桑乃都(くわのみやこ)
―(有)小澤酒造場―

(最終項を除き2002年夏の記述。ついては「月丸」に関する言及と、現状にそぐわない内容も一部ある。最終項は2004年2月記述。)
■PR下手?
 八王子市3つ目の蔵元は、西岡酒造(「月丸」)と甲州街道をはさんだ真向かいにある、小澤酒造場である。ちなみに東京都にもうひとつある小澤姓の造り酒屋(と呼ぶにはちとデカいが)、「澤乃井」でおなじみの小澤酒造の分家筋にあたる。代表銘柄は「桑乃都」。八王子らしくて素敵な名前である。
 さて、ここでちょっと意地悪なデータを。「月丸」「澤乃井」「桑乃都」それぞれについて、検索エンジン(Google)で何件ヒットするか調べてみた(データは2002年7月28日現在)。
月丸=2,710件(よく見ると酒と関係ないページが多数紛れているが)
澤乃井=1,610件
桑乃都=109件
この差はなんなんだぁ。
 銘柄変更後すっかり東京のスターブランドになった「月丸」、老舗の風格の「澤乃井」に比べ、インパクトの弱さは否めないということか。ちなみに、西岡酒造・小澤酒造両社は立派なホームページを作られているが小澤(元巳)酒造場はいまだ未開設。つまり、PRがあまり上手くないということでしょう。
 蛇足だが、ごくごく最近有限会社化したもよう。下記「しぼりたて」の製造者表示のとこ、スタンプで(有)と押してあった。

■地元ならどこでも買える…わけじゃない
 僕は大きな誤解をしていました。「桑乃都」は八王子ならどこにでも置いてある銘柄であると。
 これが案外置いてないんですねえ。よほど「月丸」の方がDS・スーパー・コンビニあまねく売っている。「桑乃都」に関しては部分的に1〜2のアイテムが置いてあるケースは見受けられるが、トータルで買い揃えるのが困難なのであった。今回紹介する2アイテムについても探すのに相当苦労しました(ま、最初からそごうに行っておけばよかったのですが…)
 蔵元に直接確認したわけでないから確言はできないが、「桑乃都」って地元の料飲店や古くから付き合いのある酒屋さんとかにはかなり食いこんでそうではある。逆に「月丸」の方はDS・スーパー・コンビニといった新業態の店への進出に成功して今の位置を築いた、といえなくもない。
 さて「桑乃都」、特定名称比率もかなり高まってきたようだが、佳撰クラスのみ糖類入り。


■飲んでみました

 前項でも触れたが、「桑乃都」のちょっと変わったアイテムを買い求めるならば、100店歩いて探すよりも八王子そごうの地下酒売場に直行するのが賢いと思う。正直ここの酒売場って店員が無駄に多い感じがしてあまり好きではないのだけれど、さすがに酒は面白いものを沢山揃えている。
 
桑乃都 しぼりたて
 7月というのにしぼりたてを発見。出荷年月日を見るとちゃんと7月になっているから店で売れ残ったものではない。蔵元の製造規模から考えるに、冬にしぼった分を夏まで貯蔵しておいたのではないだろうか。アルコール分18〜19度、1,116円(税抜)。本醸造ともなんとも書かれていないから普通酒だろう。隣には1,000円の本醸造生貯蔵酒もありどちらを買うか(一瞬だけ)迷ったが、しぼりたてマニアの私めとしてはやはり避けて通ることはできませんでした。
 さて、何も考えずに、飲む。・・・うーん、旨いなあ。このとろみ、この甘味。しぼりたての醍醐味である。これまで飲んできた「喜久酔」「開運」あたりのしぼりたての逸品と比べても決して遜色ない出来である。
 僕こういう旨いしぼりたてを飲むといつも感じるのだが、日本酒の適正アルコール度って何度なのだろう(市販のって薄過ぎない?ま、まったく逆のこと主張する人も多いけど)それに、地酒業界のなんでも高精白化、なんでも純米化の風潮はいかがなものか、と思わずにいられない。

 

 

 





桑乃都 純米酒
 純米酒は比較的入手しやすい。これはなぜか神奈川県相模原市橋本の京王ストアでゲット。値段は税抜ききっかり1000円。
 が、これ半年前の出荷品だあ。そういえば先日夕焼小焼観光農園の売店で売ってた同社の特別純米酒「八王子城」なんか1年以上前のやつだったし、まあ問屋経由で卸してるなら仕方ないのかもしれないが、も少し出荷後の商品管理にも気を遣われた方が・・・とも思う。
 さて、半年前の商品で味をどうこう言うのもお門違いだと重々承知ではあるが、さすがに老ねてる。でもよく冷やして飲むとそれが適度のコクとなり案外悪くない。逆に言うと、燗はつけるとダメ。ウッという感じ(てどういう感じだよ)。結論。新鮮な(もしくは管理のしっかりした)やつを買おう。











■とりあえず、ラーメン食わせろ!
 どうも最近、八王子系ラーメンというのがブームだそうである。しょう油ベースのスープにたまねぎのみじん切りを散らすのが特徴だそうである。そこはもう、たまねぎヲタの自棄酒マンとしては(単に静岡競輪場のたまねぎのフライが好物なだけ)食わねばなるまい。
 が、暑い。ただでさえ今年の夏は暑いところへ、夏暑くて冬寒い八王子である。とてもじゃないがラーメンどころじゃない。
 しかし、それではいつも八王子駅前で『Ga’G/Maji』のティッシュを配ってくれるおねえちゃんたちに申し訳が立たない。ここは男を奮い立たせ、ラーメン食いに行くとしよう。
 早速情報収集。八王子系ラーメンの有名店はおしなべて郊外にあるのが難点なのだが、昨年あたりに開店した「藍華」という店なら駅から歩けそうだ。暴力ラーメン王ことI神H幸氏も推奨してるし。


 たしかに、歩けた。でも遠かった。すでにこの時点で脳内温度沸点到達。それでも店内は冷房が効いているので生き返る。暑いことだし汁物は辛いということで、つけめんを注文。お、これは旨いぞ。ちゃんとつけ汁にたまねぎのみじん切りが散らしてあるし。しかも麺を食い終わった残りのつけ汁をラーメン用スープのベースで割ってくれるし。大満足。
 もっとも、結局スープを飲み干すと再度脳内温度沸点到達。外出ると死にます。しかし救いの神が。店から徒歩1分のところに、いちょうホールといういわゆる市民ホールがあり、よく冷房が効いている。催事がない日でもロビーは開放されており、飲み物の自販機もあるのでクールダウンには最適。どうぞ。



■蔵元移転?!
 2004年1月、「月丸」の蔵元が福井県に移転したことを拙サイトにて紹介した直後、ある方よりメールをいただいた。そこには驚くべき情報が書かれていた。「桑乃都」の蔵が取り壊され更地になっている、と。
 考えてみたら僕が当ページを書いたときは蔵元周辺の取材をしていない。何度かバスで前を通ったことはあると思うのだが、いずれにしてもまったく気付かなかったことであり、2004年2月、慌てて現地視察を行った次第である。
 八王子駅からバスに乗って「本郷横丁」で下車。交差点を渡ったそこ、「桑乃都」の蔵があるはずの場所、白い囲いがされていて、こんな案内板が貼られていた。

 たしかに右2軒目に仮℃末ア所はあった。しかしあるのは事務所だけ(ささやかだが小売はしている)、そこで造りが行われている気配はまったくない。
 さらに確認すべく、隣のマンション敷地内に侵入(このマンション、「部外者の通り抜け目的の立ち入りお断り」「防犯カメラ設置」「侵入者は警察に突き出すぞ」など、看板がウザイウザイ。入られるのがいやなら通り抜けできないようにすりゃあいいじゃん)。蔵跡地の更地≠横から、さらに裏から撮影した。

ちなみに更地の向こう側、真中へんの
ビルの谷間にある同じく工事中の建物、
西岡酒造跡地です。
「月丸」の項に画像アップしました)

 メールを頂いた方の情報によると、仮事務所で尋ねたら当地では良質の水が得られなくなったので(「月丸」の移転理由と同じだ)高尾山の山麓に蔵を移転した≠ニおっしゃってたそうだ。
 しかし、今のところホームページ等でそのような情報は一切掲載されていないし(小澤酒造場は自前のサイトは持っていない)タウンページを見ても掲載されている蔵元所在地は当初の場所のもの、高尾山麓の蔵についての言及は今のところされていない。
 つまり、現在はまだ蔵移転を積極的にPRする時期ではないと、蔵元は考えているのだろう。であれば、こちらも現時点では必要以上に詮索するべきでなかろう。情報が開示された時点で、改めて取材しようと思う。

(本項、梅澤氏からの情報ならびに助力によるところが大きい。多謝。)

 


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