福井県
福井県の日本酒事情についていくつか気づいたことを書かせてもらうと、まず何といっても「一本義」というトップブランドが県産酒を引っ張っている。各都道府県の日本酒事情を語る際、その都道府県で最も出荷量の多い蔵元の姿勢に影響されるもの大なのだが、福井県に関しては「一本義」の蔵元(久保商店)がしっかりした酒を出している(当然三増酒は造っていない)ことが他の蔵元にも良い影響を与えているもとの思われる。とにかく福井県内の酒屋は例外なく「一本義」を置いているし、全体的に県産酒の置かれている比率も高いと感じた。しかも単に県産酒消費率が高くても秋田や広島のように三増酒がまかりとおっているわけでないのも好印象である。
気になる点もいくつかあった。まず全般に酒屋の日本酒管理が甘い。北陸地方は当然寒さは厳しいわけで、冬場は店内にガンガン暖房を入れている。しかるに冷蔵保管されているのは大吟醸・生酒系の商品だけなので、少なくとも冬場は店内に陳列されてすぐに購入しないとやばいんじゃなかろうか。実際、福井県内唯一のデパート、だるまや西武の酒売場なんかはほんと貧弱である。置いてある商品のポテンシャルは高いんだろうからもう少し気を遣って欲しいものである。
あと、これは訪ねた時期が悪かったのかもしれないが、もう少し生酒(本生)のアイテムを増やせないものか。本生を出しているのはこれも「一本義」で、他の蔵元はみな生貯蔵酒、しかもアルコール分を下げた商品ばかり置かれていた。この中には例の「黒龍」なんかも含まれている。まあ「黒龍」の吟醸生貯なんてのは東京でもあまりお目にかからないしそれなりにレアなのかもしれないが、どこか本生の流通に力を入れる蔵元が出てくれないかなあと思う。
前置きが長くなりました。カップ酒の紹介。
一本義 上撰
件の県内トップブランド。県内どこでも手に入る。これは福井市内のコンビニで購入した(税抜き219円)。この下に「金印」というのもありこちらも糖類無添加なのだが、アルコール分を下げているのでここでは割愛。
味については十分満足いけるものである。まあ、値段と造り(本醸造)であることを考えれば当然ともいえるが。こういうカップ酒が安定して手に入るというのは嬉しいことである。
雲乃井 キャリーカップ金印
これも福井市内ではよく置かれている。福井駅のキオスクにもあった。
カップ酒のネーミングについては散々悪態つかせていただいているが、ここの「キャリー」という表現は意味不明ながらなかなか新鮮でグッドである。あと「金印」というのはご覧のとおりシールが貼ってあったので剥がしてみたところ「本醸造」となっていた。使い回しなわけね。
「一本義」と飲み比べてみたが、香り・味共ほぼ同じ。ならば値段が安い(200円)分こちらの方が得ってもんだ。
若鹿
「北の庄」銘で知られる(居酒屋の『庄や』に置かれているよね)蔵の昔からある銘柄のカップ酒。マニアが泊まったホテルの冷蔵庫に置いてあった。ついては正価は不明。福井市内の酒屋とかでは見つからなかった。
他のカップ酒と飲み比べた中ではこれがいちばん旨かった。柔らかな甘味が感じられる。
福栄冠
数年前までは自社醸造していたはずだが現在は委託醸造である。ついてはあくまでも参考出品だが、キャップのデザインがなかなか良いのと元・蔵元(現在も自販機が置かれており、そこで220円で売られていた)がなかなか山中のエグいところにあって訪れる価値大だと思ったので敢えて掲載した。
味もしっかりしている。なんだか県内最大手の蔵の酒と味が似ているような気もしたが…憶測です。
福寿杯
越前地区を離れて敦賀へ。たまたま訪れたのが連休中で商店街も店を閉めているところが多く、何かしょぼい印象を受けた。
それはともかく、敦賀・小浜を中心とした若狭地方にも結構カップ酒のアイテムは多い模様。この「福寿杯」は敦賀駅ホームの駅弁屋で購入した(税込235円)。恐らく『駅売り酒10円増しの法則』により、定価は220〜225円なのではないだろうか。
それにしても、だ。この味はいただけなかった。これ恐らくホームに長く置かれて変質してしまったんじゃなかろうか。多分造りたてはもっとしっかりした味だったのではと推測される。全国の駅弁屋では結構地元のカップ酒を置いてあることが多く、マニアもよく利用するのだが、どうしても管理面での条件が悪い場合が多いのが玉に傷である。それにしても…だ。この235円てのはちょっと高すぎるんじゃないかい。
わかさ フラワーカップ
福井県の西のはずれ、小浜市にある結構大きな蔵元。本醸造である。
とりあえず市街の酒屋の店先にはことごとく「わかさ」のカップ酒の自販機が置いてある。普通酒がたしか200円だったと記憶しているが、それらは紙カップである。このフラワーカップはガラス容器入り、小浜駅のキオスクで購入した(たしか235円)。紙カップとガラスカップがある場合、紙のにおいが気になる場合があるのでマニアはどうしてもガラス入りを選択してしまうのだが。
今回に関してはその選択は間違っていたやもしれぬ。冷やで飲んでもいまいち、蔵元推奨の飲み方はぬる燗のようなので燗つけてみたがやはりいまいち、ちょっと質落ちしたような味であった。
考えてみれば、駅売りのカップ酒は棚に置かれたまま放置されるわけで、北陸の朝晩は冷え込むから(これを購入したのは11月)ストーブも焚くだろう。そうすれば質が落ちることも十分考えられるわけだ。その点自販機売りの場合、少なくとも常温(外に置かれているので暖房の影響受けない)うまくいけば冷やして売られているわけで、質的変化は少ないはずである。自販機のやつを買えば良かった。
教訓。『常温放置のガラスカップより自販機売りの紙カップ』。
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