普通酒を飲もう!
「三増酒は買うな」と書いておいて矛盾しているようだが、もちろん三増酒でない普通酒のことである。
なんだか最近、大吟醸とか飲んでもあんまり旨いと感じないのである。まあ、10回に1回くらいは「これは旨い」というのに当たるけれど、あとの9回はコストパフォーマンスを考えると積極的に手を出したいとは思わない。
日本酒を飲まない人に日本酒の素晴らしさを教えてあげるには大吟醸から入るのはやはり常道であろう。しかし、人におごってもらうならいざ知らず、あれを自腹で飲み続けるにはいかんせん高い。毎日は飲めない。そしてなにより、一部を除いて大吟醸は食事との相性が良くない、と思う。したがって、現在自分にとって大吟醸とはあくまではじめの一杯%I役割である(最近ではそれすら中吟―純米吟醸を含む―にとって代わられることが多い)。
世の中にはそういう大吟醸卒業者≠チて結構いるんじゃないだろうか。その人たちが向かう先は4つ…@中吟党 A純米教信者 B本醸造愛飲家 C普通酒マニア…って、日本酒の種類全部挙げてるだけだな。
この中で最も信仰心の強いのはA純米教信者のみなさんだろう。確かに純米酒は蔵元の個性が出るので面白い。燗上がりするかどうか実際に燗をつけてみないとわからないという楽しみもある。しかし、彼らの信仰の根拠というのはあくまで例の「米以外の原料を使ったものは日本酒とはいえない」というものであり、実際にアル添した酒と飲み比べた上で純米酒の優位を訴えているわけではないと感じられることが圧倒的に多い。まあ、マニアの三増酒排除の根拠とそんなに変わらないのかも知れないが、たまに純米教信者の方が「普段はアル添酒なんか飲まないのだが『××』の普通酒だけは別」みたいなことを書いているのをみると結構カチンときてしまうんである。
実際、普通酒を飲んでみると各蔵元の全体的な造りに対するスタンス―淡麗辛口に仕上げたいのか、濃厚な飲み口に仕上げたいのか―というのが見えてくる。特定名称酒はあまり上手じゃないが普通酒は抜群に旨い、という蔵元もある。純米酒と同じくらい、あるいはそれ以上に普通酒は蔵元の個性が出るってものである。自分の経験からいうと本醸造では蔵元の個性が極めて出づらい(逆にいうと、旨い本醸造を造れる蔵元は全幅の信頼を置けると思うが)。純米酒の2/3程度の値段で蔵元の個性を楽しめるのだから、素晴らしいことじゃないか。
みなさんももっと普通酒を飲みましょう。もちろん三増酒はダメだよ。
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