宮崎県
 2001年現在日本酒を造ってる蔵元は2つ、うち1つはかの大♂_海酒造の「綾錦」。大♂_海の販売力をして県内全域でカップ酒をみかけるが三増。もう1つ、延岡の「千徳」は意外なほど地元に浸透しているが、こちらは残念ながら佳撰クラスにのみ糖類入っている。

 そんなわけでマニア的には焼酎を探すしかないわけだが、県全域を見渡すとカップ焼酎(200mlペット容器のもの)市場は上記雲海酒造の「日向木挽」と霧島酒造のそのものずばり「霧島」それに県北部では神楽酒造の「ひむかのくろうま」「天照」による寡占状態といってよい。あと実際に県内を回って感じたのが、県南部がいも焼酎中心の市場というのはわかっていたが県北もいものシェアが高い(麦なんかはそれほどでもない)ということである。

 ここでは比較的珍しめのカップ焼酎を紹介する(すべていも、度数は宮崎ゆえ20度)。


明月

 えびの市の有名蔵、明石酒造のレギュラー品。

 この商品の特徴は原材料がさつまいも、米こうじ≠ノ加えて米≠ニなっていること。米を加えているということは香り・味をソフトにすることを意図しているのだろうか。

 で実際今回宮崎の4銘柄を飲み比べた中ではこの「明月」がいちばん気に入ってしまった。まあ味わいは万人向けのものかもしれないが、ほっとできる、って感じ。









 

飫肥杉 爽

 その銘のとおり日南地方の蔵元だが、延岡あたりでも結構売られていた。

 この商品の特徴は減圧蒸留によるソフトタイプ≠ノあるらしい。となるとお湯割りよりロックとかの方が飲みやすかったのかもしれない。それはそれとしてキャップを開けて匂いを嗅いだときの、なんともいえぬアルコール臭さ(エステル臭っていうの?)がとても気になった。少なくともいもや米本来の匂いとは違うものである。まあロックとかで飲めばそんなに気にならないのかな。

 

 

 








都の泉

 社名は都乃泉だが銘柄は「都の泉」ちょっとややこしい。川南町というところにある蔵元で、焼酎用さつまいも栽培の県内北限地だそうだ。

 これは香りも控え目、味の自己主張もあまりないが、量飲むにはいいかな、って感じだった。

 

 

 








御幣

 県北部、五ヶ瀬川沿いにある日之影町(とってもいいところ)に蔵を構える姫泉酒造(資)のいも焼酎。「都の泉」の川南町がさつまいも栽培の北限ということは、ここのいも焼酎用のさつまいもは他所から仕入れたものということになるか。まあどうでもいい話だが。ちなみにここのメイン銘柄は麦焼酎の「ほしゃどん」。

 ちなみにこれを購入したのは国道上にある『道の駅 青雲橋』。青雲橋といえば日本一(東洋一だっけ?)の高さを誇る橋で、ここから日之影町の市街へはすさまじい勾配の坂を下ることになるが、それはそれで風情がある。

 この「御幣」の出荷日が8月3日、買ったのが8月12日、ほんとフレッシュな商品であった。だからかどうかは定かではないが、これ香りがほんと素晴らしかった。いも本来の香りである。たしか「村尾」の社長さんが『いも焼酎だけは貯蔵する気にならない』とおっしゃってたが、こういうフレッシュなものに出会うとそれが実感できる。

 ただ、お湯割りにして味が広がったかというと、それほどでもなかった(決して旨くないということではない)。



松の露
 2003年8月、日南市を調査。
 さすがにここまでくると独自の焼酎文化圏が展開されている。とはいえ、蔵元の数がたくさんある割には市場を制圧しているのは↑でも紹介した「飫肥杉」とこの「松の露」の2銘柄にとどめをさすといってよい。僕が当地を訪ねたのがお盆前で、進物用ということか、1升瓶を2本しばってセットで売られている姿をあちこちで見かけた。
 ところでここの蔵元・松の露酒造(名)というと、あの「人夢可酒」を造っている蔵元である。「人夢可酒」といえば、現在の焼酎ブームの黎明期を黒木本店の焼酎群とともに牽引したともいわれる銘柄だが?首都圏ではそんなに騒がれてなかったような気も。今でも普通に定価で買えるし。僕も一度だけ買ったことがあるが、結構しっかりした造りで旨かったと思う。
 しかしまあ、一方で“幻の焼酎”といわれる酒を出している蔵元のレギュラー製品が地元では本当に超定番商品というのも面白いものである(そういえば黒木本店のいも焼酎「たちばな」もお膝元・高鍋では超レギュラー)。
 で、いろんな飲み方試してみたのだが、これ非常に好みである。生で飲んでもロックにしてもしみじみとした甘味とコクを感じる。お湯割りにすると少し甘味が引っ込むが、量飲むにはこちらのほうがいいかも。いずれにしても、さすが「人夢可酒」の蔵元の酒だ。こういう焼酎を日常当たり前に飲める地元の人は幸せである(とはいえ、このコクが苦手な人もひるはずで、そういう人は減圧の「飫肥杉」を愛飲するわけか。理にかなっている)。
 なお、お隣串間市には「松露」というよく似た銘柄ならびに社名の蔵元がある(こちらも評価高い)ので要注意。





かんろ スーパーライト
 日南で「飫肥杉」「松の露」に次ぐシェアを占めていそうな京屋酒造(有)の一品。ここも品質には定評がある蔵元である。
 元々「甘露」が基本銘柄で、それが「かんろ」に変化して、さらに「スーパーライト」なる商品を登場させてという歴史的背景のようだ。
 ちなみに「スーパーライト」というのは度数が20度だからではなく(宮崎ではそれがデフォルト)、副原料に米を用いて(米麹でなく)すっきりした味わいに仕上げている、ということらしい。
 とあればお湯割系よりロック向きかな、とも思ったのだが(蔵元もHP上でロックを推奨してるようだし)、実際飲んでみたらむしろお湯割のほうに魅力を感じた。というか、↑の「松の露」と飲み比べるとどうしてもインパクトという点で負けてしまうので、比較的差がつきにくいお湯割のほうがいいかな、と思っただけで。ロックでの飲みやすさは「かんろ」のほうが優っているので、そういうタイプが好みの人にはこちらのほうがよかろう。
 

 


カップ酒ギャラリーに戻る