指向のようで(?)アルコール分が下げてある。マニアにはこれが減点材料。実際飲んでみてコクが薄いと感じた。
 ただ、カップのデザインは抜群に素晴らしい。草書で『舞』と書かれているのもかっちょいいし、意味不明な音符・唇・猫のイラストの目盛(全然目盛の約目をなさない)もいい。飲んだ後空き容器を持ち帰りたくなるカップ酒である。(2003.10.19記)











大雪渓
 新橋駅前ビルの中に長野県酒販組合の直営酒店があるのは最近知った。そういえば、ちょうどこのあたりに「ダイヤ菊」の蔵元直営居酒屋があったと記憶しているが、今もあるの?
 それはさておき、その酒屋の前に古めかしくていい感じの自販機が。売っていたのは「大雪渓」と「大信州」。いかにも信州、って感じのネーミングでいいですね。
 マニアがこれをゲットしたのが4月中旬であったのだが、取出し口から手にしたカップが微妙にべとついている気がした。これって寒い間は温めて売られていたんじゃないだろうか?加温カップ酒は間違いなく味が落ちるので手出しNGだからな。少し不安を感じながら、数日冷蔵庫で寝かせて(それで味が良くなるかは不明)少し冷やした状態で飲む。
 最初口に含んだ瞬間かなりの雑味が。ああやっぱり加温して売られていたのかとがっかりしたが、2口目からは雑味も感じなくなった。そういう性格の酒なのか、単にマニアの舌の性能がその程度のものなのかは目下のところ不明。(2003.10.19記)






喜久水 パーソナルカップ
 伊那地方では圧倒的なシェアを誇るカップ。静岡県でもよく見かける。
 2001年に飲んだときの感想としては、ちょっと雑味多いかな。常温でも燗でもやや引っかかりを感じた。長期間常温下に置かれて変質したのかもしれない。(2006.6.25修正)

 











七笑
 長野県というところは面積が広くて蔵元の数も多いため、ある銘柄の販路は必然的に地元周辺に限定される傾向が強い。しかし、もちろん例外はあって「真澄」とこの「七笑」のカップ酒だけは県内どこへ行っても目にするようである。特に松本市あたりでは、他に地元の蔵元がたくさんあるにもかかわらず木曽福島の「七笑」はしっかり市場に食い込んでいて、松本駅構内の駅弁屋にはガラス入りカップ酒(ちなみにキオスクには「真澄」のカップ酒が)、スーパー・コンビニには180mlなり200mlなりの紙カップ酒が・・・と、どこへ行っても目にする。
 僕が買ったのは200ml入りの方で、アルコール分14〜15度で195円(税抜)。出荷月は購入月と同じで、かなり新鮮な一品のはずなのだが・・・。
 ちょっと、あれだな。濃い味付けの食べ物と一緒に飲むと比較的しっくりくるが、酒だけで飲むにはどうにもしんどい。どうも造りに丁寧さを欠いているような気がしてならない。熱燗にでもするとまた違った印象になるのかもしれないが。
 ↑で紹介した「真澄」しかり「喜久水」しかり、大仕込蔵の普通酒はどれもちょっといまいち感が。(2003.10.19記)








神渡 レッツカップ
 諏訪湖畔の岡谷市にはこの「神渡」と「高天」、2つの蔵元がしのぎをけずっている。「真澄」をはじめとした有名蔵が群雄割拠している諏訪地域でやって行くのは結構大変と思うが、少なくとも岡谷ではしっかりと根をおろして地元に浸透している。
 こちら「神渡」については、1升壜のレギュラークラスに掛札を付けていて、『杜氏からひとこと 当社の製品は全品糖類無添加です』のようなことが書かれている。カッコイイ。
 カップ酒についてもアルコール分を下げたりしていない。値段は税抜き194円だったと思うので、全国的レベルでいえば上撰クラスと考えていいだろう。
 で、これが旨いのである。どう言ったらいいのか、とにかく普通に旨い。自己主張するところがあまりないのだが、するすると喉を通って行く感じ。少し冷やすとなおいいかも。(2001.9.2記)

 

 

本醸造「こっくんカップ」もゲット。こってり系(なんじゃそりゃ)本醸造。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




高天
 岡谷のもう一つの蔵元「高天」、全国的には無名だが僕はたまたま5年前に純米吟醸を土産でもらって飲んだことがあった。余談だが当時はようやく飲んだ酒の記録を残し始めていたものの、まだ全国のカップ酒を集めようなど考えてもいなかった。5年前の「高天」については『冷やだと香り・味共今一つ 常温に近いと甘味が引き立つ』と、いっぱしのコメントが残っていた。
 さて、ここも糖類添加はしていない。まあライバル「神渡」が全品無糖加を打ち出している以上、あまり下司な真似はできないだろう。値段もアルコール分も「神渡」と一緒、紙カップ特有の、飲むときに剥がすアルミのシールのデザインも全く一緒。恐らくカップの製作は同じ業者がやっているのだろう。
 そして、面白いことに味まで「神渡」に極めて近いのである。地味だけど旨い。(2001.9.2記)

 

 







御園竹
 2002年8月、佐久地方へ遠征。なかなか成果の挙がった旅になった。
 まず旧中山道・茂田井宿に蔵を構える武重本家酒造の「御園竹」から。この蔵というのが尋常じゃなく、酒蔵・母屋等30件の建物が国の重要文化財に指定されている超名門である(酒造り自体は明治元年から始めたとのこと)。それだけでなく、酒造りに対して蔵元が確固たるポリシーを持っているのが素晴らしい。同社のHPはとにかくよくできているので是非ご覧いただきたい。
 カップ酒には山廃を4割混和した普通酒の「御園竹」と100%生もと仕込の「牧水」(かの飲兵衛歌人・若山牧水もここの酒をお気に召した由)、あとアルコール分を下げた「宿場カップ」というのもあるらしい。
 僕蔵元を訪ねるつもりが勘違いしてひとつ手前の望月宿でバスを降りてしまった。おかげで重文を見損なってしまったが望月の酒屋の自販機に「御園竹」(210円)「牧水」(220円)それぞれのカップが売られているのを発見。本来なら造りが違うのだから両方買えばいいのに、この日は他にも購入予定があったため「御園竹」だけゲット、で後で後悔。
 さて、とはいっても山廃4割混和の「御園竹」である。もちろん燗つける(蔵元もHP内でぬる燗を推奨してる)。うん、旨い。こんなレギュラー酒を始終飲める地元の人は幸せである。(2002.9.7記)



牧水 本醸造生もと仕込
 2年前買い逃した「牧水」カップがやはり気になり、いつか買いに行かねばと思っていたのだ。ところが先日蔵元のホームページを見ていたら、「終売しました」の文字が。ショック。どうやら商品体系に見直しが行われたようで、現在は「牧水」銘で120mlミニグラスのカップ酒が売られているようである。しかしやはり、伝統ある一合入りのカップ酒がほしい。今ならまだ置いている店があるのでは・・・ということで、望月まですっ飛んでった次第である。
 まず、2年前はたしかに「牧水」カップを置いていた酒屋の自販機に直行。ところが、自販機は今でも稼動していたものの、なぜか武重本家の商品はすべてなくなっていた(代わりに「初鶯」カップがあった)。次に国道沿いにあるコンビニへ。長野県は大抵のコンビニで地酒を扱っているから。しかしさすがに鮮度重視のコンビニのこと、↑の「御園竹カップ」と↓「宿場カップ」はあったが「牧水カップ」はなし。
 半分あきらめつつも国道をはさんだ向かいにある西友望月店を覗いてみる。そしたら、なんと、あったのですよ!
 酒にはかなり色がついており、1年以上前に造られた品であることを物語っている。しかしそんなことはどうでもいい。酒屋にもない酒がスーパーにある。これだから地酒探しは楽しいのであります。
 もうかなり常温下に置かれた商品だから、そんなに期待はしなかった。もちろん燗をつけて飲むが、まず常温で一口。うん、生もとの重みと若干の老ねで、やはりこのまま飲むのは少ししんどい。
 しかし、さすがというか、燗をつけるとしっかりと化けるのですね。旨味がしっかり前面に出てくる。もちろん味の濃い食べ物、癖のある食べ物とぴったり合う。鮎うるかとの相性はばっちりだった。(2004.7.18記)
※一度終売したはずの上記生もとカップ、2005年より販売再開した。カップ酒ブームさまさまですな。(2006.6.25追記)



御園竹 宿場カップ
 御園竹ファミリーからもうひとつ、紙カップの「宿場」をご紹介。アルコール度数を下げた、お手軽価格(185円)の普通酒である。
 正直なところ、↑2つのレベルが高すぎるから比較するのは酷である。もちろん同価格帯の他社のカップ酒と較べれば(特に、当ページ上のほうで紹介している大手メーカーの紙カップとの比較においては)十分に旨い。
 やはり、蔵元の個性なのか、常温より燗がいいと思う。(2004.7.18記)













寒竹
 伝統ならこちらも負けてない。蔵元の(名)戸塚酒造店、創業承応二年(って西暦何年?)だそうだ。ラベルにも堂々『品質一筋に300余年』と書かれている。三増もとうの昔に全廃したらしい。
 ところでどこかの酒屋サイトにここのことを日本一小さな蔵元≠ニ紹介しているが、日本一小さい蔵元ってなぜか日本中に存在するから注意が必要である。
 ま、それはそうとここのカップ酒は新幹線停車駅・佐久平駅に併設された地場物産店「佐久プラザ」で買える。税抜き210円、がアルコール分14〜15度。ちょっと心配。
 しかし、その心配は杞憂に終わった。ちょっと濃醇めにしているので上手く薄さをカバーしている。これなら美味しくいただけます。(2002.9.7記)





寒竹 しぼりたて新酒
 山梨県笛吹市のセブン‐イレブンで発見した、↑のしぼりたて新酒(本醸造生原酒・アルコール分19〜20°)。セブン‐イレブンの企画商品のようで、フタに←と同じシールが貼られたアイテムがもうひとつ、「神渡」のしぼりたてカップも売っていた(他に買いたいものがあったので泣く泣く購入見送り)。値段は290円だったかと思うが、日本一小さい≠自称する蔵元の、しぼりたてカップが手に入るとは。いい時代になったものだ。
 ところで、あくまで私見なのだが、コンビニで売られるカップ酒に関してはスーパーや街の酒屋のそれよりも、たとえ常温販売であってもコンディションが良好な気がする。ご承知のとおりコンビニは商品の鮮度管理にシビアで、弁当類など賞味期限を過ぎたものはレジのPOSで弾かれて販売できないようになっている。で、私があちこち覗いてみた感じでは、コンビニにおいてはあまり壜詰年月の古いカップは棚に並んでないように思うわけである(対照的に、ブームにのっかってあちこちのカップを仕入れたものの売れ残って酒にすっかり色がついてしまっているスーパーが案外ある)。私の思い過ごしかもしれないが。
 さて、いかにもしぼりたてらしく、濃くて甘い。ただしこの商品についてはフィニッシュが重過ぎる感も。ラベルに記された出荷年月は昨年12月、カップ酒的には十分OKな鮮度だとは思うがそこは生酒、もしかしたら若干の変質があったのかもしれぬ。入荷したてのものを飲めばもっと旨いにちがいない。
 なお、当然のことながら、原酒ゆえ1本でかなり酔う。外で飲む際は足をとられぬよう要注意。



初鶯 ウグイスカップ
 こちらも佐久平駅の物産店で買える、というかそこ、カップ酒を5種類くらい揃えていて偉いことこのうえない。
 さて、こちらも「寒竹」と同じく210円、しかも「寒竹」と同じく14〜15度。しかしこの値段で本醸造のようだ。偉い。
 ついでにさて、これも薄いのに旨いぞ。佐久の酒は技術力高いね。(2002.9.7記)













澤乃花
 2004年7月「佐久プラザ」再訪。カップ酒は相変わらず地元のを6〜7アイテム揃え、それとたしか2年前は常温販売だったと記憶しているが現在はカップ酒に関しては冷蔵庫内に置かれている。偉い。
 今回は「澤乃花」を買ってみた。カップにシルクスクリーンで花の絵が刷り込まれている。
 ネット上で紹介されている普通酒のスペックを見る限り、淡麗辛口タイプのようだ。では早速。
 常温ではたしかにコクが弱く味のバランスもいまいちの感。しかし燗つけたらとても旨くなった。(2004.8.1記)












白馬錦
 最近仕事で岡谷に行くことが多く、あそこは「神渡」と「高天」があるので必然的に行けばそればかり飲んでいるのだが、先日岡谷駅からいちばん近いコンビニで大町市の「白馬錦」カップ酒(税抜204円)を発見してビックリ。「白馬錦」の蔵元・薄井商店は糖類無添加を宣言している。
 さて、ホームページの情報から判断するに、このカップ酒版「白馬錦」を一般商品に置き換えると普通酒「白馬正宗」に相当すると思われる。これのスペックがなかなかふるっていて、日本酒度+7、酸度1.1。つまり相当な淡麗辛口といえよう。全般的に旨口を是としてる蔵元らしいのでちょっと特徴的といえる。
 だからだろうか、冷やで飲むとちょっとヒリヒリ感があって今ひとつな気が。それならと燗つけてみたら、うーんなかなかいい感じになった。余計な辛さを飛ばしてくれるようだ。普通酒だし、少し熱めの燗でもいいだろう。(2002.9.14記)
 










福無量
 上田市の地酒。
 蔵元・沓掛酒造は元禄年間創業の老舗でキリンビールの卸も営んでいるそうだが、いずれにせよ中央での認知度がそれほど高いとはいえない。上田市近辺も蔵元がたくさんあるのでたいへんだろうが、市内の一般の酒屋のみならずスーパー・コンビニにいたるまで必ず「福無量」が置かれているのはさすがである。
 ちなみにスーパーやコンビニでは紙カップ(無糖加)が売られているが、今回ゲットした品はガラス入りカップの普通酒、LIVIN上田(旧・西武)の地下酒売り場で購入(税抜き204円)。もちろん無糖加である。
 さて、飲むにあたって改めて出荷年月を見たら…げっ、前年の9月。ちなみに、今は5月。8か月も前の品である。
 こういうケースの場合、飲んだ印象は限りなく芳しくないケースが多い。今回も半分諦めて口にしたのだが…これ、旨いよ。
 酸度が普通酒にしては比較的低め(1.2)であるからか、日が経っても重さを感じさせない。燗をつけるよりは少し冷やしてぐいぐいやるのが良さげである。おすすめ。(2003.5.11記)








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