レベルモノグラム 1/32 トーネード IDS
 
 今回は、旧西ドイツ海軍使仕様が箱絵になっている、アメリカレベル版を製作した。
 完全新金型なので、全面スジ彫り、細部等良くできているが、全てのパーツがインジェクションパーツなので、可動部(可変翼)や補強等が組立上のポイントになる。
 基本的にストレートに組んだが、次の点に注意して製作した。
 
@可変翼、翼下パイロン、水平尾翼が可動式となっており、胴体の組立の際に挟み込むようになっているが、塗装の便を考えて、いずれも後から差し込めるようにした。
 
A機首下面、胴体側面のスジ彫り追加。
 
Bキャノピー、機首レドーム、エアブレーキ、給油プローブが開閉選択式となっているが、どちらかに固定するのがもったいないと思ったので、開閉どちらでもできるように差し換え式にした。
 
 説明書の塗装指示(細部、全面とも)が、かなりアバウトなので、カラー写真の多く載っている資料を一冊用意すると便利。
 
 
1.コクピット
 
 良く出来ているので、キャノピー内側にバックミラーを追加したのみ。シートベルトのモールドはやや立体感に欠けるので自作したほうが良いかもしれない。作例では塗装で済ませた。
 コクピット内の色の指定は、短に”ミディアムグレー”とかいてあるだけでかなりアバウトなので、それらしく”エアクラフトグレー”で塗った。
 
 
2.機首レーダー部
 
 レドームが開閉選択式になっているが、レドームの内側に0.3mmプラ板の細い縁取りをつけて差し込み、取り外しできるようにした。
 機首とレドームの合わせが良いので、特に削り合わせる必要はなかった。
 
3.主翼下パイロン・主翼
 
 この部分の組立をどう工夫するかが制作上の最大のポイントとなる。
 まず、翼下パイロン(実機は、可変翼の角度にしたがって動く。)について、キットは翼パーツ上下を貼り合わせる前に組み込むようになっている。 もちろん、この通り組むと後の修正や塗装に不便である。 作例では、翼内にゴム管(釣りで浮きをとめるのに使うやつ。)を仕込んで、後から差し込みかつ可動できるようにした。
 
 次に主翼について、キットでは左右主翼を上下から回転軸と一体整形されたヒンジではさみ込み、それを胴体上下を貼り合わせる際に組み込むようになっている。
 ここも、パイロン同様、後から組み込めるように次のような方法をとった。
 まず、主翼を上下からはさむヒンジ(パーツNo.37B,C)を単独で組み、胴体内に組み込んでしまう。
 次に、主翼の回転軸にあたる部分から内側へ向かって切り欠きを入れる。このようにすれば、全体の組立終了後に切り欠きを通して翼を差し込むことができ、かつ可動させることもできる。
 なお、これだけでは翼が抜け落ちる可能性があるので、主翼に入れた切り欠きの回転軸のすぐ手前にあたる部分にゴムブロックを挟み込んで接着しストッパーとした。
 
 
4.水平尾翼
 
 ここも、胴体上下に挟み込むようになっている。
 作例では5mmプラパイプを1本胴体内に渡してしっかり固定し、水平尾翼のほうには3mmプラ棒(丸)を回転軸として接着して、後から差し込め、かつ可動できるようにした。
 もし、差し込んだ後グラグラして安定がないようなら、プラ棒にマスキングテープなどを巻いて、差込が若干きつくなるようにすれば良い。
 
5.スジ彫り
 
 機首下面、胴体側面は潔い型割のおかげでスジ彫りが全て消えてしまっている。タミヤ等の国産キットならスライド金型などで対処しているところだろう。
 作例では’89年頃のMA誌の特集に載っていた図面を参考にスジ彫りした。
 このキットのスジ彫りは、リベットも含めてとても繊細なので、そのレベルに合うようにスジ彫りを追加するのは大変だった。
 
 
6.インテーク内側
 
 ここは内側のパーツが胴体(機首)との接合部分に沿って、一段凹んで整形されている。プラ板を凹みの型チン日切り出して面一になるように埋めてやった。
 
 
7.開閉選択部
 
 給油プローブは開、閉状態両方を組立、塗装して差し換えるようにした。(両面テープを使用。)
 キャノピー、エアブレーキは支柱の両端に両面テープの切れ端を貼りつけ、開状態のときに仮止めできるようにした。
 
 
8.塗装
 
 今回の製作でもっとも手間と時間をかけた(かかった)ところだ。
 旧西ドイツ海軍のいわゆるペンギン塗装(シーハリアーと同じ)で説明図にはグレー、白ともFSナンバーが記されているが、ここは自分の好み、イメージで選んだ色を塗った。
 
 下面色は、アメリカ海軍機用のインシグニアホワイト(FS17875)を使用、適度に汚れた感じを出すため、同じくアメリカ海軍機用のライトガルグレイ(FS16440)をパネルライン等にアバウトに吹き付けた。(いずれもSDEカラー使用。)
 
 上面グレイは、アメリカ空軍チャコール迷彩用のグレー(FS36118、Mrカラー305番)を基本に、単調さを防ぎ、軽い大食漢を出すためガルグレイを加えて明度を上げたものを3段階に分けて吹き付けた。
 
 このような最近はやりのグラデーション塗装は、パネルラインに沿ってとかあんまり厳密に考えないで全体のバランスを見ながらアバウトにかつ気楽にやればいいと思う。 上面グレイは、実機よりも明るめになったかもしれないが自分のイメージに合う色が出せて良かったと思う。
 
 
9.マーキング
 
 キットのデカールは印刷が美しいが、ノリが弱いのと、サイズ、色などにミスが見られる。
 まず、機首のナンバーと鉄十字は空軍用のものと同じサイズとなっていて旧海軍用にしては小さすぎる。デカールをコピーで130%に拡大し、それを基にマスキングして吹きつけ手描きした。
 主翼、胴体上に引かれているウォークウェイは、斜め破線が正解だが、キットはただの直線デカールが入っているだけである。これを手描きするのは難しいし、りゅうようできそうなデカールもなかったので、次のようにした。
 
 もでらー図のクリアデカールを3×10cmくらいの長方形に切り出し、その上にガンダムマーカー黒でていねいに斜線を引いていく。全面に均等に斜線が引けたらよく乾かして、1〜1.5mmくらいの細切りにすれば簡単に斜め破線のデカールの出来上がりである。
 
 
10.完成してみて
 
 ファントムよりは一回り小さいが、やっぱり1/32は迫力があっていいと思う。特にトーネードは垂直尾翼がやたら大きいので、打ちのガラスケースに入るかどうか心配だったが、何とか納まってくれた。
 このキット用に、レジンのディテールアップパーツや、フラップダウンの状態に再現できるパーツが出ているようなので、利用するといいと思う。特にこのスケールでフラップダウンの状態を作ればすごい迫力になると思う。
 
 
補  足
 
 可変翼の引き込むゴムシールドは実際にゴムシートを張ろうと思ったが適当な厚みのものがなかったので,マスキングテープを帯状に巻いて,ガンダムマーカーでリベットや模様を描き込んだ物を貼りつけておいた。これなら主翼を動かしてもうまい具合に隙間を塞ぐように動いてくれる。