風車と強すぎる風

川辺郡笠沙町野間池にある九州電力風力発電設備5機の内1基の鉄塔が平成11年9月24日未明 台風18号の強風にあおられ、ぽっきりと折れた。(平成11年9月27日南日本新聞より)
 インドのハリケーンで風車が大量に破壊された例はありましたが、日本初の風車自然破壊でした。
風車と自然破壊にについて個人的な意見を述べます。

1.鉄塔の強度

今回 壊れた風車の設計は耐風速は60m/sだそうです。
日本の場合 建築基準法により、鉄塔はこの耐風速で計算されているはずです。
沖縄県に耐風速70m/sの風車はありますが、一般的に日本の場合、鉄塔の耐風速は60m/sで設計されています
詳しくは技術の部屋の耐風速を参照のこと

2.ブレードの強度

高風速状態では、風車は停止しています。
ブレード強度計算は 単純な空力計算で設計できます。
FRP製の場合 製品のばらつきが大きいので 余裕のある設計になりがちです。

3.強風時風車はどうなっているのか

一般的に 風速25m/s(カットアウト風速)を 越えると風車は発電をするのを中止します。
さらに強い風が吹く場合は 各社いろいろな特徴があります。
三菱製:ブレードを風に90度ピッチ制御させ 風の力を安全に逃がします。
YAMAHA製:台風が来る際は 簡単に地面にロータを降ろせるように タワーの途中に折れ曲がる装置があります。
ストール制御:強風時は ストールしている状態なので 風上に風車を向ける制御をします。これによってブレードによけいに力が掛かりません。

4.落雷

石川県松任の風車に落雷が落ち、ブレードが焼け落ちたことがありました。
ヨーロッパでも研究は進んでおり、デンマークのLM社では ブレード先端部に金属の誘雷装置を取り付け
落雷した電流を安全に地面に流す設計となっています。
その他に、避雷針を建てるという方法もあります。(例:名立

5.地震

これもまた、建築基準法で一般的に約0.3Gで設計されます。
風車本体に、振動センサーがとりついていますが これはブレードの雪や氷のアンバランスによる
振動が発生した時に安全に停止するためです。

今回の場合、先に停電が起き ブレードのフェザーリング、ヨー旋回ができないとにより 設計以上の力が掛かり
鉄塔の一番弱い 部分から折れたと考えられます。(正式見解は いずれ出ると思いますが)
ただ、風車に本当はいくらの風が吹いたかは 誰も分かりません。また試験をする方法もありません。
各メーカが しっかりとした強風対策をするのと 風車は自然災害(強風)で壊れることがあるものとして考えるしかなさそうです

技術的には いくらでも頑丈な風車は作れますが それによるコストアップは当然考えなければなりません。
個人的には 風車はある割合で壊れるものとして考えるのが 正解のように思います

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